最弱な奴が実は最強？

レン

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二章　最強の叛逆

変化

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　それからも俺は念の為と言われて数日間、入院させられていた。
　ちなみに病院食に関しては俺は美味しいと思う。
　変な味付けでもなく胃に優しい感じがして食べやすかった。
　一番の敵は四六時中、暇だった事だな・・・。
　そして今日退院する。やっと暇で地獄のような病院生活から解放されるのだ。
　そして俺は軽い足取りで病院玄関にまで辿り着いた。
　この国と戦う事を決めた以上、念入りな準備と強い協力者が必要になる。
　相手は国そのもの。当然強い能力者なんてごまんといるはずだ。
　色々と考えているうちに目の前に一台の黒い車が止まった。
　どうやら天音が大事をとって手配してくれたらしいのだ。お節介なやつである。
　あの一件から天音が俺に対して優しくなった。もちろんまだ少しきつい部分があるが前よりはマシである。
　奈津の事もあって気を遣ってくれているのだろう。だがもう大丈夫だ。
　俺は黒い車に乗り込み目的地へと向かった。
　それは学校である。久しぶりに煌や天音と会える時が来たのだ。
　俺が目を覚ました時に一回会っているがあれっきりである。
　事件に関する警察の聴取が思ったより忙しく会う暇がなかったのだ。
　だから久しぶりの学校というわけだ。
　・・・だがいずれは・・・。
　そして久しぶりに教室のドアを開ける。するとクラスの何人かが俺に詰め寄り愚痴をこぼした。
「おい。結局あの男はどうなったんだよ？」
　見るとその中にクレアにやられた男がいた。
　俺はその問いに笑って返した。
「いや無理だった。俺では太刀打ちできなかった。」
「だから天音と煌に倒してもらったよ・・・。」
　その言葉を聞くと連中は俺を嘲笑うと同時に悪態とついてきた。
「結局は煌に任せるのかよ！ダサ！やっぱお前は雑魚だなぁ～！アハハハハ！」
「お前なんであそこに行ったんだよ。お前が足手纏いだったから奈津ちゃんは死んじゃったんじゃね？」
　俺はその言葉を僅かだが眉が動いた。
　するとクラスのドアが開き連中に向かって怒声が張り上げた。
「お前ら！何やってんだ！」
　来たのは煌だった。煌はドカドカと連中に歩み寄る。
　するとヤベェと慌てた様子で連中は散っていった。
　連中が去った事を確認すると煌が話しかけてきた。
「よう斗真！怪我は大丈夫なのか？」
「あぁ。もう大丈夫だ・・・。」
　そして煌は俺の肩を抱き俺にしか聞こえない声でつぶやいた。
「何でお前まだ自分の実力を隠すんだよ？」
「言えばもう罵られることなんてないのに・・・。」
　俺は微笑を浮かべながら答えた。
「言っても信じてくれないって。それに・・・。」
「それに何だ？」
「いや。何でもない。」
　会話を終わらし煌に再び挨拶をすると俺はいつも通り自分の席に着いた。
　・・・なんか変だ。
　今の言葉を濁したときの斗真の顔。友達である俺にはわかる。
　何か大事なものを抱え込んでいるような。目を逸らすといきなり消えてしまいそうな感じがする。
　とんでもない闇を抱えているのかもしれない。
　それもこれもあの一件から斗真はあんな顔をするようになった。
　俺は拳を握り小さく呟いた。
「一体何があったんだよ？斗真・・・。」
　

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