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第2章 南郡平定戦
第37話 南郡救援11日目・南郡視察(後)
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城門から中に入る。
そこは悲鳴が木霊する地獄だった。
倒れるのは都の人々か。
それに暴行を振るう兵の一団が見えた。
兵だ。
野盗じゃない。
きちんとした身なりで、鎧を着こんでいる正規兵だ。
正規兵が略奪をする。
どこの軍だ? いやあの旗……まさかドスガ王国の?
兵が自国の民に乱暴を働く?
理解が追い付かない。
だがそれより先に叫んでいた。
「クロエ、ウィット、民を助けろ! けど殺すな!」
「はい!」「はっ!」
2人が速度を上げ、そのまま兵の一団に突っ込んだ。
虚を突かれた形の兵たちは、クロエの双鞭とウィットの鞘で殴られて倒れた。
殺すな、という命令が敵に向けてだというのが良く理解してくれたことにホッとする。
「ザイン、リュース、マール、ヨハン、グライス、ルック、ロウ! 2人が道を開く、俺を守りながら2人が討ち漏らした敵を排除!」
「はっ!」
7人が一斉に声をあげる。
さらに敵の一団を見つけ、粉砕した。
そこへ別の敵が騒ぎを聞きつけやって来た。
その敵の親玉らしき人物が見えた。立派な鎧。名のある立場の者だろう。
「てめぇら、何者だ!」
「オムカの者だ!」
答え、走る。
相手が驚愕に包まれる間に、クロエとウィットが迫る。
「ちっ! 防げ!」
男が部下を叱咤し、こちらに向けてきた。
「他所もんがこんなところで邪魔してんじゃねぇ!」
「こんなの見過ごせるか! 自分の国の民を虐げ、何のつもりだ!」
男の叫びに叫び返す。
不条理だ。不合理すぎる。
理由が知りたかった。なぜこんな非道を成すのか。
「うるせぇ、知るか! 負けちまったら、終わりだろうがよぉ! だから奪えるもん奪って逃げるんだろうが!」
「……外道が!」
「ならてめぇが来いよ! 俺はドスガ王国四天王、アンツリー様だ!」
四天王?
こいつが?
こんな下種が?
頭が真っ白になった。
怒りだ。
守るべき兵が、守られるべき対象をいいようにもてあそぶ。
そんなことが起きてはいけない。
それを起こす奴に、生きてる価値なんざ――
「隊長殿!」「隊長!」
クロエとウィットが同時に叫ぶ。
彼らが何を求めているのか分かった。
だから答える。
「討て! オムカ王国軍師ジャンヌ・ダルクの名のもとに、その下種を討ち果たせ!」
「「御意!」」
クロエとウィットが勇躍する。
「な……に?」
逆に敵の勢いに陰りがさした。
それが俺の名乗りの効果というのなら、俺の名前もまだまだ捨てたものじゃないということか。
「ちいっ!」
クロエとウィット。左右から狙われたアンツリーは、形勢不利と見て逃げ出そうとする。
だが周囲の部下が邪魔ですぐに逃げられない。
だからアンツリーは、味方を蹄にかけながらも無理やり逃げようとした。
そこを鬼神のごとき勢いでクロエとウィットが追う。
ようやく逃げられないと悟ったアンツリーは舌打ちをして剣を抜くが遅い。
「てめぇら、何様だ!」
「「ジャンヌ様だ!」」
恥ずかしい叫びと共に、クロエの鞭がアンツリーの頭を潰し、ウィットの剣が胴体を切り裂いた。
主将を討たれた敵は、蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていく。
「隊長……ご無事で?」
ウィットが近づいてきて言った。
相変わらず冷静な顔には、敵を殺したことに何ら痛痒を感じていないようだ。
逆に俺は動揺していた。
今、俺は怒りに任せて敵を殺した。
直接じゃないとはいえ、そう命令したのは俺だ。
そのことに愕然としていた。
確かにアンツリーのやっていたことに弁解の余地はない。
だが他国のことを、他国の者が裁く。それがどんな結果を引き起こすか、分からない俺じゃないのに。
感情のままに人を殺した。しかも自分の手ではなく、他人の手を使って。
それがなんともあさましく、卑劣な行為であるか。
