【完結】サヨナラの向こう側にあるもの

偽りの愛でいいから

最初はほんの暇潰しだった

出逢いは偶然のふりをした必然で

巻き込まれたのは可哀想な君

お互い誰かに囚われた心を隠すように

叶わない想いを忘れる為に

偽りの愛を

その場しのぎの甘言を囁いて

愛し愛されるふりをしていたはずなのに

嘘で固めていた心は君の温かさに触れて

いつのまにか解きほぐされていき

知らず知らず本当の君を求めるようになって

甘い束の間の戯れは苦く切ない逢瀬となり

それでも君とは離れたくないと

偽りの愛を囁くように装いながら

悲しい程に本音を呟く哀れな女に成り果てる

情に流されやすいと笑われても

愚かな女と云われても

君を愛していないから今だけは愛してると云わせてと本音混じりの偽りの愛を今日も君に捧ぐ