男女比1対99の世界に召喚された絶倫勇者

梅田遼介

文字の大きさ
41 / 46

41話 ☆

 ベルモアによって精を搾り取られた、その夜。
 ユウスケは与えられた部屋で眠っていた。

 城内の廊下を音もなく密かに進む怪しい影。

 ――ここか。

 ある部屋の前で止まり、辺りの様子を伺う。
 警備の兵などがいないことを確認して、扉に手を掛ける。

 ギイイ

 そっと扉を開け、音もなく中に忍び込んだ。




 ――のん気な顔で眠って。いい気なものだ。

 眠っているユウスケの枕元に立つ、黒装束の女。
 昼間、御前試合でユウスケに敗れたエルザだった。

 ――恨みはないが、死んでもらう。

 この男を殺さねば、未来はない。
 自分の命が無いだけではない、妹を助ける事も出来なくなってしまう。
 それだけは何としても避けなければならない。
 首に巻かれた隷属の首輪をそっと触った。

 ――お前を殺し、また一から功を積み重ねていつか騎士になる。

 あの試合で勝ってさえいれば、これを外してもらえたのに。
 そう悔いてももはや手遅れ。
 夢は大きく遠のいたが、諦めるわけにはいかない。

 エルザは懐から短刀を取り出すと、刃を下にして右手でぐっと握った。
 スヤスヤと寝息を立てる男の顔をじっと見つめる。

 ――何を悩むことがある。今までに何人もこうやって殺してきたじゃないか。

 黒龍将軍であるドリスの命で、今まで多くの命を奪ってきた。
 相手が男というのは初めてだが、それ以外は今までとなんの変わりもない。
 ただ急所にこの短刀を突き刺し、返り血に気を付けて引き抜き、姿を消す。
 それだけの簡単な仕事だ。

 男の顔を見ていると、試合の時に感じた得体のしれない快感の記憶が蘇ってくる。
 生れて始めた感じた、意識を失うほど強烈な、脳を焼けつくすほどの快感。

 ――こんな時に何を考えている。あれもこの男が卑怯な手で見せた幻覚だ。

 エルザは一つ首を振ると、下唇を噛んだ。
 この男は殺さなければならない。
 目を閉じてすうっと鼻から息を吸う。
 静かに短刀を持ち上げる。
 目を開けて急所の喉を目掛けてそれを振り下ろそうとした、その瞬間。


 

「ああっ!」

 ビクッと身体に震えが走り、同時にこともあろうに思わず声を出してしまった。
 暗殺者としてあってはならない失態。
 だがその声を抑えられないほどの強い刺激が、下半身を襲ったのだ。

 ――また、アノ感覚。この男、起きているのかっ?!

 慌てて男を見ると……男の目は開いていた。

「やれやれ、ひょっとしたらとは思ってたけど、まさか本当に来るとはね」

 そう言いながら男はベッドから体を起こす。

「おのれ……騙したなっ!」

「おいおい、騙し討ちにしようとしたのはそっちだろう」

「うるさい、黙れっ!」

 命を狙われながらあまりに落ち着いた男の態度に、エルザの警戒心が高まる。
 まさかあらかじめ分かっていて罠を張っていたというのだろうか。
 だがよく見れば男は素手だ。
 剣も手の届く範囲にはない、丸腰なら問題なく殺せる。
 男の卑怯な手口も分かっている、それに耐えて短刀を突き刺せばそれで終わりだ。

「死んでもらう。悪く思うな」




 ――危ない所だったぁ。

 ユウスケがふっと目を覚ますと、目の前に短刀を構えた女の姿。
 慌てて電マのスキルを飛ばして何とかセーフ。
 なんとか余裕の感じ出してるけど、実は心臓バクバクだ。

 ――落ち着け、落ち着けよ、俺。

 ここはミスると大変な事になる。
 この娘が怪力なのは試合で十分わかっている。
 力の勝負に持ち込むのはマズイ。

 性感探知で全身の性感帯をオープン。
 どこが弱いのかは試合で十分わかってる。
 2個の飛ばす電マをスタンバイ。
 
 ――さあ、こいっ!



