ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

王太子side６

レイモンドが浴衣に着替えてくると聞いて、もしかして私たちも浴衣を着ないとダメなんだろうか？と悩むクリスなのだが…


空気を読まない側近たちは、スイーツビュッフェに夢中だ。


母上の機嫌を損ねないように、私だけでも浴衣に興味があるフリをしないと…


母上と父上が同じ柄の浴衣を着ているという事は、私もパルミラと同じ柄にしないといけないのだろうか？


アクセサリーも髪か、瞳に合わせなければいけないとか…


面倒くさ過ぎるんだが…


クリスはため息をつきながら、浴衣を選ぶ事にした。


私には、花柄の浴衣なんて無理だから格子模様の浴衣にしてみるか…


白黒の格子柄を手にとったクリスは、帯と下駄は何色がよいですか？とザイラスに確認されて、少し戸惑いながらもパルミラを思い出して、パートナーがハニーブロンドで瞳はエメラルドグリーンなのですが、この浴衣と合うようにコーディネートお願いしますと告げた。


「それなら、帯は黄色で下駄は黒レザーにしましょうか？


耳飾り、腕輪、帯留めはペリドットにしましょう。

エメラルドよりも、ペリドットの方が若向きですし、爽やかな雰囲気が殿下にピッタリですから」


ザイラスに接客された、クリスはさっきまでの面倒くささを忘れたようにパルミラに贈る浴衣も選ぶようだ。


ザイラスから意見を聴きながら、水色と白の格子柄の浴衣、白い帯に白レザーの下駄を選び、髪飾り、耳飾り、帯留めにはサファイアを選んだ。


「殿下の婚約者様は幸せですね。

こんな風にサプライズで贈り物を選んで頂けるなんて…

もうすぐ、星祭りがありますからその時に浴衣で出かけたらどうでしょう？

和柄のカードをサービスしますのでこちらにメッセージを書いて渡せば、婚約者様も喜ぶのではないですか？ 

女性というものは、何でもない日に贈り物をされるのが好きなのですよ 」


ザイラスの言葉を聞いて、クリスはハッとした。


「大変だ！

婚約者への贈り物は、母か執事に任せっきりで私が選んだ事がないのだよ…

婚約者と上手くいっていないのも、そのせいだろうか？

最近では、学園在学中にいい人を見つけるのでその時は早急に婚約解消して欲しいと言われているんだよ…

もう、手遅れなんだろうか？」 


「殿下…

そのようなトップシークレットを私に聞かせて良かったのですか？

王国の勢力図が塗り替えられるような話じゃないですか？

王太子派の筆頭は、トワイエ公爵ですからねぇ。

このまま、トワイエ公爵令嬢と婚約している方が無駄な争いが起こらないですよね？

私、微力ながら殿下とトワイエ公爵令嬢が上手くいくようにお手伝いしますよ？

先ずは、星祭りに誘ってくださいよ」


ザイラスには、弟はいないのだが弟がいたらこんな感じなのかなぁと楽しい気分になるのだった。