婚約破棄されたけど気にしないで推しへの愛に生きます!

まゆら

文字の大きさ
37 / 45

推しがお見舞いにやって来ました!

しおりを挟む
その後…

フローラは本気で体調が悪くなったようで高熱を出し仕事を休んでいたのだが…

ジョナスは毎日お見舞いに行くと言ってシュリから止められていた。

「ローラン様に黙ってお見舞いに行ったら魔法省も王宮も破壊されます…殿下…諦めて下さい!」

シュリから何度も止められていたジョナスだが、ローランがどうしても外せない用事で隣国へ出張したと聞いて、即座にメディクス家への訪問を決めた。

自分の研究室に泊まりっきりのフローラ父にお見舞いに行く事を告げたので…大丈夫だよね?

当主からオッケーもらいましたから?とウキウキしながらフローラが好みそうなスイーツと可愛らしい花束を持ってメディクス家を突撃訪問するのだった。

「フローラ様!大変です!ジョナス殿下がお見舞いに来るようです!今すぐお着替えを!」

まだ体調が優れず眠っていたフローラは侍女のマイラに起こされて、ぼんやりしたままアフタヌーンドレスに着替えさせられ、薄化粧を施され…

いつもは結い上げている髪はサイドだけふんわり巻いて下ろされて…大人っぽく仕上がっている。

「マイラ…有難う!何か綺麗に見えるよ!」

「何をおっしゃいますか!フローラ様はいつも綺麗なお嬢様ですよ?」

ジョナス殿下が来る前に何とか支度を整えたフローラは緊張していた。

「ジョナス殿下がお着きになりました!」

ジョルジュの声に慌てて、もう一度鏡を見て最終確認をするフローラである。

「心配しなくても素晴らしい仕上がりですよ?」と告げるマイラに微笑んで、ジョナスを迎えるべく自室を出るフローラ。

既に客間のソファに座りリラックスしているジョナス殿下と目が合った途端に緊張が走る…

「やぁ!フローラもう大丈夫なのかい?君が倒れたと聞いて心配していたんだよ?

もしかして…わたしとの婚約話が嫌で倒れたのかな?」

「殿下…わざわざお見舞いに来られるなんて…有難うございます。あの…婚約のお話は本気ですか?どうして殿下が私と婚約しようと思われたのですか?」

フローラは、気になっていた事を聞いてみた。

「フローラ…君のそのハッキリしているところいいね。

私は君が大切なんだよ。妹みたいに思っているつもりだったのだが…魔法省に勤める男達が婚約者がいなくなったなら君に婚約を申し込みたいと言っているのを聞いたら君を誰にも渡したくないと思ったのだよ」

「殿下…」

「私のところにお嫁に来てくれないかな?フローラ…嫌かな?」

「殿下…あの…私は以前から殿下の事は憧れの方として大好きなのですが…恋愛の対象として見た事がなくて…」

オロオロして涙ぐみながらも必死に自分に気持ちを伝えてくるフローラを見ていられなくなり抱きしめてしまうジョナス…

「フローラ…君の気持ちはわかったよ。私も自分の気持ちに気づいたばかりだからね。私を嫌いでないなら少しずつでよいから私を男として意識して欲しい」

腕の中に閉じ込められながら耳元で推しに囁かれるとか…

今すぐ召されます…

神様…助けて下さい…

フローラは召されそうになりながらも何とか耐えた!

耐えていたのだが…

ジョナスがフローラの額に優しくキスを落としたので…

耐えきれずに失神してしまう事に…

その後…

ジョナスはマイラから、お小言をもらった。

お嬢様は病み上がりですので、そろそろお引き取り頂いても宜しいでしょうか?と言われた後に…

お嬢様は恋愛初心者ですのでお手柔らかにお願い致しますね?

