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二章 最強の叛逆
信じる道
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全力を出しようやくレベリオーに対し決定打を打ち込む事ができた。
さらにトドメの一撃を放とうとした瞬間、レベリオー本人から止められた。
そして何を思ったのか立ち上がり仮面を外したのだ。
仮面の他に首につけられていた機械も外していた。
そうか。首につけていたのは変声器だったのか。
でも次の瞬間に変声器の事などどうでも良くなる程、衝撃的な事が目の前で起こったのだ。
「お前たちも成長したんだな・・・。」
変声器を外した直後、聞き慣れた声が聞こえた。
そうその声は毎朝、聞いていていざと言う時には一番頼りになる声・・・。
だけどそんな声が敵であるレベリオーから発せられている。
信じられるわけがない。
認められるわけがない。
でも声がしたのは事実でその変えようがない現実に俺は思わず声がこぼれた。
「お前だったのか。斗真・・・。」
そう仮面の下から覗かせたのは斗真の顔だった。
そしてそれは同時にレベリオーの正体は斗真だっと言うことを表していると言える。
そんな事実に天音は複雑な表情を浮かべ叫んだ。
「なんでアンタがそっち側なのよ!?」
その叫びは純粋な疑問というよりも怒りに近いものだった。
なにせ斗真のしていることは世界を壊し混沌に陥れているのと変わらない。
そしてその行為はかつてテロを起こした組織であり奈津を殺した奴らでもある『ブレエド』と同じなのだ。
自分達の大事な仲間である奈津を殺した奴らと同じ道を歩んでいるなんて信じられるわけがない。
そして何よりそれでは斗真を庇って死んだ奈津が報われないのではないかと考えたのだろう。
俺も同じ気持ちだ。
なぜ奈津を殺した奴らであるロキを連れさらには奴らと同じようなことをしているのか理解できない。
「何でお前はロキと一緒にいる?」
「何で世界を混乱させようとしているんだ!?」
俺も斗真に対し質問をぶつける。
すると斗真は俯き言った。
「お前たちは知らなくていい事だ。」
「それに俺が仮面を取ったのも単に最後の挨拶をしたかっただけだ。」
「最後だと・・・?」
「あぁ。これで最後だ。俺はもう学校には戻らない。」
「そしてお前たちとも今後一切、会う事もない。」
「俺がレベリオーだと学校側に行っても構わない。」
突然言われた決別に思考が追いつかなかった。
でも何か言わないと思い俺は思った事を消え入りそうな声で絞り出すように言った。
「お前の身に何があったのかは分からない。」
「だからと言ってそんな事をするお前を見過ごすわけにはいかない。」
「だから・・・。」
そうして俺と天音は再び戦闘態勢に入った。
「斗真・・・。お前をここで止める。」
・・・目の前の二人が構えている。
そうだ。これで良いんだ。
こいつらまで巻き込むわけにはいかない。
でも俺はここで捕らえられるわけにはいかない。
だから俺も仮面をつけ直し構えた。
「俺にも信じる道がある。たとえ世界が何と言おうと己の道を歩いていたい。」
「そのためにここで負けるわけにはいかない・・・。」
そうして決別のための戦いが始まる。
さらにトドメの一撃を放とうとした瞬間、レベリオー本人から止められた。
そして何を思ったのか立ち上がり仮面を外したのだ。
仮面の他に首につけられていた機械も外していた。
そうか。首につけていたのは変声器だったのか。
でも次の瞬間に変声器の事などどうでも良くなる程、衝撃的な事が目の前で起こったのだ。
「お前たちも成長したんだな・・・。」
変声器を外した直後、聞き慣れた声が聞こえた。
そうその声は毎朝、聞いていていざと言う時には一番頼りになる声・・・。
だけどそんな声が敵であるレベリオーから発せられている。
信じられるわけがない。
認められるわけがない。
でも声がしたのは事実でその変えようがない現実に俺は思わず声がこぼれた。
「お前だったのか。斗真・・・。」
そう仮面の下から覗かせたのは斗真の顔だった。
そしてそれは同時にレベリオーの正体は斗真だっと言うことを表していると言える。
そんな事実に天音は複雑な表情を浮かべ叫んだ。
「なんでアンタがそっち側なのよ!?」
その叫びは純粋な疑問というよりも怒りに近いものだった。
なにせ斗真のしていることは世界を壊し混沌に陥れているのと変わらない。
そしてその行為はかつてテロを起こした組織であり奈津を殺した奴らでもある『ブレエド』と同じなのだ。
自分達の大事な仲間である奈津を殺した奴らと同じ道を歩んでいるなんて信じられるわけがない。
そして何よりそれでは斗真を庇って死んだ奈津が報われないのではないかと考えたのだろう。
俺も同じ気持ちだ。
なぜ奈津を殺した奴らであるロキを連れさらには奴らと同じようなことをしているのか理解できない。
「何でお前はロキと一緒にいる?」
「何で世界を混乱させようとしているんだ!?」
俺も斗真に対し質問をぶつける。
すると斗真は俯き言った。
「お前たちは知らなくていい事だ。」
「それに俺が仮面を取ったのも単に最後の挨拶をしたかっただけだ。」
「最後だと・・・?」
「あぁ。これで最後だ。俺はもう学校には戻らない。」
「そしてお前たちとも今後一切、会う事もない。」
「俺がレベリオーだと学校側に行っても構わない。」
突然言われた決別に思考が追いつかなかった。
でも何か言わないと思い俺は思った事を消え入りそうな声で絞り出すように言った。
「お前の身に何があったのかは分からない。」
「だからと言ってそんな事をするお前を見過ごすわけにはいかない。」
「だから・・・。」
そうして俺と天音は再び戦闘態勢に入った。
「斗真・・・。お前をここで止める。」
・・・目の前の二人が構えている。
そうだ。これで良いんだ。
こいつらまで巻き込むわけにはいかない。
でも俺はここで捕らえられるわけにはいかない。
だから俺も仮面をつけ直し構えた。
「俺にも信じる道がある。たとえ世界が何と言おうと己の道を歩いていたい。」
「そのためにここで負けるわけにはいかない・・・。」
そうして決別のための戦いが始まる。
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