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ありさの能力

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「今日の任務は全て完了。お腹すいたなぁ…」


ありさは呟きながら愛車から降りて、玄関前まで迎えに来ている愛犬を抱き上げる。


「ただいま!シロボウお利口さんにしてたの?

お利口さんならオヤツあげるね」


シロボウは何やら犬語でありさと会話をしているようだ。

周りからは犬が鳴いているとしか認識されていない。


「ワンワワワン、ふごふご。

ワワワワン」


「シロボウ…リリィちゃんが誘拐されて監禁されたですって!

リリィちゃんは私の癒しなのに!

許せない!

わかったわ!そのマンションに配達に来たふりをして行けばよいのね。

任せて!リリィちゃんは私が助けるから!」


「ワワワン、ククゥンゥン」


「ちょっと…私だけじゃ心配だから自分も行くって…

私の事、信頼してないの?」


「ワワワンワン(そんな事ないけど、僕も人化してついて行くよ。だから、ぼくの着る服を出して?)」


「仕方ないなぁ。

たまには人化したシロボウとデートもいいか。

ねぇ、お腹空いたからアメリカンドッグ食べてからでもいいかな?

トラちゃんとクロくんにもう少し待ってもらう事になるけど…」


シロボウは力を解放して人化して高校生位の少年になった。


ありさの弟のお古の制服を着用して、髪を整えると誰が見ても普通の男子高校生に見える。


「ありさはその制服のままで適当な荷物を持ってきて!


届け先はあのマンションの三階の部屋あてにしといて、適当な女性の名前書いといてくれたらいいよ。


じゃあ、僕は公園でクロ達と合流しておくね」


「わかった!

待ってて!腹ごしらえしたら行くから」


ありさは温めたアメリカンドッグを食べながら答える。


「んーっ。何かしっくりこないな…

フライドポテトもいっとくか?

腹が減っては戦は何とかって言うもんね。

食べとこ」


電子レンジで温めるタイプのフライドポテトも追加する事にしたようだ。


あなた…


戦うわけじゃないですよね?


間違えた荷物を届けて、そのすきにリリィちゃんを逃がすってだけですよね?


ありさはポテトを食べながら適当な荷物を用意して、花園急配の配達伝票を貼り付けた。


これで完璧よね!と呟きながらポテトをモグモグ。


慌てる様子は全くないけど…


ありさちゃん!

シロボウ達が公園でソワソワしながら待ってるよ…きっと…


次回、急展開?


ありさ達はリリィを無事に救い出す事が出来るのか?
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