そう考えてしまったのだ。
だが――
「あ、ありがとうございます……ジャンヌ、様」
1人の少女が近寄ってきてそう言ってくれた。
たった今、暴行を受けていたのか、頬が腫れ、口からは血が流れている。
目には涙をたたえながらも、心の底から嬉しそうにこちらを見る。
「た、助かりました……」「ありがとうございます、ありがとうございます」「あぁ、あの方が噂の……」「さすがオムカの人は違う……」
少女の声に連動したように、周囲で略奪を受けていた人たちが拝むように手を合わせて来る。
あぁ、俺は救えたのか。
俺のやり方はよくない。だけど、そうでもしなければこの少女は救えなかった。
罪はなくならないが、それでも俺は救われた思いだ。それがどれだけ偽善で感傷で独善だとしても。
だから若干のいたたまれなさを感じ、その場を立ち去ろうとした時だ。
「これは……なにが起きた!?」
声がした。
ふと見ればまた軍の格好をした集団が、整然とした様子で100メートルほど先にいる。
「円陣!」
クロエの号令に、部下たちが従う。俺を中心として、円になるように展開した。
相手が襲ってくる様子はないが、それでも油断できず、相手の出方を待つ。
やがて集団から1騎が前に出て大声をあげる。
立派な体躯に立派な黒ひげ。威風堂々たる姿の男だ。
「そこの者たち。これはどういうことか。私はドスガ王国四天王筆頭ジョーショーである。答えによっては貴様らを捕縛し、尋問にかける!」
「四天王……?」
しかも筆頭。
さっきの下種の親玉ということか。
「あの野郎……」
ウィットがキレ気味に前に出ようとする。
「いい、ウィット。俺が行く」
円陣から前に出て、ジョーショーと名乗った男に対する。
「私はオムカ王国軍師のジャンヌ・ダルクだ! ここに住む知人を訪ねたところ、賊が侵入し狼藉を働いていたので討ち果たした次第!」
「むっ……オムカの……」
さすがにその響きに怯んだようだ。
だが口撃の手を休めるつもりはない。
「そこに転がる者は不遜にも、貴国の勇将、四天王のアンツリー殿を名乗った不届き者! 貴国の威信を揺るがすほど下劣極まりない者ゆえ、即座に討ち果たした!」
「ぐっ、むぅ……」
ジョーショーの顔色が青くなる。
おそらくここに転がるのはアンツリー本人だろう。そしてこの略奪はジョーショーも知っていたか、あるいは黙認か命令までしていた可能性がある。
だが俺がこうしてその非を鳴らしたからには、それを認めるわけにはいかない。
相手が答えに窮する間、さらにこちらの正当性もでっちあげる。
「不幸にも我々は先日争うことになったが、もとよりオムカはドスガと争う気はない。故にドスガの民を守り、ドスガに仇為す賊を討伐した。これは貴国との友好の証である。存分に検分されたし!」
相手からすればどの口が言うか、と噴飯ものだろう。
だがやはり四天王が略奪を働いたという負い目がある以上、嘘だとは言えない。
「き、貴国の助勢に感謝する……」
ジョーショーは苦り切った顔で、形だけの礼をすると、
「この賊どもの死体を片付けよ! それから2班は民の救助! 3班は火事を食い止めろ! すぐやれ!」
指示のもと、ドスガの兵たちが動き出す。
ふと、視線に気づく。
ジョーショーが俺を食い殺さんばかりに睨みつけてきた。四天王筆頭といえば軍のトップ。先日の戦のことといい、今回のことといい、俺を殺したいほど憎んでいるだろう。
だがさすがにこの場では大義名分が薄い。だから唾を吐くとそのまま去っていった。
「さすが隊長殿ですね。あの顔、傑作です」
「ま、次会ったら俺が首を飛ばしてやりますよ」
クロエとウィットが威勢のいいことを言うのを、他の7人がはやし立てる。
こいつらは気楽でいいなぁ。
「あの、ジャンヌ様」
ふと、声に振り向くとそこには先ほどの少女が。
「あぁ、すまない。怖かっただろ、もう大丈夫だ」
安心させるように言った。
だが少女の顔は変わらない。
いや、変わった。
口が三日月のように曲がり、いびつな笑みを浮かべ、
「へぇ、わたしの声を忘れたさ?」
「…………その口調は!」
まさか!