 ――殺す。

 エルザは逆手に握った短刀を構えた。
 あの得体のしれない快感に耐える。
 同時に心臓へこの短刀を突き立てる。
 この距離だ、外すことはない。
 動き出そうとした、その時。

「あああああっ!」

 いきなり、来た。
 それも胸と股間、同時に。
 自分の意識を刈り取った、試合の最後に襲ってきた快感がいきなり来たのだ。

「……く、くそっ、おのれっ!」

 動こう、この短刀を突き刺そう、そう思っても体が動かない。
 一度快感を覚えた体がエルザの思いを裏切る。
 身体の奥底から湧き出る堪えようのない快感。

 エルザは手から短刀を取り落した。
 だがそれにも気付かず、ただ必死に快感にあらがう。
 両手で自分を抱きしめるエルザに、ユウスケがゆっくりと近づいた。




 ――むふふ、いただきだな。

 試合の時から気付いていた。
 実はこの子、すっごい可愛い。
 小柄な黒髪の美少女。
 西洋風な今までの女の子たちもいいが、この子はこの子で日本人っぽくって凄くいい。
 しかもポニーテールが良く似合ってる。 

「く、来るな……」

 快感に耐えながら、近づくユウスケを睨むエルザ。
 潤んだその目つきがユウスケの興奮をさらに高める。

「うっ」

 ユウスケはエルザの手首をつかむと、そのままベッドに押し倒した。
 抗う事の出来ないエルザ。
 
「なにをする」

 問いに答えず、そのままエルザの黒装束に手を掛けると、一気に引き裂いた。

「きゃあっ!」

 一瞬エルザの小ぶりな胸が露わになり、それを必死に手で隠す。

「ごめんな、でも殺しに来たのはそっちだよ」

 そう言ってユウスケはニヤリと笑った。
感想 31

あなたにおすすめの小説

義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった

くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。 血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。 夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。 「……涼介くん」 薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。 逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。 夜、来て。 その一言が——涼介の、全部を壊した。 甘くて、苦しくて、止まれない。 これは、ある夏の、秘密の話。

転生したら世界一の御曹司だった〜巨乳エルフメイド10人と美少女騎士に溺愛されています〜

まさき
ファンタジー
異世界転生した最強の金持ち嫡男、 専属エルフメイドと美少女騎士に囲まれて至福のハーレム生活   現代日本で「地味だが実は超大富豪」という特殊な人生を送っていた青年は、ある日事故で命を落とす。   しかし目を覚ますと、そこは魔法と様々な種族が存在する異世界だった。   彼は大陸一の富を誇る名門貴族―― ヴァン・バレンティン家の嫡男カイルとして転生していたのだ。   カイルに与えられたのは ・世界一とも言える圧倒的な財力 ・財力に比例して増大する規格外の魔力   そして何より彼を驚かせたのは――   彼に仕える十人の専属メイド全員が、巨乳美少女だったことである。   献身的なエルフのメイド長リリア。 護衛騎士でありながら隙あらば誘惑してくる女騎士シルヴィア。   さらに個性豊かな巨乳メイドたち。   カイルは持ち前の財力で彼女たちの願いを叶え、最高級の装備や生活を与えていく。   すると彼女たちの忠誠心と愛情はどんどん加速していき――   「カイル様……今日は私が、お世話をさせてください」   領地を狙う貴族を金と魔力で圧倒し、 時にはメイドたちの愛が暴走して甘すぎる時間に巻き込まれながらも、   最強の御曹司カイルは 世界一幸せなハーレムを築いていく。 最後までお読みいただきありがとうございました。よろしければ応援をお願いいたします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【魔法少女の性事情・1】恥ずかしがり屋の魔法少女16歳が肉欲に溺れる話

TEKKON
恋愛
きっとルンルンに怒られちゃうけど、頑張って大幹部を倒したんだもん。今日は変身したままHしても、良いよね?

女の子がほとんど産まれない国に転生しました。

さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。 100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳 そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。 当面は2日に1話更新予定!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!