知力99の美少女に転生したので、孔明しながらジャンヌ・ダルクをしてみた

巫叶月良成

文字の大きさ
315 / 627
第4章 ジャンヌの西進

第28話 オムカ軍出陣

しおりを挟む
 翌日の昼前。
 俺たちは西の砦を後にした。

 昨日は遅くまで軍議をしていたから、正直この時間でも眠い。

 でもここを出ればもう敵地だ。
 補給も簡単にできないし、敵中で孤立する可能性を大いに秘めている。
 だからこそ緊張感をもって、慎重に慎重を期して進まなければならない。

 陣立てはこうだ。
 まず先頭が俺の隊200。
 道案内のセンドと、俺の『古の魔導書エンシェントマジックブック』で地形を見ながら進むためそうなった。

 逆に殿軍でんぐんはサカキの隊の歩兵200。
 退路を断たれたら敵中で孤立して袋叩きに遭うため、後ろにサカキがいるのは安心だ。
 というか先頭に置いておくと、どこまでも敵を追いかけて突っ込んでいく未来が見えて不安だったのもある。

 そしてその間に挟まれるようにしているのが、虎の子のクルレーン率いる鉄砲隊100。
 ここに置いたのは奇襲に対し一番狙われづらいところであることと、前と後ろ、どちらにでも対応できるようにしているためだ。

 合計500の戦力で、10万近くいると言われているビンゴ戦線の帝国軍と戦うのだから勝機の沙汰とは思えない。
 さらに輸送部隊も連れていない、つまり食料も武器も野営の道具も手持ち以外は何も持たない状態だから、息継ぎなしで大海を渡ろうとしているのと同じようなものだ。

 一言で言えば無謀。
 控えめに言って狂人の発想。
 宝くじを1枚買って一等を狙うようなもの。
 だが、やり遂げなければならない。

 騎馬は俺と斥候用に10頭ばかりいるだけで他は全部歩兵だ。
 森や山が多い地形では騎馬隊は動かしづらい。というより無力化されるに違いない。だから機動力のいる斥候と、体力なしのヘタレ軍師以外の馬は全部置いていったのだ。

 とにかく前方に斥候を伸ばしながらも、速度はそれなりを保ちながら進軍する。
 一応、砦の西門から出たので、原野を一気に突っ切って、最前線となる帝国の砦に向かったと見られているだろう。

 だがそれは偽装だ。
 今日の夕方に野営の準備をした後、夜陰に紛れて一気に北上。北にある森林地帯の手前を西に折れて、そこで一時休憩。その翌朝、相手に発見される前に目指すべき砦に一気に強襲をかけるというものだ。

 だから今のところは特に姿を隠すまでもなく、悠々と進んでいるわけだが。

「ねぇ明彦くん」

 その最中。
 俺の馬の横を歩く里奈が話しかけてきた。

 俺は馬を降りて里奈の横を歩く。
 少しくらいなら俺の体力でも持つだろう。

「今はジャンヌだって言っただろ」

「ぶー、それくらいいいじゃん」

 頬を膨らませて抗議する里奈。
 ちょっと可愛いかった。

 なお護衛についてだが、俺の左斜め前をサールが、右斜め後ろをフレールがいて警護してくれている。
 おそらく里奈との会話は聞こえないだろう。

 ちなみに昨日はあれから彼らの元を訪れたが、

『この汚名は必ず返上します』

 とだけ言われてあとは影のように俺の警護に戻った。
 フレールいわく、好きにさせてください、ということだったので好きにさせることにした。

 閑話休題。

 さて、今は里奈。
 可愛いから許してあげたいと思わないでもないが、駄目なものは駄目。そうでもしないと、マリアとニーアに詰問された時のように、余計な騒動を引き起こす。

