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第2章 南郡平定戦
閑話2 尾田張人(エイン帝国???)
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正直、何もかもがめんどくさかった。
元の世界で死んで、なんかよく分かんねーうちにこんな世界に放り出されて。殺すか殺されるかの瀬戸際に追い詰められたことも数度ではない。
そんな中を才能とスキルで生き残った。
今や大陸の3分の1以上を支配する大帝国の将軍になれたのは、俺が天才だからに決まってた。
それにケチがついた。
オムカ王国独立戦争と今では言われるあの攻城戦で、圧倒的多数を投入しながら負けたのだ。10万いた軍勢が半分に減ったのだから大敗北だ。相手はその半分もいなかったのに。
結果、帝都に戻ることも許されず、オムカ王国の北にある居留地で謹慎の憂き目にあった。
あることないこと言い募って何とか罪を逃れようと思ったが駄目だった。
相手を意のままに操るスキル『天士無双』も相手が聞く耳もたなきゃ意味がない。それを悟った瞬間でもあった。
だからどうにでもなれと、自宅に引きこもって何をするわけでもなくただただ過ぎ行く日々を見守るだけだった。
元の世界に帰ることはもともとどうでもいい。
ただ戦争がしたかった。
戦争が好きだった。
戦争を欲していた。
それももうどうでもいい。
俺の思うように軍を動かせないなら、そんな国、滅んでしまえ。
自暴自棄にも似た心境で世界を眺めていた。
そんな時だ。
「生きてる?」
玄関のドアが開いてその一声が飛び込んできたのは。
「やぁ、リーナちゃん。元気?」
「あんたは元気には全然見えないけどね。……くさ」
ドアを閉めたリーナちゃんが顔をしかめる。まぁ仕方ない。ここ数週間のゴミが散乱し、酒の瓶も転がっている。
俺自身は慣れたから気にしないけど、外部の人間からしたらそうなのだろう。
「で、何しに来たの? もしかして俺を可哀そうって思って慰めに来てくれた?」
「誰があんたなんかを」
「だよねー。俺、そんなリーナちゃんの塩対応好きだよ」
「私は嫌いだけど」
「はっは、辛辣ー」
こんなやり取りもいつぶりだろう。
失墜した俺に取り入る人間は誰もいなかった。元部下も俺の何が気にくわなかったのか、誰もが嘲笑し見捨てた。
リーナちゃんも最初は来ていたが、しばらく音信がなくなってからのこれだ。
舐めてるの? って思う。
一度は見捨てたくせに、って思う。
「敵が来るわ」
急にリーナちゃんが切り出した。
敵? 敵って誰だ?
俺の敵は帝都でのさばってる馬鹿どもだ。あとオムカのジャンヌちゃん。あれは殺す。いや、殺さずに殺す。
「ビンゴ王国よ。オムカと戦って傷ついたところを漁夫の利を狙って来たみたい」
「ならあいつに行かせればいいじゃん。あのなんだっけ。俺の代わりに将軍になった奴」
思えば俺がこうしてまだ生きてられるのはあいつのおかげだ。名前忘れたけど。
あいつが俺をここに置いてくれと帝都に頼んだから処刑されないだけ。だからあいつは俺の命の恩人。名前知らないけど。
慈悲?
とんでもない。
あいつは俺をあざ笑うために手元に置いているんだ。挫折した俺を飼い殺すことで、自分のちっぽけなエゴを満たす器の小さい男なのだ。いつか殺す。いや、だから俺は人殺しは嫌いなんだって。いつか死んでいただこう。
「シェラード将軍は戦死したわ」
おいおい、死んだのかよ。
俺のこのもやもやのはけ口はどこに行った。ふざけんな。勝手に死ぬんじゃないよ。まったく。
「敵は3万。ほぼ無傷でこっちに来るわ」
「はっ、ここにいたのは5万だろ。それがほぼ無傷? どんだけ無能だよ、そのシェ……シェなんとかっての」
「報告では一撃で壊滅させられたらしいわ。迎撃に出たシェラード将軍を3方向からの奇襲で一撃。それでおしまい」
「じゃあ逃げろ逃げろ。もう勝ち目ないじゃん。てかシェなんとかも無能だけど、相手は相当有能だね。いくらなんでもそんな奇襲、成功するわけない。それをやってのけたんだから、何かやったのかな。スキルとか使った?」
「知らない。けどまだ兵はいる。傷病兵と戻って来た敗残兵を集めれば1万はいる」
「じゃあ頑張れば? 玉砕とかってのも俺嫌いじゃないし? ま、ここに玉砕してまで守る価値なんかねーけど」
「指揮をとりなさい」
え、今リーナちゃん何を言った?
