【完結】サヨナラの向こう側にあるもの

僕に足りなかったモノ

「先輩ってアホですよね…

せっかく年下っいう特典があるんだからフルに使わないと…」


「何だよ、かなた…

秘策があるなら、勿体ぶらずに教えろよな」


「そうだなぁ…

ここのジャンボパフェおごってくれたら教えてもいいですよ？」


僕にウインクしながら、店員にジャンボパフェを注文するあざと可愛い後輩かなたは年上キラーで有名な男だ。


こいつ本当に男なのか？って時々疑問に思う程に可愛らしい外見なんだが…


中身は取り扱い注意の狂犬野郎だったはず。


それが…


ターゲットの女性の前では、相手の好みを瞬時に見分けて色んな男を演じ分けるらしい。


その特技を活かしてレンタル彼氏のバイトであら稼ぎしてるって聞いている。


かなたをしばらく観察して思ったんだが、僕に足りないのってあざとさと決断力？


行動力なのかもなぁ


優しさと思われがちな優柔不断さが女性にスルーされる原因なのかも


かなたはフワフワした風だけど、決断力あるし…


俺様ワンコなんだよなぁ…


生クリームを頬につけたまま、ニコッと笑うかなたを眺めながら僕は勉強になりますと心の中で頭を下げた。