「分かったよ。じゃあジャンヌ……おぉ、なんかこの呼び方もいいかも。本当のジャンヌ・ダルクみたい!」

「いいから。で、なんだよ」

「あー、えっとね……」

 急に歯切れが悪くなる里奈。
 それでもようやく覚悟を決めたのか、こう言ってきた。

「私も戦っていいの?」

「それは――」

 一瞬言葉に詰まって考える。
 いや、それは何度も考えた話題。
 そして答えの決まっている話題。

「駄目だ」

「そう……」

「里奈の戦い方を見れば、いつかの敵だと結びつける奴はきっといる。この部隊にも因縁のある連中は少なからずいるからな。それに、里奈が別に危険を侵さなくても、この軍はそうそう負けないさ」

「そう……そうだね」

 その時の里奈は、ホッとしたような、哀しそうな、複雑な表情をしていた。
 だから俺は次のカードを切ることにした。

「なにより、里奈に危険なことはしないでほしい」

「…………」

 あれ?
 本当は「ありがとう、優しいんだね」的な回答を期待していたんだけど、なんで黙るんだよ。

「里奈?」

「あ、うん。ごめんね。ありがとう。そう思ってくれるのは嬉しい。けど……」

「けど、なんだよ」

「…………」

 黙り込んでしまった里奈。
 その沈黙が、どこか不吉な予感を助長させる。

「はっきり言ってくれ。今は誰も聞いてない。それに……俺とお前の仲だろ」

 俺と里奈の仲。
 それって何? って聞かれるとすごい困る。
 けどこうでもしないと里奈は話してくれない。そんな気がした。

「うん……」

 ようやく意を決したのか、里奈が口を開いた。

「この世界に来て気づいたの。私には何もないんだなって。煌夜さんみたいな人を惹き付ける才能もなく、堂島さんみたいな人を率いる才能もなく、諸人さんみたいな人を仲介するような才能もなく、明彦くんみたいな人を導く才能もない」

「そんなの……俺にそんな才能はないよ」

「うぅん。明彦くんにはそういう才能があるんだよ。じゃなきゃ、こんなことはできない。こんな人たちに信頼されることもない。けど……私には何もなかった」

「そんなことないだろ。里奈には里奈の良いところがある。何より俺が知ってる。里奈はこんな俺にも話しかけてくれたし、優しいし、面白そうに笑うし、一緒にいると楽になるし。そんなところが……俺は……」

 好き、という言葉が言えない。
 くそっ、つくづくヘタレだな、俺は!

「うん……ありがとう。でもね、私も私自身で1個だけ、たった1個だけ人に自慢できる…………そんなものがあったの」

 それが何か。突っ込んで聞くことがなんとなくはばかられた。
 だから里奈の言葉を待った。

「それはね、人殺しの才能。私は人を殺すのが得意だったの。人を殺すと、嬉しくなってすぐにまた次の人を同じようにしたくなる。いけないことだって分かってるのに、それが楽しくて楽しくて……。戦いの後にそれをどれだけ悔やんでも、心のどこかでは次の戦いを望んだの」

 俺から視線を外し、俯くようにして言うその時の里奈の声は、どこか重く、地の底から湧き出るような暗い響きを持って俺を圧倒していた。

 俺は迷った。
 確信が持てなくなった。
 今ここにいるのは里奈なのか。
 それとも里奈の皮をかぶった何かなのか。

 そう自信が揺らぐほどの異様さを放っていた。

「そんな人でなしの私を、明彦くんは救ってくれた。こうして、一緒にいられる時を作ってくれた。そんな明彦くんだから、恩返しをしたいの。でも私にできることはそれしかない。だから明彦くん。私に人を――」

「里奈!」

 絞り出すように、圧倒してくる何かを弾き飛ばすように、俺は叫んだ。
 周囲が振り返る。前方のサールは振り返らなかった。それがどこか救いのように思えた。

 くそ。

 そんな風に思っていたのか。
 そんな風に考えていたのか。
 そんな風に悩んでいたのか。

 情けない。
 短い間とはいえあれだけ一緒にいたのに、そんな思いを俺は汲み取れなかった。ただ里奈と一緒にいられることが嬉しくてしょうがなかったとは。
 なんて自分本位な勝手な奴だ。

 だからこそ、遅まきながらも今からでも、俺は里奈に言わなくちゃならない。

「やっぱりダメだ……それだけは絶対ダメだ」

 言いながらも俺は1つの不安を抱いていた。
 先ほどの里奈。
 人殺しが才能だと信じ、
 人殺しを楽しいと言い。
 人殺しで報いると話した。

 その時、彼女は。

 ――わらっていなかったか?

