無能すぎて異世界転生すらさせてもらえませんでした

杜宮波瑠璃

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異世界転生させてもらえないってマジですか?

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凡庸な愚か者よ、世界はお前を非凡にはしてくれない。

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窓際から吹く風にひらひらと揺られる返却された解答用紙を見つめる。誰にも悟られないように小さなため息をつく。42点。平均点は56点か。高すぎる。俺が低いんじゃなくてこのクラスのやつらが高すぎるんだ。そもそも数学なんて誰がどこで使ってるんだよ。心の中でぼやきながらまた誰にも悟られないように小さなため息をつく。といっても俺の周りに俺のことなんて気に留める奴は1人もいないんだけども。
野暮のぼ快翔かいしょう、17歳。高校生。何の変哲もない普通の都立高校に通っている。公立高校にしては珍しくベージュを基調としたブレザーに紺色のパンツスタイルという制服だけを見れば賢そうな見てくれはいいものの、すでにこの歳にして自分の無能さには痛いほど自覚している。特に成し遂げたこともなく秀でた才能も当然ない。運動もできなければ頭もイマイチといったところで取り柄と言えば、、、いやないな。見た目も平凡でパッとしない。どこにでもいるのっぺりとした顔に短くも長くもない茶色がかった髪がくっついてるだけ。コミュ力も皆無のためおかげで今まで心の通った友達なんていない。あ、1つだけ自慢したいことがある。とにかく健康体で1度も学校を休んだことがない。こんなに何もできない友達もいない凡人なのになんで馬鹿みたいに頑張って学校通ってるんだろとは思うけどそういうことは考えるのをやめた。
ただ時間を浪費してこのポンコツをなんとかやっている。いつか分かってくんのかなこのポンコツの操縦の仕方を。のびしろしかないわ。
気付けばチャイムが鳴り帰りのホームルームが始まる。無駄に長いので机に忍ばせたラノベでもこっそり開く。最近はもっぱらラノベといえば「異世界転生もの」だ。俺みたいな陰キャや無能根暗が異世界へ転生されることでチート能力を身につけ無双してハーレムなんて築いちゃうやつだ。現実でうまくいかなった人生を立て直す俺みたいなやつには打ってつけの作品たちだ。俺が読んでいるこの「異世界転生したらほうれん草のおひたしでした」もなかなか面白い。ほうれん草のおひたしなのにチート能力で次々と無双していく設定が面白いのだ。俺も異世界転生とかすればチート能力で無双とかできんのかなと理想の世界へ思いを馳せる。そんなことをしていると下校のチャイムが鳴りそれでもオーバーして話し続ける担任の話を待ち話が終わると同時にそそくさと学校を後にする。

