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39話 聖獣の森
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「ここ?」
『はい。ここが"聖獣の森"です。奥に行けば行く
ほど時の流れが遅くなりますので、なるべく
浅く、そして早く用事を終わらせる必要が
あります』
私は神獣だし死なないからいいけど、クォーツや
マリン、アンバーは放っておけば森を出た時が大変
な事になる。さっさと終わらせる。
「よし、行こう」
『うん、主様』
ー森ー
「…生態系は、普通の森と同じなのかな?」
『はい。住んでる種族が違うのと、彼らの魔力に
よって少し属性が付いていたりするくらいです』
植物に属性か…つまりは安易に触れたらダメな奴が
普通にあると。…。
「皆んな。念の為、属性魔法を反射する加護を
付けるよ。怪我されたらこっちの身が持たないし」
『わかりました』
『わかった』
ゆっくりと深呼吸をする。これは霊法。魔法で
ない以上、詠唱がいる。
「ふ~…。《今、神獣ペリドットの名において》」
『…!』
真っ白な霊法陣を出し、そこに全員がいる。状況
は大丈夫。後は詠唱!
「《かの技術、魔法の効果を無力にする》」
『…』
…よし、よし。詠唱は合ってる。最後…!
「《神獣乃法 魔導無化》」
詠唱を終えた途端、私の神経が嫌な予感がすると
告げる。空気がビリビリしている。誰かいる。
かなり浅めだけど…そんな事は言ってられない。
「ッ!」
隠していたナイフを思いつく限り最速で投げる。
タンっと木に当たる音が響く。そして、木の葉をかき分け、スタッと降りてくる。周りは当然、
気配のない場所から出てきたその人に驚いていた。
「ふむ…。聖獣…それも、リスか」
『何か悪いか?リスなのが』
「いんや?寧ろいい」
『…!どうして?』
小さく高い声。でも警戒心が感じ取れる声が、私に問い掛ける。リスなのがいいのはなんでなのか。
それは…。
「聖獣は種類によって固有能力が存在する。リス族
が持ってるのは確か…」
『…私達が持っているのは『付与』だ』
「…いいの?言って」
付与の説明は後にするとして、警戒心の高い筈の
リスが自ら固有能力を明かすなんて…。
『私達は、貴方とそこにいる黒髪の少年が神獣で
あると理解している。周りはただの獣人でも、
貴方達は違う』
「わかるんだ…耳とかは隠してたつもりだけど…」
『私も、わからなかった』
「…え?」
『村長に言われたんだ。神獣様が森に入ってきた
から、見て来いって…。もしお怒りなようなら、
そのまま生贄になれって』
「ッ⁈」
生贄に…?というか、お怒り?何か神を怒らせる
ようなことをしたと?フォルフィア様の線はない
か?あの人は私が辛辣なこと言っても
流してたし…。
「その、神は誰?」
『っそれは…言えない』
「そう…」
という事は。もしかすると…。
『ねえ主様。この土地、何かおかしいよ』
「土地…?」
『本当ですね…言われてみれば。精霊の亜人である私でもわかります。…核がないですね』
『…ッその、通りだ』
土地の核…それは、その土地一体を統べる"神"。
最初からおかしかった。霊力をいつも以上に持って
いかれる感覚。ここに神が居ないから、霊力が
外に漏れ出ている。
「大体わかった。かなり昔だろうけど、ここに居た
誰かが神を殺したよね?」
『はい。ここが"聖獣の森"です。奥に行けば行く
ほど時の流れが遅くなりますので、なるべく
浅く、そして早く用事を終わらせる必要が
あります』
私は神獣だし死なないからいいけど、クォーツや
マリン、アンバーは放っておけば森を出た時が大変
な事になる。さっさと終わらせる。
「よし、行こう」
『うん、主様』
ー森ー
「…生態系は、普通の森と同じなのかな?」
『はい。住んでる種族が違うのと、彼らの魔力に
よって少し属性が付いていたりするくらいです』
植物に属性か…つまりは安易に触れたらダメな奴が
普通にあると。…。
「皆んな。念の為、属性魔法を反射する加護を
付けるよ。怪我されたらこっちの身が持たないし」
『わかりました』
『わかった』
ゆっくりと深呼吸をする。これは霊法。魔法で
ない以上、詠唱がいる。
「ふ~…。《今、神獣ペリドットの名において》」
『…!』
真っ白な霊法陣を出し、そこに全員がいる。状況
は大丈夫。後は詠唱!
「《かの技術、魔法の効果を無力にする》」
『…』
…よし、よし。詠唱は合ってる。最後…!
「《神獣乃法 魔導無化》」
詠唱を終えた途端、私の神経が嫌な予感がすると
告げる。空気がビリビリしている。誰かいる。
かなり浅めだけど…そんな事は言ってられない。
「ッ!」
隠していたナイフを思いつく限り最速で投げる。
タンっと木に当たる音が響く。そして、木の葉をかき分け、スタッと降りてくる。周りは当然、
気配のない場所から出てきたその人に驚いていた。
「ふむ…。聖獣…それも、リスか」
『何か悪いか?リスなのが』
「いんや?寧ろいい」
『…!どうして?』
小さく高い声。でも警戒心が感じ取れる声が、私に問い掛ける。リスなのがいいのはなんでなのか。
それは…。
「聖獣は種類によって固有能力が存在する。リス族
が持ってるのは確か…」
『…私達が持っているのは『付与』だ』
「…いいの?言って」
付与の説明は後にするとして、警戒心の高い筈の
リスが自ら固有能力を明かすなんて…。
『私達は、貴方とそこにいる黒髪の少年が神獣で
あると理解している。周りはただの獣人でも、
貴方達は違う』
「わかるんだ…耳とかは隠してたつもりだけど…」
『私も、わからなかった』
「…え?」
『村長に言われたんだ。神獣様が森に入ってきた
から、見て来いって…。もしお怒りなようなら、
そのまま生贄になれって』
「ッ⁈」
生贄に…?というか、お怒り?何か神を怒らせる
ようなことをしたと?フォルフィア様の線はない
か?あの人は私が辛辣なこと言っても
流してたし…。
「その、神は誰?」
『っそれは…言えない』
「そう…」
という事は。もしかすると…。
『ねえ主様。この土地、何かおかしいよ』
「土地…?」
『本当ですね…言われてみれば。精霊の亜人である私でもわかります。…核がないですね』
『…ッその、通りだ』
土地の核…それは、その土地一体を統べる"神"。
最初からおかしかった。霊力をいつも以上に持って
いかれる感覚。ここに神が居ないから、霊力が
外に漏れ出ている。
「大体わかった。かなり昔だろうけど、ここに居た
誰かが神を殺したよね?」
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