そう思った瞬間に、少女は自分の右手で自分の顔を触る。
そしてそこには少女は消えていた。
いや、名も知らない少女が消え、名を知る少女が現れた。
もちろんそこに顔のあざも、血も、辛苦に満ちた表情もない。体格すらも大きくなって、服だけが変わらない。つやつやの肌に手を当てながら、彼女はにっこり笑う。
「ふふふ、迫真の演技だったさ。アカデミー賞ものさね」
「ミスト!」
「あっ、あなたはあのうさん臭い!」
クロエがミストに気づいて声をあげる。
同時に他の8人が戦闘態勢を取るが、それをミストは意に介した様子もなく、
「はい、貴女のミストさ。なんかいい感じに立ち回ってるみたいだったさ、ちょっと風評アゲに協力するさ」
「お前なぁ……」
俺がどういう思いでいたか知ってるのかよ。今のが全部こいつのお膳立てと考えると、なんか寂しい。というか悔しい。俺の感動を返せ。
「はい、というわけで風評アゲの代金しめて300万となります」
「金取るのかよ!」
「当り前さ。関西の商人なめたらいかんさ」
いや、関西は嘘だろ。
「ま、冗談さ。それより久しぶりに会ったわけさ。うちにでも寄って話でもするさ? ドスガでも英雄のジャンヌ・ダルク様?」
なんかこいつに乗せられた感はあるけど、いつまでもここにいられるわけではない。
だから渋々だが、ミストの提案を受け入れるしかなかった。
「あぁ、よろしく頼む」
「はいさいー、ジャンヌ・ダルク様ご一行ご案内さ」
そこは悲鳴が木霊する地獄だった。
倒れるのは都の人々か。
それに暴行を振るう兵の一団が見えた。
兵だ。
野盗じゃない。
きちんとした身なりで、鎧を着こんでいる正規兵だ。
正規兵が略奪をする。
どこの軍だ? いやあの旗……まさかドスガ王国の?
兵が自国の民に乱暴を働く?
理解が追い付かない。
だがそれより先に叫んでいた。
「クロエ、ウィット、民を助けろ! けど殺すな!」
「はい!」「はっ!」
2人が速度を上げ、そのまま兵の一団に突っ込んだ。
虚を突かれた形の兵たちは、クロエの双鞭とウィットの鞘で殴られて倒れた。
殺すな、という命令が敵に向けてだというのが良く理解してくれたことにホッとする。
「ザイン、リュース、マール、ヨハン、グライス、ルック、ロウ! 2人が道を開く、俺を守りながら2人が討ち漏らした敵を排除!」
「はっ!」
7人が一斉に声をあげる。
さらに敵の一団を見つけ、粉砕した。
そこへ別の敵が騒ぎを聞きつけやって来た。
その敵の親玉らしき人物が見えた。立派な鎧。名のある立場の者だろう。
「てめぇら、何者だ!」
「オムカの者だ!」
答え、走る。
相手が驚愕に包まれる間に、クロエとウィットが迫る。
「ちっ! 防げ!」
男が部下を叱咤し、こちらに向けてきた。
「他所もんがこんなところで邪魔してんじゃねぇ!」
「こんなの見過ごせるか! 自分の国の民を虐げ、何のつもりだ!」
男の叫びに叫び返す。
不条理だ。不合理すぎる。
理由が知りたかった。なぜこんな非道を成すのか。
「うるせぇ、知るか! 負けちまったら、終わりだろうがよぉ! だから奪えるもん奪って逃げるんだろうが!」
「……外道が!」
「ならてめぇが来いよ! 俺はドスガ王国四天王、アンツリー様だ!」
四天王?