なんか超絶抱腹絶倒なこと言わなかった?
「指揮をとる? 俺が? 誰の?」
「ここの残った兵を。そしてビンゴを追い払って」
「はっ、冗談キツイよ。俺に敗戦処理しろっての?」
「元はあんたのツケでしょ。それに、それを望む声もある」
リーナちゃんが再び玄関を開ける。すると声が聞こえてきた。
どうやら外から聞こえてくる声らしい。意識しなければ騒音にしか聞こえなかったから、少し耳を傾けてみれば、
「ハルト将軍!」「どうか我々をお救いください!」「ハルト軍はやはりハルト将軍に率いてもらわなければ!」
はっ……まったく。傑作だぜ。
昨日までは俺を蛇蝎のごとく見下して唾を吐いてたやつらがこれだ。恥も外聞も投げ捨てた圧倒的な手のひらクルーズ。これだからこそ、人間は度し難い。
うざってぇ。皆殺しにしてやろうか。
…………でも。
「ったく、どいつもこいつもうるせぇし」
立ち上がる。それもいつ以来か。
震える足を腕で押さえる。別に剣を取って戦うわけじゃない。でも人前に出るのだ。こんな情けない姿は見せたくない。
「しょうがねぇなぁー」
呟く。
リーナちゃんが少し笑った気がした。
「私も剣を取るわ」
「あれ? 人殺しは嫌いじゃなかったの?」
「嫌いよ。でも殺されるのはもっと嫌いなの」
「自分が死にたくないからあなたが死んで、か。最高だね、リーナちゃんは」
「別にあんたに気に入られるためにやってるわけじゃない。自分のためよ」
はっ、自分のため、か。
リーナちゃんも自分のため、外の奴らも自分のため。
なら俺は?
俺だけ誰かのために戦う? よせって、キャラじゃねぇっての。
なら俺も、もう一度自分のために戦ってみようか。
元の世界で死んで、なんかよく分かんねーうちにこんな世界に放り出されて。殺すか殺されるかの瀬戸際に追い詰められたことも数度ではない。
そんな中を才能とスキルで生き残った。
今や大陸の3分の1以上を支配する大帝国の将軍になれたのは、俺が天才だからに決まってた。
それにケチがついた。
オムカ王国独立戦争と今では言われるあの攻城戦で、圧倒的多数を投入しながら負けたのだ。10万いた軍勢が半分に減ったのだから大敗北だ。相手はその半分もいなかったのに。
結果、帝都に戻ることも許されず、オムカ王国の北にある居留地で謹慎の憂き目にあった。
あることないこと言い募って何とか罪を逃れようと思ったが駄目だった。
相手を意のままに操るスキル『天士無双』も相手が聞く耳もたなきゃ意味がない。それを悟った瞬間でもあった。
だからどうにでもなれと、自宅に引きこもって何をするわけでもなくただただ過ぎ行く日々を見守るだけだった。
元の世界に帰ることはもともとどうでもいい。
ただ戦争がしたかった。
戦争が好きだった。
戦争を欲していた。
それももうどうでもいい。
俺の思うように軍を動かせないなら、そんな国、滅んでしまえ。
自暴自棄にも似た心境で世界を眺めていた。
そんな時だ。
「生きてる?」
玄関のドアが開いてその一声が飛び込んできたのは。
「やぁ、リーナちゃん。元気?」
「あんたは元気には全然見えないけどね。……くさ」
ドアを閉めたリーナちゃんが顔をしかめる。まぁ仕方ない。ここ数週間のゴミが散乱し、酒の瓶も転がっている。
俺自身は慣れたから気にしないけど、外部の人間からしたらそうなのだろう。
「で、何しに来たの? もしかして俺を可哀そうって思って慰めに来てくれた?」
「誰があんたなんかを」
「だよねー。俺、そんなリーナちゃんの塩対応好きだよ」
「私は嫌いだけど」
「はっは、辛辣ー」
こんなやり取りもいつぶりだろう。
失墜した俺に取り入る人間は誰もいなかった。元部下も俺の何が気にくわなかったのか、誰もが嘲笑し見捨てた。
リーナちゃんも最初は来ていたが、しばらく音信がなくなってからのこれだ。
舐めてるの? って思う。
一度は見捨てたくせに、って思う。
「敵が来るわ」
急にリーナちゃんが切り出した。
敵? 敵って誰だ?
