ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

まゆら

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王妃様の専属侍女に、浴衣の着付けと取り扱い方法を伝授し、浴衣に合うまとめ髪も何種類か教えて帰ろうとしていたアイラ達だが、王妃様から息子と側近たちに似合いそうな浴衣を見繕ってくれと言われ…


王太子や側近たちの髪や瞳の色を思い出しながら、無難な幾何学模様の浴衣を数点選び、王妃様に確認してもらう。


「息子は保守的だから冒険した柄は無理よねぇ。

つまらないわ…

この赤い薔薇模様の浴衣をシックに着こなせるような息子が良かったんだけどねぇ。

まぁ、絶対に着ないわよね…

そうだわ!

これは、甥っ子に着せるわ。

あの子は赤い髪だもの。

赤薔薇の貴公子と呼ばれているみたいだから、この漆黒の生地に真っ赤な薔薇が咲き乱れている浴衣が似合うと思わない?

アイラさんは、確か甥っ子と同じクラスでしょ?」


王妃様は、アイラが息子や甥っ子と同じクラスであると知っているようだ。


「確かにクリストファー殿下には、こちらの幾何学模様あたりがよいかと…

あまり攻めたデザインよりは、正統派の方が殿下のプラチナブロンドには映えそうですよ。

アクセサリーは、パワーストーンであるラピスラズリは如何ですか?

幸運を引き寄せ、持つ者を成長させると言われております。

この美しい瑠璃色は殿下の瞳の色を映したようではないですか?

甥っ子さんというのはレイモンド殿下ですね?

確かに、黒地に赤い薔薇模様が似合う男性と考えた時に思いつくのはレイモンド殿下ですね。

帯留めに赤い薔薇を模したルビーはどうでしょう?

耳飾りも、ルビーと金の薔薇のデザインがございますよ?

側近である色男三人衆の好みは分からないのですが…

クリストファー殿下の幾何学模様と合わせるなら、格子柄や縦縞模様などがよいかと…

黒、藍、灰、紺の生地であればお洒落に着こなせるのでは?

下駄は黒のレザーの鼻緒の物をサイズ違いで選んでおきますね。

私は、トワイエ公爵家の方へ戻りますが、ザイラスと着付け担当をこちらに残しますので、何なりとお申し付け下さい。

では、私はこの辺で御前を失礼致します」


アイラは、王妃様にあいさつをしてトワイエ公爵家に帰る準備をしている。


「アイラさん、本日はとても楽しくお買い物が出来たわ。

また、来てくれるかしら?

アンナがマイヤーズ商会のお取り寄せスイーツが美味しいって自慢してくるのだけど、私にもお取り寄せは出来るのかしら?」


「王妃様、ありがとうございます。

呼んで頂けたら、いつでも伺います!

マイヤーズ商会のカタログセットをお渡ししておきますね?

注文方法も、こちらのカタログを見て頂けば分かるようになっておりますよ。

もし、分からない事があれば問い合わせて下さいませ。

今、カタログを見て気になる物があればザイラスに直接注文して頂けたら、後日お届け致しますので宜しくお願い致します。

では、私は失礼させて頂きます」


アイラは、王妃様に挨拶をすると慌てて帰って行くのだった。










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