【完結】サヨナラの向こう側にあるもの

まゆら

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金木犀に酔う

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窓を開けると風が金木犀の香りを運んできた  
 
知らない間に秋が来ていたみたいだ

会う度にケンカばかり繰り返すあなたとの関係に疲れて

心を閉ざしているうちに季節は巡っていたのだ

甘くて優しい金木犀の香りが好きと云った私に苦笑いしながら

この匂い 甘ったるくて吐き気がするから苦手だよと云ったあなた

この人とは合わないって 

その時に感じていたはずなのに

どうして付き合ってしまったんだろう

今更 後悔しても遅いけど

何か違うと思った自分の感覚は当たっていたなぁと思いながら

部屋に流れこんでくる金木犀の香りを胸いっぱいに吸い込んだ

あぁ いい香り

秋って感じよね

独り言だから

誰も言葉を返してはくれないけれど

否定される事もないのだ

次は感覚が合う人を探そう

言葉を交わすたびに違和感を感じる人とは

一緒にいない方がお互いに幸せだから

誰が悪いわけじゃない

ただ合わないというだけ

無理に一緒にいる必要なんてないんだ

心はいつだって自由なんだから
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