奴隷亜人の転生旅路〜転生先はやられ役の神獣でした〜

神月るあ

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11話 皇族との食事会

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「…んん?」

ゆさゆさと体を揺さぶられ、私はゆっくりと目を
開けた。側にはクォーツと、他のメイドさんが
いる。

「あ…ごめんなさい。もうそんな時間だったん
ですね…」
『あ、いえ!ドレスの為、少し早めに起こしたの
です…すみません!』
「! いえ、それなら寝てしまった私の落ち度ですから。謝らないでください」

こんな心優しいのに、どうして…。ゲームなら
セーブなり、縛りなり色々とできるけど、ここは
現実だ。捨てたら、もうそれまでなのに…。

『それでは!今からドレスと、ヘアアレンジも致しますね!折角の長い髪ですし、活用しないと!』
「は、はい…」

まあ、楽しそうだしいっか。…ドレス、地味に着てみたかったんだよね。今の体型ならドレスも入る!小さな女の子が夢見そうなもんだけど、意外と
オタクもそういう夢見るんだよね!時間は掛かる
かもだけど、楽しみ!

ー数十分後ー

『はい!出来上がりましたよー!どうですか⁉︎』
「ッ…これが、ドレス…?」
『はい!簡単なものですが、お似合いです!』

ドレスって堅苦しいものだと思い込んでたけど、
こんなデザインのもあるんだ…。少し重たいけど、可愛い…。

『時間ピッタリですね!お部屋に参りましょう』
「あ…そっか。わかりました」

そっかあ…皇帝と食べるんだもんねえ…私。変な事口走らないようにしないと。神獣だとバレればこの国だけでなく、他の国からも追われる身になって
しまうだろうし。

ー数分後、食事の間ー

『失礼します。ペリドット様をお連れしました』

先ほどとは違う、毅然きぜんとした態度でクォーツは私の名を出した。すると、低く、でも柔らかい感じの
する声が返ってきた。

『ああ。通してくれ』
『畏まりました。この先は私は入る事ができません。どうぞ、ご自身の足でお進みくださいませ』
「あ、はい…」

とは言ったものの!私一人?皇族の前に出る?
なんでそんな待遇か聞きたいし、なにより、
心細いよ…。

(腹を括るか!一応、お客様って言ってたし!
うん!礼儀はゲーム内で見てたやつをやるしか
ない!)
「し、失礼します…」
『ペリドット様。ようこそお越し下さいました』

そう言う第二皇子に、第一皇子、皇帝っぽい人、
そして、皇后?っぽい人…私がこの間に入っていいものか…。

『どうぞ、こちらに。大丈夫ですよ。父上も
母上も、とても優しいですから』
「ぁ、はい…」

さっきからこれしか言えてないな…。でも、料理は素直に美味しそう…。食べて大丈夫かなこれ?体は神獣だし大丈夫か?

『食事の前に、まず自己紹介をしよう。私の名は
ロード。ロード・カムラッドだ。この度は我が国の騎士が貴方に対してとんでもない粗相をしたと
聞いた』
「あ、それはもう謝ってもらえれば…」
『そうもいきませんのよ。あ、わたくしはこの国の
皇后、アメジストです』
「あ、はい…皇后様と皇帝様に会えて、とても
嬉しいです」

本当に心臓が持たない!ゲームの世界だからか、
何故揃いも揃って美形なんだ!女性が惚れる
女性って中々珍しいのに!

『俺はこの国の皇太子、カイヤです。それで、
こっちが…』
『改めて、僕が第二皇子のセレスです。今日の
食事会、楽しんでくださいね!』

楽しむ前に私の心が保てばいいな…。ご飯に気を
向けるか?もうそれで乗り切るか!
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