いつも決まった時間の電車に乗り家路に着く。寄り道はあまりしないのだが、今日は好きな漫画の新刊が出るため池袋に寄ってアニメや漫画を専門に扱うショップに向かう。駅に着いたら足早にショップへと向かう出口を探す。いつ降りてもたまに分からなくなるここは。何とか出口を見つけて踊る心を落ち着かせながら歩いていくと気付けばもうショップの前に来た。入ろうとしたところで目の前を何か過ぎる物体が上から落ちてきた。「うおっ!」と陰キャらしからぬ野太い声をあげて仰反る。地面に目をやると糞だった。はっと顔あげて空を仰ぐと鳩が空を舞っていた。あいつが犯人か危うく直撃するところだったーーーー。ん?
なんだ?鳩を目で追ったその先に目を見張る光景が見えた。ショップの向かいの5~6階くらいある雑居ビルの屋上に人影があった。屋上を囲う柵を乗り越えて俯いているのが見える。まさかそこから飛び降りようとしているのか。ただ、俺は脚がすくんだ。このまま身体が動かない。でも、それでいいのか?見つめていると耳元でバサバサッと羽音がしてはっとする。先程俺に向けて糞を落としやがった鳩が糞の隣に降り立ち小さく鳴いた。そうか、こいつ、まさか俺に教えようとしたのか。周りにはこの時間なのに誰も人がいない。グッと拳を握る。無能の俺にできることなんてなにもないだろ。だから、だからこそーーー。
俺は気付けば駆け出していた。雑居ビルに入ると階段を段飛ばしでかけ上がる。錆びた金属の階段から発せられる独特の金属音に頭が痛くなるがものともしない。屋上にたどり着くと中途半端に開いた錆びた金属の扉があった。勢いよく開けて屋上へと飛び出す。まだそこには人影があった。何とか間に合った。物音に気づいたのかその人陰がこちらに振り向く。同じ年くらいの少女だった。黒い長い髪を横で束ねたツインテールでくりっとした丸い目とあどけさが残る顔立ちで幼い顔の印象を与える。薄ピンクのリボンとセーラー服を着ていて身長は150センチ後半くらいといったところ。こちらを見つめる少女が数回瞬きをした後、少女の方から声が発せられた。
「だれ、、、?」
なんか言葉を返そうと思うのだが何も出てこない。なんたって女子と言葉を交わすことなんてほとんどない上、飛び出してきたものの何も策はない。
「あっ、えっと、、、その~」
と何とか声を絞るも弱々しいこと限りなし。
「えぇ、、、なに、、、?」
訝しそうにこちらを見てさらに少女が問う。
「いや、、、その、、、危ないかなと思いまして。その、、、えっと、、、落ちますよそんなところにいたら」
出せる全力で言葉を繋ぐ。
「え?なに?なんて?」
距離があったのと声に全くハリがないせいで届いていない。少し歩みを進めて彼女に近寄る。
「あの、、、その、、、そこにいたら危ないと思いまして。お、落ちちゃいますよ?」
「うん、まぁそのつもりだし」
対照に淡々とあっさりと話す少女にどこか清々しさを感じる。
「え、いや、でも、ほら、下に人通ったらそれこそ迷惑だし、、、」
「そんなの私、知ったこっちゃないけど」
「お、俺もさ、その、なんていうか、クソみたいな毎日しか送ってないし見ての通り陰キャで友達もいなくてポンコツうすのろで、、、」
「うるさい、もういい?」
途中で遮られてしまった。
「じゃ、私もういくから」
「え、いやいいやちょっとまーーーー」
彼女はまた前を向くと柵に付いている手すりから手を離した。
まずいまずいまずい。こいつ本気だ。全力で駆け寄ると落ちる寸前の少女の腕を掴む。
「ちょっ!!!なに!!!きもいんだけど!!!」
「ご、ごめんなさい!!!いやでもマジでほんとに目の前でそんなことされたらトラウマもんだから!!!」
「うるさい!!!いーーからもう!!!離してーーーーあっ」
少女がバランスを崩す。このままだとほんとにまずい。ぐっと力を入れて引き寄せる。しかし、ひ弱な俺では力足らずだった。むしろ逆に少女に引っ張られてしまう。
「ちょっと!なにしてーーあぶなーー」
強張る少女の表情。

そして、悲劇が起きた。

俺はあろうことか身を乗り出したまま心許ない小さな柵を越え上半身を投げ出す形になった。

「いやっーーーまってーーー」
少女の声にならないような小さな悲鳴を聞いたまま俺はただならぬ浮遊感を得た。

え。嘘だろ。

そのまま柵の内側に戻ることは叶わなかった。投げ出された上半身に追随するようにして下半身も柵の外、空に吸い込まれていくように投げ出されていく。あとは重力に従うだけだった。掴んだ少女の腕から指が離れていく。

頭の中が真っ白になる。

あ。俺ここで終わりだわ。

最後に見た景色は屋上に取り残された少女が溢れんばかりに目を見開き阿鼻叫喚する姿だった。

身体が地面に向けて加速していくのを感じた。その刹那。フワッと意識が何かに吸い取られるようにして目の前が真っ黒に埋め尽くされた。


ーーーーーーー!?

ん?なんだ?
顔に何か当たる感覚がして目をゆっくりと開ける。

目の前は真っ白だった。仰向けに寝たまま、ぼーっと天を仰ぐ。何となく察しているが恐らくここはあの世だろうか。最期にしたのが人助けとはなんとも漫画とかアニメの主人公みたいだな、なんて思う。これからどうなるんだろうか。この真っ白に包まれた不思議な空間からこのままなのか。とりあえず身体を起こしてみる。裸なのかなと思ったが一応最期に着ていた制服のままだ。そのまま立ち上がり見渡す。真っ白な景色が続く中ぽつんと立つ扉が見えた。何だろうと扉に向かって歩み進める。古い木目調の扉に金色の取っ手がついている。
もしや、この先に異世界が広がっていたり?と内心、心を躍らせる。まぁもう現世に未練はないしポンコツな俺があの先幸せになるとも思えない。ここはひとつ異世界にでも転生して優雅な生活を送ろう。できればチート能力ももらってハーレムなんて作っちゃおう。高鳴る心臓の音を感じながら取手を捻り扉開ける。まばゆい光が目の前を包み込む。ゆっくりと目を開けるとすでに風景は変わっていた。レンガに囲まれた西洋風の建物に辿り付いていた。何だここは。細長い通路を進むと広間についた。神秘的な雰囲気で正面に大きなステンドグラスが縦に広がる。カラフルな模様が施されて美しい。ステンドグラスを通した様々な色の光が照らす地面には謎の文字や柄が拵えてある。まさに異世界風な建物でワクワクした。周りには大きな白い扉が無数も取り付けてあり、どこかの宮殿かなにかなのかと推測される。広間の中心まで進んでみる。すると。

ガコッン!