 ただそれは聞けない。
 聞いてもし、万が一、億が一……そうだと言われたら、俺は里奈とこれまでと同じように接することができる自信がなかったから。

 それほど先ほどの里奈は異質。
 だからこそ。
 だからこそここではっきりと否定しないといけない。異質なものを封じなければいけない。そういった一種の使命感を感じてそう言い切った。

 少しの間、里奈はうつむいて黙っていたが、ようやく顔をあげて――

「分かった……明彦くん。優しいね」

 それはさっき聞けると思った言葉。
 けど、その時に返ってくるはずだった言葉と、今こうして実際に聞く言葉では、どこか意味が違ったように思えてならない。

「とにかく、そういうことだから。里奈は何も心配しなくていいんだ」

 不穏な話はそれで打ちきりだと言わんばかりに、俺は馬に乗って話を切り上げた。
 不穏だったのは俺の心の中だったのかもしれない。

 とにかくこの話題を続けることを本能的に避けた。
 それが失敗だったとは俺は思わない。少なくとも、表面上は少なくともいつもと同じ里奈に戻ったのだから。

 それから黙々と歩き続けること数時間。

「ジャンヌ殿。そろそろ野営の準備をすべきかと」

「あ、あぁ。そうだな」

 センドに言われて『古の魔導書エンシェントマジックブック』を見る。
 左手に林があるだけで開けた土地だ。
 前方に一番近い砦があるようだが、まだ見えない。あと10キロ近くはあるだろう。

 正直、こんな平原のど真ん中で野営なんて、いつでも襲ってきてくださいと言っているようなものだ。
 一応メリットもあって、大軍が来ても察知しやすいというものがあるが、陽が沈めば意味がない。

 ま、そもそもここに野営するつもりはないわけだけど。

「よし、ここに陣を張る! 俺の隊は水を汲んで来い。南に小川があるはずだ。サカキの隊は左手の林で木を切って柵を作れ! クルレーンは周囲の警備とそれぞれの手伝い!」

 指示を出すと俺、サカキ、センドの3人で集まって野原に地図を広げる。
 フレールとサールは少し離れた位置で周囲に気を配っている。

「今はここの位置だ。敵の砦からそれなりに離れてるから、相手の動きを見てから対応できると思うけど一応斥候を出しておこう。俺たちの目的はそいつらと戦うわけじゃないからな」

「ええ、問題ないと思います」

「俺も同意だ。それからジャンヌちゃん。陣は簡単でいいな?」

「捨てる陣地だ。けど西側、敵の砦がある方と南北の一部は作っておいてくれ。敵から見える方だな。あとかがり火を多めに置いておきたい」

「分かった、そうする」

「陽が沈んでから北上しますが……その、自分はそこまで星読みに長けているわけではないので……」

 センドが自信なさげに言う。

 携行型の方位磁石はあるにはあるが、夜間の行軍では過信できない。
 だからこそ星の位置を見ながら自身の位置を把握するのが順当だが、それにもスキルがいるだろう。都会の夜空で育った俺には無理だ。

「そこについては秘策があるから大丈夫ですよ。間違ってもセンドさんを責めることはしないです」

 秘策。要は『古の魔導書エンシェントマジックブック』なわけだけど。
 これは今の俺の位置を地図に表すGPS的なものがあるから、星を見るまでもなく道が合っているかどうか分かるのだ。科学技術万歳!

