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2話
「あの、いきなり勇者と言われても理解出来ないんですが。説明して貰えますか?」
「はい、まずは何からお話して良いか――」
この国、ヴァレリア王国の北方には魔国ドルニモアという魔物の国があるらしい。
そこには多くの魔物たちが住み、王国の人間と一進一退の攻防を繰り広げているのだと言う。
だが最近、王国の預言者が魔国に魔王が復活したと言うお告げを受けた。
――遥か昔、魔王は魔国ドルニモアの魔物たちを率いて人間たちを絶滅させようとした。
その力は恐ろしく強大で多くの人が殺され、隣接するヴァレリア王国は滅亡の危機に瀕した。
だが王国は勇者を召喚して魔王を封印する事に成功、危機を脱したと伝えられる。
その魔王が再び復活したというのだ。
「そこで私達は古の文献に従い、再び勇者様を召喚する事にしたのです」
「それで俺が呼ばれたと。でも何故俺なんです?」
自慢じゃないが俺はケンカは強くない。
子供の頃から剣道はやってるけど、戦いに向いた性格だとは我ながら思えない。
それがなんで俺なんだろう。
「分かりません。私達はただ、勇者様となるべき方を召喚するように神に祈るだけで人を選んでいる訳ではないのです」
なるほど、そういうことか。
「ではもう一つ。どうすれば元の世界に帰れるんですか?」
「言い伝えによると、魔王を封じた古の勇者様は、役目を果たしたと同時に元の世界に戻られたと。すいません、それ以上は分かりません」
なんてこった。
それじゃあ魔王をどうにかしないと元の世界に戻る事も出来ないって事か。
しかし、勇者の召喚に成功したのにルナさんがどこか浮かない感じなのが気になる。
なんとなくガッカリしてるような。
周りの女兵士たちも警戒を解こうとしないし。
「あの、ハッキリ言ってもらっていいんですけど、俺じゃマズかったですか?」
「あ、いえ、決してそうではないのです。なんと言うか、戸惑っていると申しますか……」
ルナさんは明らかに慌てた後、少し俯いて話し始めた。
「まさか男性が現れるとは思っていなかったものですから」
「って言いますと?」
「言い伝えでは勇者様は女性なのです。それにこの国にはほとんど男性がおりませんので」
な、なんだってー?!
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