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う~ん、どっちをとろう?それじゃダメか?
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「コリアンダー公爵様には、悪い事をしたと思っています。決して嫌いになったというわけではなく・・・今でも、立派な方だと思っていますし、私のような者に良くしていただいたことを感謝しております。あのような方と結ばれたデュナ様が羨ましく思うほどですわ。でも、ミカエル様をお慕いする、愛する気持ちがより強くなってしまい・・・、本当にひどい事をしてしまったと後悔しています。」
何を言いたいのよ、この女は?そんなことを言うくらいなら、乗り換えるな、婚約破棄するな!羨ましい?返してなんてあげませんからね!涙ぐんでもだめですからね。でも、見事な金髪の、天使見たいに純情そうでいて、小悪魔的な可愛らしい顔だと、思わずじゅんっきちゃうな。
私達は、パパイ大公夫人ゼハンプリュのサロンに招かれた二日後、王太子妃ガマリアの主催するサロンに招かれて、訪れることになった。
彼女のサロンは、庶民的ではあるけど、少しけばけばしいほどに派手な物が置かれ、飾られていたわ。由緒あるものよりは新しい豪華なものが多かったし、由緒あるというものも金で買ったというものが多かったわ。それでも、古色蒼然、決して豪華ではないけれど、由緒ある品のいいものも少数、ふと気が付くところに置かれていたわ。彼女の趣向よね、そんなところは感心するわ。そすがだわ、そういう娘だったわね。
そして、それらはブード伯爵家に伝わる、零落しながらも、家財を売り払ってなんとか・・・という時期が続いて中でも必死に守り抜いた物。貴族の意地、プライド、吟じというところよね。そんなところは、共感するわ。
でもいくつかは、ブルべエリ男爵が買い戻した物もあるんだけど、そのことはちゃんと説明しているわね。隠さないところは、かえって好感を感じさせるわね。
珍しい外国製のものやら、成金趣味的なところも散見されるけど、何とかぎりぎり我慢できる、きれい、珍しいと思う程度に抑えているわ。なかなかやるわね。
食事も飲み物も、そして、芸術家や哲学者達も最近、市民だけでなく貴族のあいだでも人気・・・ばかりのだったわ。それらが、騒がしいほどに、これでもかというくらいだったけど、騒がしいけど、にぎやかで楽しいという感じでまとめている。上層市民、新興法服貴族、進歩派貴族の側に沿った雰囲気を醸し出していたわね。
微温的な進歩的改革に終始しているミカエル殿下に、寄り添ったというか、応援しているというか、合わせているというか、彼女なりに頑張っているわけなのかもしれない。コリアンダー公爵家の義母や叔母達のサロン、そしてサムロの下に通ってくる思想家なんか人民全体に選挙権を与えられるべきだとかかなり過激なことを主張するのがいたり、芸術家でもアカデミーから、全く無視、敵視さえされるような連中もいるけど、母上のサロンもそんなところがあるわ。だから、彼女達を招いた私のサロンでも、そういう連中がやってきていたわ、騒がしくても、なかなか面白いものだったわ。悪く言えば、選んでいない、雑多に集めている、方向性がないということになるかしら?サロンとしては、ちょっとマイナス点と見ることもできるわね、確かに。サロンを主催する者は、自分のサロンを作るものだから。でも、そうでない場合が多いけどね、とにかく豪華とか、人気のある物・人で・・・と、それはそれで方向性、性格がはっきりしているともいえるかもね、だけど。
でも、ガマリアのサロンでは、そういう連中はいなかった。わりと穏健な思想家やアカデミーの中の新進気鋭、
保守的、伝統的な主流派とは対立しているけど、ある意味、その枠組みから外れていない者達ばかりで構成されている。夫思い、夫の進歩性を後押ししている、そのシンパ造りというところ、健気よね、って感じちゃう。
サムロは、ミカエル王太子の側近達と剣の試合を始めたわ。その前まで、ミカエル王太子と熱心に話をしていたわね、側近達も加わっていたわ。最近の社会情勢や国内改革について話していたそうだ。二人は割合親しい仲だし、彼の側近達とも親しいから、まあ、この場合は仲間どおしの和気あいあいの遊びといったところかしら?彼らの顔にも、そう書いてあるわ。パパイ大公様の家臣達との立ち合いとは、全く違うわね。
「ミカエル殿下は、いつも明るくふるまっておられますが、悩んで苦しんでおられるんです。国民皆が、満足する国政というのは、本当に難しいのです。そんなことは、お分りのことですわね。ですから、サムロ様ともども、殿下を支えていってほしいのです。ゼハンプリュ様には、大変申し訳ないことをしてしまいましたが、パパイ大公様は、あの方の悲しみを利用して、野心を・・・あなたを簡単に捨てても・・・尽くされてきたあなたを捨てて・・・。ゼハンプリュ様も利用して・・・あの方も可哀想ですわ。心から同情しております。私が・・・。」
涙まで流しちゃって。いうに事欠いてパパイ大公様に野心があるなんて、誹謗中傷よ、そんなの!大体、元凶はあなたでしようが!あなたさえ、こんなスキャンダルを起こさなければ、こんなことにならなかったのよ、この馬鹿女!あ、でも、それじゃ、サムロとは・・・あんなことやこんなことをサムロがガマリアと・・・それも何だか、とっても嫌だわ。う~ん、私ってもしかしてすごく欲張り、我がまま?