「はぁ。ではおまかせします」

 それから細かい打ち合わせをしていると、火も傾いて夕飯の準備ができたという報告が来た。

 夕飯――といってもシリアルバーと乾燥させた肉に、川の水を煮沸(しゃふつして作った即席のスープのみ。
 シリアルバーなんてものはもちろんこの世界にはなかったけど、いざという時のためにミストに作らせていた。たこ焼きを焼いていたという理由で最低限料理はできるだろうし、無理でも彼女のネットワークなら誰かにお願いすることも可能だろうと思ってのこと。

『雑穀とナッツ、それから乾燥させた果物をぶちこんで揚げただけの簡素な奴さ。あまり味には期待しないでほしいさ』

 苦心の結果、そんな言い訳と共に供出されたシリアルバーは、確かに味は簡素なものの栄養価はありそうだった。
 ちなみにシータにないか問い合わせるつもりだったがやめた。
 シリアルバーはこういった軍の遠征にはもってこいの食べ物。こんな小さいながらも栄養価があって空腹も紛れる。

 ――そんな有用なものを、他国に知られたくない。そんな後ろ暗い理由もあった。

 そんな簡素な夕食が終わると、見張りと斥候を除いて全軍で休憩とした。
 少しでも休んでこの後の強行軍に備えるためだ。

 俺も草の上に横になって目を閉じる。
 あと数時間で、これから長く続くだろうビンゴ領を巡る戦いの緒戦が始まる。それはきっとこの戦の今後を占う大事な戦いになるだろう。

 ここで失敗するわけにはいかない。
 それはオムカ王国の滅亡に直結するのだ。

 だから俺は頭の中で何度もこの後の動きをシミュレートし、そしていつの間にか浅い眠りに落ちて行った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

無限に進化を続けて最強に至る

お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。 ※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。 改稿したので、しばらくしたら消します

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

【完結】487222760年間女神様に仕えてきた俺は、そろそろ普通の異世界転生をしてもいいと思う

こすもすさんど(元:ムメイザクラ)
ファンタジー
 異世界転生の女神様に四億年近くも仕えてきた、名も無きオリ主。  億千の異世界転生を繰り返してきた彼は、女神様に"休暇"と称して『普通の異世界転生がしたい』とお願いする。  彼の願いを聞き入れた女神様は、彼を無難な異世界へと送り出す。  四億年の経験知識と共に異世界へ降り立ったオリ主――『アヤト』は、自由気ままな転生者生活を満喫しようとするのだが、そんなぶっ壊れチートを持ったなろう系オリ主が平穏無事な"普通の異世界転生"など出来るはずもなく……?  道行く美少女ヒロイン達をスパルタ特訓で徹底的に鍛え上げ、邪魔する奴はただのパンチで滅殺抹殺一撃必殺、それも全ては"普通の異世界転生"をするために!  気が付けばヒロインが増え、気が付けば厄介事に巻き込まれる、テメーの頭はハッピーセットな、なろう系最強チーレム無双オリ主の明日はどっちだ!?    ※小説家になろう、エブリスタ、ノベルアップ+にも掲載しております。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~

ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。 食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。 最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。 それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。 ※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。 カクヨムで先行投稿中!

異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。

久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。 事故は、予想外に起こる。 そして、異世界転移? 転生も。 気がつけば、見たことのない森。 「おーい」 と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。 その時どう行動するのか。 また、その先は……。 初期は、サバイバル。 その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。 有名になって、王都へ。 日本人の常識で突き進む。 そんな感じで、進みます。 ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。 異世界側では、少し非常識かもしれない。 面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。

ガチャと異世界転生  システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!

よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。 獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。 俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。 単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。 ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。 大抵ガチャがあるんだよな。 幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。 だが俺は運がなかった。 ゲームの話ではないぞ? 現実で、だ。 疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。 そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。 そのまま帰らぬ人となったようだ。 で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。 どうやら異世界だ。 魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。 しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。 10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。 そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。 5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。 残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。 そんなある日、変化がやってきた。 疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。 その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。

処理中です...