地面から何か物音がした。

ゴゴゴゴゴゴ!!!!
と、けたたましい音と地面が揺れ出したと思うと下からレンガの台座と金色の装飾が施された赤い玉座が現れた。慌てて後ろに一歩引く。

カツカツカツ、、、
今度は台座と玉座の間辺りから誰かの足音が聞こえる。恐る恐る覗き込むと地下へと続く階段が見えた。誰かが上がってくる。とりあえずここで待っていよう。後ろに下がりしばらくすると声が聞こえてきた。

「はーー!やれやれ!何であたしがこんなこと!」
と、悪態をつきながら階段を上がり出てきたのは水色の長い髪を後ろに束ね青を基調とした見たこともない民族衣装のような長い衣服を着た女性現れた。赤い瞳に切れ長の目、顔のパーツは端正に整っていた。まさに異世界人!という風貌で興奮が止まらない。恐らく女神か何かだろうか。
「ん?あーあんたが次の魂ね」
こちらをジトッと見ながらそう呟いた。
俺のことで間違いなさそうだ。
「あ、は、はい!多分、俺やっぱりもうあの世に来ちゃった感じですよね?」
「あーまぁそんな感じね。えーと」
パンッ!と乾いた音を鳴らしながら手を叩くと何やら太い書物が手の中に現れた。赤茶色のカバーがしてあり金の文字が刻まれている。早速魔法のようなものを目の当たりにして高揚感が止まらない。
「野暮快翔、、、17歳ね。ふーん。なるほど、つまないページねこれ。ほぼ何も書いてないわ」
改めてこんなところでも言われると傷つく。
「あぁ、まぁ、そうなんですよね。俺ってほんと何もなくて、、、だから、、、その~」
「ん?なに?」
「これからちょっと新しい人生に向き合って頑張っていこうかなと」
「なにそれ?どういうこと?」
「え?ほらあのこれってあれですよねこれから異世界に転生とかそういう感じですよね?」
「はぁ、、、まぁあるわねそういうの」
「だからあのもう早いところ転生したいんですよね。あ、なんか能力とかって貰えたりするんですか?」
性に合わずにベラベラと話始めてしまう。今はとにもかくにも早く夢にまで見た異世界生活を送りたいのだ。
「は?ないわよそんなの」
ん?え?なんて?呆気に取られて間抜けな顔を晒す。
「なによそんな顔して。当たり前じゃない」
「え?どういことですか?異世界転生されるんじゃないですか?」
「ぷっ!あっはっはっはっはっ!え?ほんとにそんなことできると思ったの?」
「はい?」
「いやいやそりゃまぁあるわよ?異世界への転生はさ。でも~~あんた身の程分かってる?」
「み、身の程、、、」
「あんたみたいな無能クソ陰キャが簡単に異世界転生できると思うなよカス!」
「えぇ、、、!?!?」
「当たり前でしょ。異世界転生ってのは前の世界である程度功績を残していたり誰かの役に立ったっていう、まぁつまり、徳を積むってやつよあんたの世界でいうところのね。そういうのを踏まえて異世界転生がきまんのよ」
「いや、でもほら俺は飛び降りようとした女の子の身代わりになったわけだし、、、」
「何いってんの?別に頼まれてもないのにそんなことしてさ。あんたのエゴでしょ?とにかくまぁないから、あんたには」
「えぇ、、、そこを何とか、、、」
このままでは異世界転生のハーレム生活が夢のまた夢になってしまう。
「あのね~~現実世界でパッとしない、な~~んにもできやしないしょうもないやつが異世界で転生してチート能力使って無双してハーレム作るとか夢物語、きっつい妄想すぎんのよ!そんなのあるわけないでしょ?創作の読みすぎよ!無能で何にもできないあんたが異世界に転生なんてできるわけないでしょ!したところで無能は無能!」
「嘘だろ、、、そんなの、、、」
「まぁ、当たり前でしょ。そんな虫のいいことあるわけないんだから!悔い改めよ!悔い改めよ!まぁ悔い改めるって言ったってしょうがないけどね」
と、指を突きつけられてしまった。
「はぁ、、、えぇ、、、じゃこれからどうなるんですか俺」
「ん~~そうね、まぁ別に危害を加えたりとか人に迷惑かけたりとかそこまでしてなから、、、あ、まぁ無能すぎてコンビニアルバイト3日でクビになってるわね。まぁいいけど。だから、天界にはいけるわよ」