こいつが?
こんな下種が?
頭が真っ白になった。
怒りだ。
守るべき兵が、守られるべき対象をいいようにもてあそぶ。
そんなことが起きてはいけない。
それを起こす奴に、生きてる価値なんざ――
「隊長殿!」「隊長!」
クロエとウィットが同時に叫ぶ。
彼らが何を求めているのか分かった。
だから答える。
「討て! オムカ王国軍師ジャンヌ・ダルクの名のもとに、その下種を討ち果たせ!」
「「御意!」」
クロエとウィットが勇躍する。
「な……に?」
逆に敵の勢いに陰りがさした。
それが俺の名乗りの効果というのなら、俺の名前もまだまだ捨てたものじゃないということか。
「ちいっ!」
クロエとウィット。左右から狙われたアンツリーは、形勢不利と見て逃げ出そうとする。
だが周囲の部下が邪魔ですぐに逃げられない。
だからアンツリーは、味方を蹄にかけながらも無理やり逃げようとした。
そこを鬼神のごとき勢いでクロエとウィットが追う。
ようやく逃げられないと悟ったアンツリーは舌打ちをして剣を抜くが遅い。
「てめぇら、何様だ!」
「「ジャンヌ様だ!」」
恥ずかしい叫びと共に、クロエの鞭がアンツリーの頭を潰し、ウィットの剣が胴体を切り裂いた。
主将を討たれた敵は、蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていく。
「隊長……ご無事で?」
ウィットが近づいてきて言った。
相変わらず冷静な顔には、敵を殺したことに何ら痛痒を感じていないようだ。
逆に俺は動揺していた。
今、俺は怒りに任せて敵を殺した。
直接じゃないとはいえ、そう命令したのは俺だ。
そのことに愕然としていた。
確かにアンツリーのやっていたことに弁解の余地はない。
だが他国のことを、他国の者が裁く。それがどんな結果を引き起こすか、分からない俺じゃないのに。
感情のままに人を殺した。しかも自分の手ではなく、他人の手を使って。
それがなんともあさましく、卑劣な行為であるか。
そう考えてしまったのだ。
だが――
「あ、ありがとうございます……ジャンヌ、様」
1人の少女が近寄ってきてそう言ってくれた。
たった今、暴行を受けていたのか、頬が腫れ、口からは血が流れている。
目には涙をたたえながらも、心の底から嬉しそうにこちらを見る。
「た、助かりました……」「ありがとうございます、ありがとうございます」「あぁ、あの方が噂の……」「さすがオムカの人は違う……」
少女の声に連動したように、周囲で略奪を受けていた人たちが拝むように手を合わせて来る。
あぁ、俺は救えたのか。
俺のやり方はよくない。だけど、そうでもしなければこの少女は救えなかった。
罪はなくならないが、それでも俺は救われた思いだ。それがどれだけ偽善で感傷で独善だとしても。
だから若干のいたたまれなさを感じ、その場を立ち去ろうとした時だ。
「これは……なにが起きた!?」
声がした。
ふと見ればまた軍の格好をした集団が、整然とした様子で100メートルほど先にいる。
「円陣!」
クロエの号令に、部下たちが従う。俺を中心として、円になるように展開した。
相手が襲ってくる様子はないが、それでも油断できず、相手の出方を待つ。
やがて集団から1騎が前に出て大声をあげる。
立派な体躯に立派な黒ひげ。威風堂々たる姿の男だ。
「そこの者たち。これはどういうことか。私はドスガ王国四天王筆頭ジョーショーである。答えによっては貴様らを捕縛し、尋問にかける!」
「四天王……?」
しかも筆頭。
さっきの下種の親玉ということか。
「あの野郎……」
ウィットがキレ気味に前に出ようとする。
「いい、ウィット。俺が行く」
円陣から前に出て、ジョーショーと名乗った男に対する。
「私はオムカ王国軍師のジャンヌ・ダルクだ! ここに住む知人を訪ねたところ、賊が侵入し狼藉を働いていたので討ち果たした次第!」
