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オーストラリア奪還計画
第四話「オーストラリア奪還計画」
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神崎定進の屋敷の来客は半田冬。急いだ様子で連絡を入れて来た所から察するに、半田冬の用事はオーストラリア奪還計画についてだろうと予想しつつ彼を屋敷に招いた。
「さてと、定進くん。今度のオーストラリア奪還計画を詳しく説明して欲しいな」
予想していたがやはり今回半田冬が屋敷まで出向いた用件はオーストラリア奪還計画についてであった。
しかし神崎定進には一つ言っておきたい事があった。
「その前に一つ、半田さんに紹介したい人を招いているんだ。到着したから紹介する。じゃあ説明、説明を…」
とりあえず頭に浮かんだ言葉を述べる。
「イギリスを主体にその他諸国と合同でオーストラリアを奪還する」
説明しろと言われても、何をどう説明するべきなのかが分からない上に、一々考えて話すのも面倒くさい。伝われば良いし、伝わらなくても行動で示す神崎定進は説明が苦手だ。
「そう言えば定進くんは説明下手だったんだ。なら質問していくからそれに答えてくれれば良い」
聞かれた事に答える事ならば、可能だった。昔から異能力で想像した物を現実に出来た為、説明は能力を使えば簡単だった。あまり伝えたい事を言葉にのせるのは下手くそだった。
「まずはオーストラリア奪還計画の戦力総数を教えて欲しいんだけど」
「日本から出す戦力は決定してないけど、東京埼玉神奈川校から各校ランキング上位200名は強制参加。後は有志で連れていく」
半田冬はそれを聞いて少し考え込み、次の質問に移る。
「日本からの総数しか分からないかな?他の国とも合同でオーストラリア奪還を目指すなら他の国の戦力については聞いてないかな?」
「このオーストラリア奪還計画は元々イギリスが主体として行う事になった計画だから、主にはイギリスからの戦力で攻め入る。他の国は主に支援をする形らしい。イギリスは確か3000人を動員すると聞いたから、他の国がそれ以上になる事はないと思うけど」
今となっては大型船でも3000人となれば多く必要になる。オーストラリアは他の大陸と繋がっていない為に他の大陸よりも楽に取り返せるから他よりも動いてオーストラリアを手に入れたかっただろう。どこの国も大陸を取り返せない未来には破滅が見える。
「イギリスのコードを持っている異能力者はどんな人がいるのかわかっているかな?」
イギリスにもコード能力者はいる。オーストラリア奪還計画の説明を受けた会議ではイギリスの主戦力となる異能力者の話を聞いた。
「確かまずは、救世主の異能力、大きな聖剣を使うソフィアと言う少女がイギリスの主戦力らしい。そしてそれを護るのが城柵のエミリーらしい」
「広範囲に及ぶ敵を倒すのがソフィアで、そのソフィアに近づく敵を倒すのがエミリーと言うわけだね。しかし戦場ではどんな事があるか分からない以上、そのソフィアと言う少女も自衛の手段を身につけておくべきだろうね。それを会ったら伝えて欲しいかな」
能力の名前は聞いていたが詳細は伝えられていない。半田冬の言うような能力なのだろうが、詳細は分からない。
「後そう言えば、消失って能力のネメってのも参加するとか。このネメって奴は国籍なんかも不明らしく、調べた方が良いかもしれない人間だから覚えていたらしいが、確か接触した物を1メートル程度の範囲で消し去る事のできる能力らしい」
半田冬の表情が変わり、緊張感があふれてくる。
「それは人も然りと言うことだろう…ゼヴ…人も消しされるから警戒するべきなのだろう。何かあれば簡単に人類の脅威となる。それは定進くんも同じだね。日本の敵になろうと思えば定進くんなら日本を壊滅させる事も可能だね。彼には彼の悩みがあるんだろうね」
神崎定進は、神崎定進が住む日本では裏切り等と考える人間はほとんどいない。ましてや神崎定進は日本人であり、母国を裏切る等とは更に考えにくい。
ネメは国籍すら不明。完全にイギリスの為に生きている保証はない。そんな存在は卑下にされるだろう。それは日本でも例外ではない。現在存在する国は全て巨大生命体以外と戦える余裕など無い。そんな環境なら息苦しい事は間違いない。
更には神崎定進には両親が存在するが、幼い頃からその両親と一緒には暮らしていない。能力が恐ろしく強かった彼は両親を人質代わりに使われている。父親は人々を元気づけるために屋台で国中を廻っており、母親は国内で静かに暮らしいていると報告は受けている為、気にはしていないが、両親もなく周りの人々から恐れられて生きている気持ちが分からなくもない。
「まぁ、そのネメって奴に会ったら元気づけてやってもいいかもしれないな。俺はそこまででもないけど、少しは気持ちがわかるし…」
空気が重たくなってしまったが、半田冬が聞きたい事はまだ尽きていない為話は続く。
「作戦とかについては詳しく聞いているのかな?」
神崎定進はオーストラリア奪還計画の詳しい作戦について聞いていなかった。現地に到着してから説明するとだけ聞いていた。
「作戦の説明はは現地で聞くことになっている。だから俺でも作戦までは分からない」
半田冬は少し困った様子で頭を掻きながら話す。
「そうか、作戦までわかっていたらそれに対するアドバイスなんかも出来たんだけれど、分からないならとりあえず応援をする事しかできない。まぁ他に今聞きたい事はない。ありがとう」
半田冬自身の役割は国防に回されているので、オーストラリア奪還計画には参加出来ない。だから、少しでも助力になれば良いと思い今回も作戦について話を聞いてきたのだ。神崎定進と半田冬は深い信頼関係を気づけている為、行動についての理由は手に取るようにわかりあえる。
