ピンク頭で男爵令嬢だからと言って勝手にお花畑ヒロインだと決めつけないで下さい

まゆら

文字の大きさ
66 / 79

和国にて

しおりを挟む
お腹を空かせたアイラが張り切るレイナ様に連れて来られた場所は…



工場見学者用の試食コーナーであった。


「我が社が誇るスイーツビュッフェにも負けない試食コーナーですわ。


アイラさんが、試食してお気に召した商品を取り扱って頂きたいのです!

お好きな物を好きなだけ時間も無制限で試食出来ますわよ?

私も、ご一緒しますわ」


レイナ様は、試食用の大きな器をアイラに渡した。


アイラは、キラキラした瞳で試食コーナーを眺め…


お目当ての商品をドンドン器に盛り付けていった。


「先ずは…寒天でしょ!

次は赤えんどう豆にあんず、みかんと黄桃、いちごものせて…

もちもちの求肥に…

白玉団子もいっちゃいますか!

あんこは、こしあんで!

バニラアイラと抹茶アイスといちごアイスでしょ?

最後に真っ赤なチェリーをのせて欲張りあんみつの出来上がりね!

蜜は、白蜜に決定ね!」


器に綺麗に盛り付けられたと満足そうなアイラだが…


食べきれるの?


それ…見るからに3人分位ありそうだけど…


1番大きな器に、盛りに盛ったアイラに対し、レイナ様は小さな器に、こじんまりと盛り付けていた。



器の底の部分に寒天を敷き詰め、赤えんどう豆をその上から散らして、真ん中に粒あんといちごアイスをのせてから周りにグルッといちごを飾り空いた部分に求肥をトッピング。


密は、黒蜜を選んだようだ。


工場見学者で賑わう試食コーナーの隅に2人用の席が空いているのを見つけたアイラはレイナ様に手を振って合図をした。


「レイナ様!!

こっちよ!」


中々、アイラに気づかないレイナ様に呼びかけるとようやく気づいたようだ。


レイナ様は、試食のあんみつだけでなく、抹茶わらび餅と2人分の冷たいお抹茶を持ってきてくれたようだ。


「流石、レイナ様!

気が利く!!

前に私が抹茶のスイーツを好きって言ったの覚えてくれてたんですね。

うちに、嫁に来てください!!」



「もう!!

アイラさんは大げさなんだから!

アイスが溶けないうちに食べましょう。

このわらび餅は、作りたてだからぷるっぷるなの。

一緒に食べましょう!」



「わらび餅…

ぷるっぷるのわらび餅…

たまらんっ!!  

抹茶は正義なのよね。

あぁ、大変アイスが溶けちゃう」



アイラは、抹茶わらび餅をひと口食べウットリした後、溶けそうになっているアイスとこしあんをスプーンですくった。








しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

短編 跡継ぎを産めない原因は私だと決めつけられていましたが、子ができないのは夫の方でした

朝陽千早
恋愛
侯爵家に嫁いで三年。 子を授からないのは私のせいだと、夫や周囲から責められてきた。 だがある日、夫は使用人が子を身籠ったと告げ、「その子を跡継ぎとして育てろ」と言い出す。 ――私は静かに調べた。 夫が知らないまま目を背けてきた“事実”を、ひとつずつ確かめて。 嘘も責任も押しつけられる人生に別れを告げて、私は自分の足で、新たな道を歩き出す。

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

悪役令嬢まさかの『家出』

にとこん。
恋愛
王国の侯爵令嬢ルゥナ=フェリシェは、些細なすれ違いから突発的に家出をする。本人にとっては軽いお散歩のつもりだったが、方向音痴の彼女はそのまま隣国の帝国に迷い込み、なぜか牢獄に収監される羽目に。しかし無自覚な怪力と天然ぶりで脱獄してしまい、道に迷うたびに騒動を巻き起こす。 一方、婚約破棄を告げようとした王子レオニスは、当日にルゥナが失踪したことで騒然。王宮も侯爵家も大混乱となり、レオニス自身が捜索に出るが、恐らく最後まで彼女とは一度も出会えない。 ルゥナは道に迷っただけなのに、なぜか人助けを繰り返し、帝国の各地で英雄視されていく。そして気づけば彼女を慕う男たちが集まり始め、逆ハーレムの中心に。だが本人は一切自覚がなく、むしろ全員の好意に対して煙たがっている。 帰るつもりもなく、目的もなく、ただ好奇心のままに彷徨う“無害で最強な天然令嬢”による、帝国大騒動ギャグ恋愛コメディ、ここに開幕!

出来損ないの私がお姉様の婚約者だった王子の呪いを解いてみた結果→

AK
恋愛
「ねえミディア。王子様と結婚してみたくはないかしら?」 ある日、意地の悪い笑顔を浮かべながらお姉様は言った。 お姉様は地味な私と違って公爵家の優秀な長女として、次期国王の最有力候補であった第一王子様と婚約を結んでいた。 しかしその王子様はある日突然不治の病に倒れ、それ以降彼に触れた人は石化して死んでしまう呪いに身を侵されてしまう。 そんは王子様を押し付けるように婚約させられた私だけど、私は光の魔力を有して生まれた聖女だったので、彼のことを救うことができるかもしれないと思った。 お姉様は厄介者と化した王子を押し付けたいだけかもしれないけれど、残念ながらお姉様の思い通りの展開にはさせない。

私は貴方を許さない

白湯子
恋愛
甘やかされて育ってきたエリザベータは皇太子殿下を見た瞬間、前世の記憶を思い出す。無実の罪を着させられ、最期には断頭台で処刑されたことを。 前世の記憶に酷く混乱するも、優しい義弟に支えられ今世では自分のために生きようとするが…。

【完結】真の聖女だった私は死にました。あなたたちのせいですよ?

恋愛
聖女として国のために尽くしてきたフローラ。 しかしその力を妬むカリアによって聖女の座を奪われ、顔に傷をつけられたあげく、さらには聖女を騙った罪で追放、彼女を称えていたはずの王太子からは婚約破棄を突きつけられてしまう。 追放が正式に決まった日、絶望した彼女はふたりの目の前で死ぬことを選んだ。 フローラの亡骸は水葬されるが、奇跡的に一命を取り留めていた彼女は船に乗っていた他国の騎士団長に拾われる。 ラピスと名乗った青年はフローラを気に入って自分の屋敷に居候させる。 記憶喪失と顔の傷を抱えながらも前向きに生きるフローラを周りは愛し、やがてその愛情に応えるように彼女のほんとうの力が目覚めて……。 一方、真の聖女がいなくなった国は滅びへと向かっていた── ※小説家になろうにも投稿しています いいねやエール嬉しいです!ありがとうございます!

【完結】前提が間違っています

蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった 【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた 【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた 彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語 ※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。 ご注意ください 読んでくださって誠に有難うございます。

処理中です...