俺の敵は帝都でのさばってる馬鹿どもだ。あとオムカのジャンヌちゃん。あれは殺す。いや、殺さずに殺す。
「ビンゴ王国よ。オムカと戦って傷ついたところを漁夫の利を狙って来たみたい」
「ならあいつに行かせればいいじゃん。あのなんだっけ。俺の代わりに将軍になった奴」
思えば俺がこうしてまだ生きてられるのはあいつのおかげだ。名前忘れたけど。
あいつが俺をここに置いてくれと帝都に頼んだから処刑されないだけ。だからあいつは俺の命の恩人。名前知らないけど。
慈悲?
とんでもない。
あいつは俺をあざ笑うために手元に置いているんだ。挫折した俺を飼い殺すことで、自分のちっぽけなエゴを満たす器の小さい男なのだ。いつか殺す。いや、だから俺は人殺しは嫌いなんだって。いつか死んでいただこう。
「シェラード将軍は戦死したわ」
おいおい、死んだのかよ。
俺のこのもやもやのはけ口はどこに行った。ふざけんな。勝手に死ぬんじゃないよ。まったく。
「敵は3万。ほぼ無傷でこっちに来るわ」
「はっ、ここにいたのは5万だろ。それがほぼ無傷? どんだけ無能だよ、そのシェ……シェなんとかっての」
「報告では一撃で壊滅させられたらしいわ。迎撃に出たシェラード将軍を3方向からの奇襲で一撃。それでおしまい」
「じゃあ逃げろ逃げろ。もう勝ち目ないじゃん。てかシェなんとかも無能だけど、相手は相当有能だね。いくらなんでもそんな奇襲、成功するわけない。それをやってのけたんだから、何かやったのかな。スキルとか使った?」
「知らない。けどまだ兵はいる。傷病兵と戻って来た敗残兵を集めれば1万はいる」
「じゃあ頑張れば? 玉砕とかってのも俺嫌いじゃないし? ま、ここに玉砕してまで守る価値なんかねーけど」
「指揮をとりなさい」
え、今リーナちゃん何を言った?
なんか超絶抱腹絶倒なこと言わなかった?
「指揮をとる? 俺が? 誰の?」
「ここの残った兵を。そしてビンゴを追い払って」
「はっ、冗談キツイよ。俺に敗戦処理しろっての?」
「元はあんたのツケでしょ。それに、それを望む声もある」
リーナちゃんが再び玄関を開ける。すると声が聞こえてきた。
どうやら外から聞こえてくる声らしい。意識しなければ騒音にしか聞こえなかったから、少し耳を傾けてみれば、
「ハルト将軍!」「どうか我々をお救いください!」「ハルト軍はやはりハルト将軍に率いてもらわなければ!」
はっ……まったく。傑作だぜ。
昨日までは俺を蛇蝎のごとく見下して唾を吐いてたやつらがこれだ。恥も外聞も投げ捨てた圧倒的な手のひらクルーズ。これだからこそ、人間は度し難い。
うざってぇ。皆殺しにしてやろうか。
…………でも。
「ったく、どいつもこいつもうるせぇし」
立ち上がる。それもいつ以来か。
震える足を腕で押さえる。別に剣を取って戦うわけじゃない。でも人前に出るのだ。こんな情けない姿は見せたくない。
「しょうがねぇなぁー」
呟く。
リーナちゃんが少し笑った気がした。
「私も剣を取るわ」
「あれ? 人殺しは嫌いじゃなかったの?」
「嫌いよ。でも殺されるのはもっと嫌いなの」
「自分が死にたくないからあなたが死んで、か。最高だね、リーナちゃんは」
「別にあんたに気に入られるためにやってるわけじゃない。自分のためよ」
はっ、自分のため、か。
リーナちゃんも自分のため、外の奴らも自分のため。
なら俺は?
俺だけ誰かのために戦う? よせって、キャラじゃねぇっての。
なら俺も、もう一度自分のために戦ってみようか。
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