二人きりの部屋にノックの音が響く。
「お話の所失礼します。穂月さんがお戻りになりました」
屋敷に勤めるメイドの一人が、声からして優香さんと言うメイドが待っていた津田穂月の帰りを知らせてくれた。
「さてと、定進くん。今度のオーストラリア奪還計画を詳しく説明して欲しいな」
予想していたがやはり今回半田冬が屋敷まで出向いた用件はオーストラリア奪還計画についてであった。
しかし神崎定進には一つ言っておきたい事があった。
「その前に一つ、半田さんに紹介したい人を招いているんだ。到着したから紹介する。じゃあ説明、説明を…」
とりあえず頭に浮かんだ言葉を述べる。
「イギリスを主体にその他諸国と合同でオーストラリアを奪還する」
説明しろと言われても、何をどう説明するべきなのかが分からない上に、一々考えて話すのも面倒くさい。伝われば良いし、伝わらなくても行動で示す神崎定進は説明が苦手だ。
「そう言えば定進くんは説明下手だったんだ。なら質問していくからそれに答えてくれれば良い」
聞かれた事に答える事ならば、可能だった。昔から異能力で想像した物を現実に出来た為、説明は能力を使えば簡単だった。あまり伝えたい事を言葉にのせるのは下手くそだった。
「まずはオーストラリア奪還計画の戦力総数を教えて欲しいんだけど」
「日本から出す戦力は決定してないけど、東京埼玉神奈川校から各校ランキング上位200名は強制参加。後は有志で連れていく」
半田冬はそれを聞いて少し考え込み、次の質問に移る。
「日本からの総数しか分からないかな?他の国とも合同でオーストラリア奪還を目指すなら他の国の戦力については聞いてないかな?」
「このオーストラリア奪還計画は元々イギリスが主体として行う事になった計画だから、主にはイギリスからの戦力で攻め入る。他の国は主に支援をする形らしい。イギリスは確か3000人を動員すると聞いたから、他の国がそれ以上になる事はないと思うけど」
今となっては大型船でも3000人となれば多く必要になる。オーストラリアは他の大陸と繋がっていない為に他の大陸よりも楽に取り返せるから他よりも動いてオーストラリアを手に入れたかっただろう。どこの国も大陸を取り返せない未来には破滅が見える。
「イギリスのコードを持っている異能力者はどんな人がいるのかわかっているかな?」
イギリスにもコード能力者はいる。オーストラリア奪還計画の説明を受けた会議ではイギリスの主戦力となる異能力者の話を聞いた。
「確かまずは、救世主の異能力、大きな聖剣を使うソフィアと言う少女がイギリスの主戦力らしい。そしてそれを護るのが城柵のエミリーらしい」
「広範囲に及ぶ敵を倒すのがソフィアで、そのソフィアに近づく敵を倒すのがエミリーと言うわけだね。しかし戦場ではどんな事があるか分からない以上、そのソフィアと言う少女も自衛の手段を身につけておくべきだろうね。それを会ったら伝えて欲しいかな」
能力の名前は聞いていたが詳細は伝えられていない。半田冬の言うような能力なのだろうが、詳細は分からない。
「後そう言えば、消失って能力のネメってのも参加するとか。このネメって奴は国籍なんかも不明らしく、調べた方が良いかもしれない人間だから覚えていたらしいが、確か接触した物を1メートル程度の範囲で消し去る事のできる能力らしい」
半田冬の表情が変わり、緊張感があふれてくる。
「それは人も然りと言うことだろう…ゼヴ…人も消しされるから警戒するべきなのだろう。何かあれば簡単に人類の脅威となる。それは定進くんも同じだね。日本の敵になろうと思えば定進くんなら日本を壊滅させる事も可能だね。彼には彼の悩みがあるんだろうね」
神崎定進は、神崎定進が住む日本では裏切り等と考える人間はほとんどいない。ましてや神崎定進は日本人であり、母国を裏切る等とは更に考えにくい。
ネメは国籍すら不明。完全にイギリスの為に生きている保証はない。そんな存在は卑下にされるだろう。それは日本でも例外ではない。現在存在する国は全て巨大生命体以外と戦える余裕など無い。そんな環境なら息苦しい事は間違いない。
更には神崎定進には両親が存在するが、幼い頃からその両親と一緒には暮らしていない。能力が恐ろしく強かった彼は両親を人質代わりに使われている。父親は人々を元気づけるために屋台で国中を廻っており、母親は国内で静かに暮らしいていると報告は受けている為、気にはしていないが、両親もなく周りの人々から恐れられて生きている気持ちが分からなくもない。
「まぁ、そのネメって奴に会ったら元気づけてやってもいいかもしれないな。俺はそこまででもないけど、少しは気持ちがわかるし…」
空気が重たくなってしまったが、半田冬が聞きたい事はまだ尽きていない為話は続く。
「作戦とかについては詳しく聞いているのかな?」
神崎定進はオーストラリア奪還計画の詳しい作戦について聞いていなかった。現地に到着してから説明するとだけ聞いていた。
「作戦の説明はは現地で聞くことになっている。だから俺でも作戦までは分からない」
半田冬は少し困った様子で頭を掻きながら話す。
「そうか、作戦までわかっていたらそれに対するアドバイスなんかも出来たんだけれど、分からないならとりあえず応援をする事しかできない。まぁ他に今聞きたい事はない。ありがとう」
半田冬自身の役割は国防に回されているので、オーストラリア奪還計画には参加出来ない。だから、少しでも助力になれば良いと思い今回も作戦について話を聞いてきたのだ。神崎定進と半田冬は深い信頼関係を気づけている為、行動についての理由は手に取るようにわかりあえる。
二人きりの部屋にノックの音が響く。
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