ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

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王都についた翌日。


待ちに待ったマイヤーズ商会の店舗に行けると朝からソワソワしているアイラである。


タウンハウスから徒歩圏内だから1人で行くと言うアイラの後を慌てて追う護衛騎士たち。


アイラは、世界を股にかけたマイヤーズ商会の末娘なので誘拐される恐れもあるので常に護衛騎士や影の者が付き従っているのだ。


アイラは、まだ準備中のマイヤーズ商会へ堂々と入っていく。


すると、アイラの顔を知らない従業員が慌てて走ってきた。


「お客様、当店の開店時間は9時となっております。

開店時間まで、店の前の休憩スペースでお待ち下さい。

こちらには、試飲出来るドリンクや試食出来るスナックも用意してありますのでご利用下さいませ」


従業員は嫌な顔ひとつせずに、アイラを休憩スペースへ案内してくれた。


中々やるじゃない！


こんな従業員ばかりなら、王都店が全国1位になるのも時間の問題ね。


兄様の教育が行き届いているようね。


アイラは、従業員チェックリストから先程の従業員の名前を探すと合格の欄に丸をつけた。


今は顔を知られていないから出来るけど、顔を知られると出来なくなるから認識阻害が強めにかかってるローブを姉様に発注しないとね！


そうだわ。


髪と瞳の色を変えておきましょう。


アイラは魔法で目立つピンクブロンドと紫の瞳を茶色に変えた。


これは使えるわね。


上位貴族用のお忍びセットを作って売りましょう。


ウィッグとカラーコンタクトと街歩き用の服と靴をセットにしたらきっと売れるはずよ。


カラーコンタクトは、オシャレ用として売店に置くのも良いかも！


アイラは、常に仕事の事を考えてしまう性分なのだ。


試飲と試食のコーナーを確認しながら、誰かが毒を入れたら困るのよねぇ…


でも、新商品を試して欲しいし…と悩むアイラだった。


お会計をしている時にアンケート付きで試食を配るのはどうだそそか？


そうだ！


その前に、この店に悪意を持つ人が入れないように結界を張ってみようかしら？


アイラはマイヤーズ商会王都店の周りに無詠唱で結界を張った。


アイラの魔力はかなり多いらしいので、店に結界を張る位は余裕なのだ。


そもそも、母のロザリアがヤバいレベルの魔導師だったりする。


聖女や王宮魔導師になるのを嫌って実家の侯爵家を出奔し、旅先で出逢ったヤリ手商人のアルフォンスと恋に落ち結婚したらしい。


母は、五代侯爵家ガーラント家の娘なのだ。


出奔して縁を切られていたのだが、孫可愛さにつられて祖父母の方から擦り寄ってきたらしい。(母談)


ちなみに、王宮魔導師長が母の兄で王立学園の学園長は母の弟である。


進学祝いとして、祖父ガーラント侯爵から伯爵位が送られたのでアイラは男爵家の娘であるが実は伯爵なのだ。


女だてらに商会を経営していると、取り込もうとする貴族も出てくるだろうからと心配した祖父からのプレゼントなのだ。


最初は、伯爵位なんてもらっていいの？と思ったアイラだが母から老い先短い年寄りからのプレゼントは断ったら可哀想よ？と言われ受け取る事にしたのだ。


それを影から聞いたガーラント侯爵は、誰が老い先短い年寄りだ！とお怒りだったとか…


ちなみに、アイラについている影の軍団も孫ラブのガーラント侯爵の配下の者たちである。


王国の貴族の中では、逆らうと生きて行けなくなるから気をつけろリストの上位に入っているガーラント侯爵だが、孫娘のアイラの事はとにかく溺愛しているのだ。