「天界、、、まぁ悪くはないですが。その天界では何するんですか?」
「毛よ」
「毛?」
「そう。天界に住む天界人の尻尾にある毛ね」
「尻尾にある毛」
「尻尾にある毛よ」
「絶対に嫌なんですけど」
「無理ね。たいしたことしてないんだから。妥当よ」
「あの今から入れる保険ってありますか?」
「ないわね」
「えぇ、、、そんなぁいやえぇ、、、毛、
、、」
「まぁそういうことだから、じゃあ後ろの扉が開いたらさっさと行ってね」
「、、、」
「なによ」
「これ行かなかったらどうなるんですか」
「え?いやまぁここに残って魂が勝手に消えて終わりね」
「、、、わかりました。じゃあそれでいいです」
「はい?」
「天界人の尻尾の毛になるくらいならここにいて勝手に消えます」
「、、、えぇ、はぁ?消えたらそれこそ何も残らないわよ?」
「いやそれでいいんで、俺ここに残ります」
「はぁ、えぇ、めちゃくちゃ邪魔なんですけど」
「じゃあ異世界転生させてください」
「だから無理っていってんでしょクソ陰キャ」
「じゃあここにいますね」
「、、、はぁ、、、わかったわよ、、、じゃあここにいれば?」
「え?いいんですか?」
「いいもなにもあんたがそういうのならいいけど。それしかないし。はいこれ」
と、渡されたのは砂時計だった。上下逆さまにしても砂の流れは変わらない不思議な砂時計だった。
「その砂が落ち切った時、あんたの天界への道は消えて魂も消滅するわ。わかった?それまでに毛になる心構えでもしときなさい」
「わかりました。ありがとうございます」
「それじゃあ私、行くから」
と、踵を返そうとしたその瞬間だった。
「ちょっと待つプ!!!」
ん?なにか甲高い声が聞こえる。
「うげ!!!なんでこんなところに!」
苦虫を噛み潰したような顔をしている。
後ろから変な赤い小鳥が飛んできた。
「ここに残るって変なこというやつだプ。こんなところにいてもなんにもないゾ。ほんとにいいプか?」
変な喋り方だなと思いながらも深く頷く。
「ちょっと、なにしにきたのバロン」
どうやらバロンというらしい。
「暇だから来たプ。それよりこいつの処遇を考えるプ」
「処遇ったってこのまま放置でしょ」
「そういうわけにもいかないプよ。ここ最近アラードにおける魔力調整が不安定になってきていることはおまいも知ってるプよな。このまま魂の維持を続けるのもあまりよくないプ」
「じゃあさっさと天界にぶち込めばいいってこと?」
「それは規則違反だプよ!」
「分かってるわよ。じゃあどうしろっていうの」
「女神アノアでさえ思いつかないプか?」
あ、この人やっぱり女神だったのか。そしてアノアって名前なんだな。というかアラードってなんだ?
「あの、、、えっと、、、話の腰を折るようで申し訳ないんですが、アラードってなんですか?」
「アラードはこの場所のことだプ。魂となった者たちの処遇を決める場所だプね。そしておいらはこのアラードの主人の使い魔バロン。そしてこいつはアラードの主人に仕える女神アノアだプ」
「別に仕えた覚えなはいんですけどね」
「うるさいプ。とりあえずこのままだと面倒なことになるプ。方法は1つプね」
「はぁ、、、わかったわよ」
「え?なにか方法があるんですか?」
「あんたが面倒なこというからこうなったのよ。あんたがどうにかするのよ」
「え?俺がですか?」
「そうプ!おまいはこのアラードの主人に仕えて魂が消えるまでここで仕事をしてもらうプね!そうすればここの住人としておまいを存在させることができるプ。魂の維持に必要な魔力もそれなら必要ないプね」
「無能に何ができるか知らないけどね。でもまじで使い物にならなかったらそんときは考えるから」
何という展開だろうか。ある意味これは異世界転生生活ではないか。と、してやったり(なにもしてないが)の表情を浮かべる。

こうしてここ魂の処遇を決める場所であるアラードで無能なりに働くこととなったのだ。
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