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アイラは、店長代理であるザイラスと一緒に従業員食堂へと向かった。
食堂からは、バターの良い香りが漂っている。
「兄様、このバターの香りはたまらないわね。
食堂では、何処の牧場のバターを使っているの?
バターをたっぷりのせた蜂蜜トーストが食べたくなるんだけど…」
「良い香りだろう?
商店で売り出す前に、食堂で使ってもらって人気がある物をメインに仕入れているんだよ。
今使っているのは、王都近郊の特産品だよ。
香り高く円やかな風味で人気なんだ。
蜂蜜トーストにも、きっと合うだろうね。
うちのメニューには、蜂蜜トーストは無いからシェフにリクエストするしかないな。
そうだ!
バターと同じ牧場から仕入れてるバニラアイスも美味いぞ。
フレンチトーストにトッピングする事をおススメするよ」
「要するにうちの店の食堂では、王都の流行りを先取りしたグルメが味わえるって事ね。
フレンチトーストとパンケーキをひと口大に切ってカップに詰めてフルーツやアイスをトッピングした物を移動式の屋台で売るのはどうかしら?
絶対に流行るわよ?
母様が移動式の屋台を作ってたと思うのよねぇ。
後から聞いてみるわ」
「成程、王都では移動式屋台は見た事がないねぇ。
確か、和国からの依頼で移動式屋台を作ったはずだから本店に問い合わせたら在庫があると思うよ。
移動式屋台が流行れば、食材も屋台もうちの売り上げになるから最高だよ。
姫が王都に来てまだ2日だが、色々とやる事が増えて大変だよ。
俺ひとりじゃ、中々大変だから姫に誰か付けないとなぁ。
頭の回転が早くて、直ぐに動けるヤツかぁ…
仕事が出来るヤツはみんなそれなりに忙しいポストについてるからなぁ…」
ザイラスは、アイラ付きにする者を誰にするか悩んでいるようだ。
アイラは、ザイラスが自分の世界に入っている間にサッサと食堂に入り、フレンチトーストとパンケーキを注文して、待ち時間に厨房のチェックをするようだ。
「おはようございます。今日からこちらでお世話になります。マリールウと申します。
店長さんから、フレンチトーストが焼き上がる間に厨房内を探検して来てもいいよと言われたのですが、お邪魔じゃないですか?」
アイラは、以前から商会で使っているミドルネームのマリールウを名乗った。
髪と瞳の色を変えていても母親譲りの美貌は隠せないのだが、自分がマイヤーズ商会の娘である事やこの店の責任者である事はなるべくふせたいのだ。
平民のマリールウとして振る舞う方が色々と動きやすいのである。
勿論、ザイラスもマリールウと名乗る事は了承している。
「おはようございます。
お嬢さんは、新人さんかい?
店長の親戚筋の娘さんがアルバイトで入るって聞いているんだが…
厨房に入るのかい?
店舗勤務じゃないのかい?」
「はい、ザイラス店長の親戚でこちらでアルバイトする予定なのは私です。
店舗勤務なのですが…
私、食いしん坊で厨房でどんな風に作っているのかが気になって仕方がないので探検に来ました。
料理長、よろしくお願いします」
マリールウになったアイラは、上品にならない程度に頭を下げた。
「おい、誰かマリールウさんを案内してくれ!
それと、俺の事は料理長なんてかしこまった呼び方はせずにダンと呼んでくれたらいいからな?
あと5分もすればうちの自慢のフレンチトーストも焼けるだろうから、その間に厨房を散歩していてくれ」
マリールウは、頑固親父と呼ばれる料理長のダンに気に入られたようである。
ダンは、ハッキリした性格の美人が大好きなのだ。
アイラの姉であるマリーベルも彼のお気に入りで、マリーベルがこの店に来ると彼女が大好きなメニューが賄いに出るのだ。
ちなみに、マリーベルが大好きなメニューとは…
沢山あるのだが、特に好きなのはミートボールパスタとクリームオムライスとジャンボプリンなんだとか。
マリーベルとアイラはあまり顔は似ていないので、ダンにはマリールウことアイラがマリーベルの妹であるとは思われなかったようだ。
マリールウは、皿洗いをしていた少年ルーカスに厨房を案内してもらっている。
食堂からは、バターの良い香りが漂っている。
「兄様、このバターの香りはたまらないわね。
食堂では、何処の牧場のバターを使っているの?