行き過ぎた行為は例え王族の方であっても許しませんから?不敬罪と言われても…許しませんから…と可愛らしい顔でにこやかに告げるマイラにジョナスは肝を冷やしたらしい…

流石…メディクス家の侍女だな。

ローランよりも手強そうだ…

彼女を味方にしないとフローラ攻略は難しいのかもな…

そう思いながら失神したままのフローラをお姫様抱っこで自室のベッドに運んだ後、仕方なく王宮に帰ったジョナスであった。

フローラは未だ目覚めない。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

追放された私の代わりに入った女、三日で国を滅ぼしたらしいですよ?

タマ マコト
ファンタジー
王国直属の宮廷魔導師・セレス・アルトレイン。 白銀の髪に琥珀の瞳を持つ、稀代の天才。 しかし、その才能はあまりに“美しすぎた”。 王妃リディアの嫉妬。 王太子レオンの盲信。 そして、セレスを庇うはずだった上官の沈黙。 「あなたの魔法は冷たい。心がこもっていないわ」 そう言われ、セレスは**『無能』の烙印**を押され、王国から追放される。 彼女はただ一言だけ残した。 「――この国の炎は、三日で尽きるでしょう。」 誰もそれを脅しとは受け取らなかった。 だがそれは、彼女が未来を見通す“預言魔法”の言葉だったのだ。

国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします。

樋口紗夕
恋愛
公爵令嬢ヘレーネは王立魔法学園の卒業パーティーで第三王子ジークベルトから婚約破棄を宣言される。 ジークベルトの真実の愛の相手、男爵令嬢ルーシアへの嫌がらせが原因だ。 国外追放を言い渡したジークベルトに、ヘレーネは眉一つ動かさずに答えた。 「国外追放ですか? 承りました。では、すぐに国外にテレポートします」

タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。

渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。 しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。 「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」 ※※※ 虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。 ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

私はもう必要ないらしいので、国を護る秘術を解くことにした〜気づいた頃には、もう遅いですよ?〜

AK
ファンタジー
ランドロール公爵家は、数百年前に王国を大地震の脅威から護った『要の巫女』の子孫として王国に名を残している。 そして15歳になったリシア・ランドロールも一族の慣しに従って『要の巫女』の座を受け継ぐこととなる。 さらに王太子がリシアを婚約者に選んだことで二人は婚約を結ぶことが決定した。 しかし本物の巫女としての力を持っていたのは初代のみで、それ以降はただ形式上の祈りを捧げる名ばかりの巫女ばかりであった。 それ故に時代とともにランドロール公爵家を敬う者は減っていき、遂に王太子アストラはリシアとの婚約破棄を宣言すると共にランドロール家の爵位を剥奪する事を決定してしまう。 だが彼らは知らなかった。リシアこそが初代『要の巫女』の生まれ変わりであり、これから王国で発生する大地震を予兆し鎮めていたと言う事実を。 そして「もう私は必要ないんですよね?」と、そっと術を解き、リシアは国を後にする決意をするのだった。 ※小説家になろう・カクヨムにも同タイトルで投稿しています。

冷遇王妃はときめかない

あんど もあ
ファンタジー
幼いころから婚約していた彼と結婚して王妃になった私。 だが、陛下は側妃だけを溺愛し、私は白い結婚のまま離宮へ追いやられる…って何てラッキー! 国の事は陛下と側妃様に任せて、私はこのまま離宮で何の責任も無い楽な生活を!…と思っていたのに…。

一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました

しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、 「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。 ――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。 試験会場を間違え、隣の建物で行われていた 特級厨師試験に合格してしまったのだ。 気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの “超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。 一方、学院首席で一級魔法使いとなった ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに―― 「なんで料理で一番になってるのよ!?  あの女、魔法より料理の方が強くない!?」 すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、 天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。 そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、 少しずつ距離を縮めていく。 魔法で国を守る最強魔術師。 料理で国を救う特級厨師。 ――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、 ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。 すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚! 笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

処理中です...