魔王死天は血に染まる。

ハーミット

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希望の薬

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センは結局エルドラを殺さなかった。

エルドラに罪は償って貰うつもりではあるが、それは事が済んでからという事になった。

そして、センはアルタやファルムス、兄のレンがいる村外れに、優秀な薬剤師がいたはずなのでその人に魔王因子を打ち消す薬の開発を依頼したのだった。

そして、ついにその薬は完成しようとしていたのだった。

「ふぅ、あとはここに置いてある薬草をすり潰して入れれば完成。」

薬剤師のナイクは最後の作業に取り掛かろうとしていた。

そこへ誰かがやってきた。

「ナイクさん、薬はできましたか。」

訪ねてきたのはファルムスだった。

「もうすぐ完成します。完成したらセンさんのところへ持って行ってください。」

「はい、わかりました。」

ファルムスはなんの薬なのか気になっていたが訪ねはしなかった。

それはさておき、タルスの噂は実はこの村まで届いていた。と言うことは…。

ナイクは薬を完成させてファルムスに渡す。

「できました。これを届けてください。」

ファルムスはそう言ったナイクの顔を見る。

そこに顔はなかった。

「スキナコトバハザンシュ。」

「たっタルス!?」

そのままタルスはファルムスの心臓を抜き取られてしまう。

「ぐうううう。何故だ。タルス。どうして…。そういう事か。」

魔王と対峙した事のある者ならわかる魔王の気配だった。

「ソノクスリヨコセ。」

「させない。僕は必ずこの薬をセンさんの元へ。」

ファルムスは走り出す。ファルムスの鋼の意識の能力は身体を強大な力で動かす。それには本来使うエネルギーは使われない。血がなくともしばらくは動けるのだ。

「おい!ファルムスどうしたんだ。」

アルタはファルムスの状況を理解すると、追っていたタルスとの間に割って入る。

「オマエヲサキニコロス。」

そして、アルタとタルスは戦闘を開始するのだった。

その場をアルタに任せたファルムスは、兄の酒場に行くと言っていたセンの元へと走っていく。おそらく、大急ぎでこの村に来たセンならタルスをどうにか出来ると思ったから。この薬が何か大事な役に立つのだと何故か確信できたからだ。

走って走ってついに、ファルムスはレンの営む酒場まで辿り着く。

その酒場の前にはセンはいた。

「おい、ファルムス。どうしたんだ。」

「心臓を取られてしまいました。ですがこれは…。」

薬を手渡して、ファルムスは力尽きた。
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