最弱な奴が実は最強?

レン

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殺意!?

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 朝から机にうつ伏せになりぐうたらしていると奈津から話しかけられた。嫌な予感がする。
「任務の件、持ってきましたよ!」
 的中した。俺の心は朝から灰色に染め上がった。
「任務の内容は殺人事件の調査らしいです。被害者多数で早めの対処をご要望らしいです。」
 殺人事件なんて本来、俺たちみたいな弱い奴がやるような難易度ではない。
 奈津は功績をあげることに対しての欲がすごいのだ。
「殺人事件なんて学生の俺たちではなく警察に頼めばいいのにな。」
「組織としては存在してますが余り機能していないのが現状ですもんね。」
 確かに警察は存在するだけでその実、機能していない。
 それは何故か?理由は単純で能力者である俺たちがいるからだ。
 警察にも能力者はいるにはいるが少数でそのほかの大多数は無能力者なのである。
 一応、警察の人間は拳銃や警棒などを所持しているが能力者には通用しないことの方が多い。 
 そのため警察に対して信頼がなくなった人は必然的に俺たちの学校に依頼をすることになってしまっている。
「話を戻しますけどこの依頼受けます!」
「何故?」
「功績を挙げないと私たち特に貴方は一生、最弱で言われ続けますよ。それで良いんですか?」
「別に構わないが。」
「それこそ何故!」驚いた様子で叫ばれた。
 他人の評価なんてどうでもいいし誰がなんと言おうとこれが俺だから変える気なんてない。
 それよりも俺は殺人事件の調査なんて行きたくない!最弱の俺なんて行ったら死ぬかもしれないからだ。
 ここは何としても説得しないといけない。さてどうすか。
「奈津よ。俺は実はお前が好きなんだ。だからそんな危険な任務に行ってお前を死なせたくない。」
 とりあえずそれっぽい事を言うことにした。
「ふぇッッッ!」
 奈津の頬は見る見るうちに赤くなっていった。
 意外といけそうなのでもう一押ししてみる。
「お前みたいな美少女がなんで死に急ぐ?私はお前を失いたくないんだ。だから行くのをやめないか?」
 流石に苦しいか?と思っていると返答があった。
「そうですか。なら仕方がないですね。」
 ピュアで助かった。心が痛まないのかって?死なないために仕方がなかった。
「そいつの言うことなんて大体は嘘だよ。」
 残酷にもそんな言葉が響いた。声の主は煌だった。
 見ると煌は腹を抱えながら笑っていた。
 それを聞いた途端、奈津の目は冷ややかなものに変わっていた。俗に言う汚物を見る目だった。
「違うぞ奈津。決して嘘ではない!信じてくれ!」
「御託はいいです。さっさと行きますよ。」
 ひきずられながら連行される最中、俺の心には煌に対して初めて殺意が芽生えていたのであった。
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