バターをたっぷりのせた蜂蜜トーストが食べたくなるんだけど…」
「良い香りだろう?
商店で売り出す前に、食堂で使ってもらって人気がある物をメインに仕入れているんだよ。
今使っているのは、王都近郊の特産品だよ。
香り高く円やかな風味で人気なんだ。
蜂蜜トーストにも、きっと合うだろうね。
うちのメニューには、蜂蜜トーストは無いからシェフにリクエストするしかないな。
そうだ!
バターと同じ牧場から仕入れてるバニラアイスも美味いぞ。
フレンチトーストにトッピングする事をおススメするよ」
「要するにうちの店の食堂では、王都の流行りを先取りしたグルメが味わえるって事ね。
フレンチトーストとパンケーキをひと口大に切ってカップに詰めてフルーツやアイスをトッピングした物を移動式の屋台で売るのはどうかしら?
絶対に流行るわよ?
母様が移動式の屋台を作ってたと思うのよねぇ。
後から聞いてみるわ」
「成程、王都では移動式屋台は見た事がないねぇ。
確か、和国からの依頼で移動式屋台を作ったはずだから本店に問い合わせたら在庫があると思うよ。
移動式屋台が流行れば、食材も屋台もうちの売り上げになるから最高だよ。
姫が王都に来てまだ2日だが、色々とやる事が増えて大変だよ。
俺ひとりじゃ、中々大変だから姫に誰か付けないとなぁ。
頭の回転が早くて、直ぐに動けるヤツかぁ…
仕事が出来るヤツはみんなそれなりに忙しいポストについてるからなぁ…」
ザイラスは、アイラ付きにする者を誰にするか悩んでいるようだ。
アイラは、ザイラスが自分の世界に入っている間にサッサと食堂に入り、フレンチトーストとパンケーキを注文して、待ち時間に厨房のチェックをするようだ。
「おはようございます。今日からこちらでお世話になります。マリールウと申します。
店長さんから、フレンチトーストが焼き上がる間に厨房内を探検して来てもいいよと言われたのですが、お邪魔じゃないですか?」
アイラは、以前から商会で使っているミドルネームのマリールウを名乗った。
髪と瞳の色を変えていても母親譲りの美貌は隠せないのだが、自分がマイヤーズ商会の娘である事やこの店の責任者である事はなるべくふせたいのだ。
平民のマリールウとして振る舞う方が色々と動きやすいのである。
勿論、ザイラスもマリールウと名乗る事は了承している。
「おはようございます。
お嬢さんは、新人さんかい?
店長の親戚筋の娘さんがアルバイトで入るって聞いているんだが…
厨房に入るのかい?
店舗勤務じゃないのかい?」
「はい、ザイラス店長の親戚でこちらでアルバイトする予定なのは私です。
店舗勤務なのですが…
私、食いしん坊で厨房でどんな風に作っているのかが気になって仕方がないので探検に来ました。
料理長、よろしくお願いします」
マリールウになったアイラは、上品にならない程度に頭を下げた。
「おい、誰かマリールウさんを案内してくれ!
それと、俺の事は料理長なんてかしこまった呼び方はせずにダンと呼んでくれたらいいからな?
あと5分もすればうちの自慢のフレンチトーストも焼けるだろうから、その間に厨房を散歩していてくれ」
マリールウは、頑固親父と呼ばれる料理長のダンに気に入られたようである。
ダンは、ハッキリした性格の美人が大好きなのだ。
アイラの姉であるマリーベルも彼のお気に入りで、マリーベルがこの店に来ると彼女が大好きなメニューが賄いに出るのだ。
ちなみに、マリーベルが大好きなメニューとは…
沢山あるのだが、特に好きなのはミートボールパスタとクリームオムライスとジャンボプリンなんだとか。
マリーベルとアイラはあまり顔は似ていないので、ダンにはマリールウことアイラがマリーベルの妹であるとは思われなかったようだ。
マリールウは、皿洗いをしていた少年ルーカスに厨房を案内してもらっている。
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