「むっ……オムカの……」
さすがにその響きに怯んだようだ。
だが口撃の手を休めるつもりはない。
「そこに転がる者は不遜にも、貴国の勇将、四天王のアンツリー殿を名乗った不届き者! 貴国の威信を揺るがすほど下劣極まりない者ゆえ、即座に討ち果たした!」
「ぐっ、むぅ……」
ジョーショーの顔色が青くなる。
おそらくここに転がるのはアンツリー本人だろう。そしてこの略奪はジョーショーも知っていたか、あるいは黙認か命令までしていた可能性がある。
だが俺がこうしてその非を鳴らしたからには、それを認めるわけにはいかない。
相手が答えに窮する間、さらにこちらの正当性もでっちあげる。
「不幸にも我々は先日争うことになったが、もとよりオムカはドスガと争う気はない。故にドスガの民を守り、ドスガに仇為す賊を討伐した。これは貴国との友好の証である。存分に検分されたし!」
相手からすればどの口が言うか、と噴飯ものだろう。
だがやはり四天王が略奪を働いたという負い目がある以上、嘘だとは言えない。
「き、貴国の助勢に感謝する……」
ジョーショーは苦り切った顔で、形だけの礼をすると、
「この賊どもの死体を片付けよ! それから2班は民の救助! 3班は火事を食い止めろ! すぐやれ!」
指示のもと、ドスガの兵たちが動き出す。
ふと、視線に気づく。
ジョーショーが俺を食い殺さんばかりに睨みつけてきた。四天王筆頭といえば軍のトップ。先日の戦のことといい、今回のことといい、俺を殺したいほど憎んでいるだろう。
だがさすがにこの場では大義名分が薄い。だから唾を吐くとそのまま去っていった。
「さすが隊長殿ですね。あの顔、傑作です」
「ま、次会ったら俺が首を飛ばしてやりますよ」
クロエとウィットが威勢のいいことを言うのを、他の7人がはやし立てる。
こいつらは気楽でいいなぁ。
「あの、ジャンヌ様」
ふと、声に振り向くとそこには先ほどの少女が。
「あぁ、すまない。怖かっただろ、もう大丈夫だ」
安心させるように言った。
だが少女の顔は変わらない。
いや、変わった。
口が三日月のように曲がり、いびつな笑みを浮かべ、
「へぇ、わたしの声を忘れたさ?」
「…………その口調は!」
まさか!
そう思った瞬間に、少女は自分の右手で自分の顔を触る。
そしてそこには少女は消えていた。
いや、名も知らない少女が消え、名を知る少女が現れた。
もちろんそこに顔のあざも、血も、辛苦に満ちた表情もない。体格すらも大きくなって、服だけが変わらない。つやつやの肌に手を当てながら、彼女はにっこり笑う。
「ふふふ、迫真の演技だったさ。アカデミー賞ものさね」
「ミスト!」
「あっ、あなたはあのうさん臭い!」
クロエがミストに気づいて声をあげる。
同時に他の8人が戦闘態勢を取るが、それをミストは意に介した様子もなく、
「はい、貴女のミストさ。なんかいい感じに立ち回ってるみたいだったさ、ちょっと風評アゲに協力するさ」
「お前なぁ……」
俺がどういう思いでいたか知ってるのかよ。今のが全部こいつのお膳立てと考えると、なんか寂しい。というか悔しい。俺の感動を返せ。
「はい、というわけで風評アゲの代金しめて300万となります」
「金取るのかよ!」
「当り前さ。関西の商人なめたらいかんさ」
いや、関西は嘘だろ。
「ま、冗談さ。それより久しぶりに会ったわけさ。うちにでも寄って話でもするさ? ドスガでも英雄のジャンヌ・ダルク様?」
なんかこいつに乗せられた感はあるけど、いつまでもここにいられるわけではない。
だから渋々だが、ミストの提案を受け入れるしかなかった。
「あぁ、よろしく頼む」
「はいさいー、ジャンヌ・ダルク様ご一行ご案内さ」
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