両手で私の両手を握り締めて、救いを求めるような、捨てられた猫が見つめるような目で見られても・・・、何と言って逃げようか?
「我がピール大公家は・・・コリアンダー公爵家も・・・王家の、国の近衛、忠義の家です。それは、私も夫も変わりなく、受け継いでいますわ。」
にっこりとしているわよね。
「私、夫に加勢しにいきますわ。」
と私が立ち上がろうとすると、
「それでは久しぶりに、お手合わせいたしませんか?私も夫の部下達に加勢しようと思いますから。」
「それはよろしいですわね。」
ということで、私達は男達の喧騒の中に加わった。サロンは、やんややんやの喝采となった。その意味では、庶民的かも。ガマリアは、腕が落ちてはいなかったわ。鍛錬おこたりないようね、ミカエル様のため?
彼女は、サムロとも木剣を交えたけど、視線も交わして・・・何よ、その目は、二人とも!自分の相手の剣を避けると二人の間に割り込んで、引き離して、サムロと肩を並べたの。それからは、肩を並べ、背を合わせて、絶対離れないようにしてやったわ。それに彼も協力して動いてくれたわ。
「君には悪いことをしたと、今でも心を痛めているんだ。こうやって、君がデュマ嬢と幸せに暮らしているのを見ると嬉しいよ、そしてホットする。彼女のような美しく、聡明な女性を妻にした君が羨ましいくらいだ。あ、勿論、ガマリアのことは愛しているよ、心から。だから・・・私達を、王家を、国を支えてほしい。パパイ大公には・・・ゼハンプリュには悪い事をしてしまったと思っている・・・彼女を利用して野心を・・・私のために彼女を不幸にしたと思うと・・・心が痛い。」
ミカエル殿下は、別れ際にそんなことを言ったわ。本当に、みの夫婦は~。
「我が両家は王家の、国の、国民の近衛、忠義の家であり、私達はその心を受け継いでおります。」
サムロ、まさか聞いていたの?
サムロは、試合を終えた後、巧みに寄り添ってきた、一時的に私が離れた時だったわ、二人っきりで話をしたわ。彼女は、
「私は恨まれても仕方がないと思っておりますわ。でも、ミカエル殿下はのことは恨まないでください。支えていただきたいのです。それに、パパイ大公様は、あなたをデュナ様を奪ったと、言われもない、言いがかりのような恨みを抱き、誹謗中傷しています。ゼハンプリュ様も、デュナ様に、大公様がそんなですから、不快な気持ちを持っておられます。あの方は利用され、このようなことに・・・全て私がミカエル殿下を愛したために・・・あの方を不幸にしてしまったと・・・。どうか、彼女は恨まないでください。」
と涙目で語ったそうだわ。何、身勝手な言い分。サムロは何て言ったのよ。
「私とデュマは、こうなったことは幸運だと思っています。誰も恨んでいません、私達は。そして、誰の悪意も平気です。」
まあ、うまく胡麻化したわね。この悪党!
何を言いたいのよ、この女は?そんなことを言うくらいなら、乗り換えるな、婚約破棄するな!羨ましい?返してなんてあげませんからね!涙ぐんでもだめですからね。でも、見事な金髪の、天使見たいに純情そうでいて、小悪魔的な可愛らしい顔だと、思わずじゅんっきちゃうな。
私達は、パパイ大公夫人ゼハンプリュのサロンに招かれた二日後、王太子妃ガマリアの主催するサロンに招かれて、訪れることになった。
彼女のサロンは、庶民的ではあるけど、少しけばけばしいほどに派手な物が置かれ、飾られていたわ。由緒あるものよりは新しい豪華なものが多かったし、由緒あるというものも金で買ったというものが多かったわ。それでも、古色蒼然、決して豪華ではないけれど、由緒ある品のいいものも少数、ふと気が付くところに置かれていたわ。彼女の趣向よね、そんなところは感心するわ。そすがだわ、そういう娘だったわね。
そして、それらはブード伯爵家に伝わる、零落しながらも、家財を売り払ってなんとか・・・という時期が続いて中でも必死に守り抜いた物。貴族の意地、プライド、吟じというところよね。そんなところは、共感するわ。
でもいくつかは、ブルべエリ男爵が買い戻した物もあるんだけど、そのことはちゃんと説明しているわね。隠さないところは、かえって好感を感じさせるわね。
珍しい外国製のものやら、成金趣味的なところも散見されるけど、何とかぎりぎり我慢できる、きれい、珍しいと思う程度に抑えているわ。なかなかやるわね。
食事も飲み物も、そして、芸術家や哲学者達も最近、市民だけでなく貴族のあいだでも人気・・・ばかりのだったわ。それらが、騒がしいほどに、これでもかというくらいだったけど、騒がしいけど、にぎやかで楽しいという感じでまとめている。上層市民、新興法服貴族、進歩派貴族の側に沿った雰囲気を醸し出していたわね。
微温的な進歩的改革に終始しているミカエル殿下に、寄り添ったというか、応援しているというか、合わせているというか、彼女なりに頑張っているわけなのかもしれない。コリアンダー公爵家の義母や叔母達のサロン、そしてサムロの下に通ってくる思想家なんか人民全体に選挙権を与えられるべきだとかかなり過激なことを主張するのがいたり、芸術家でもアカデミーから、全く無視、敵視さえされるような連中もいるけど、母上のサロンもそんなところがあるわ。だから、彼女達を招いた私のサロンでも、そういう連中がやってきていたわ、騒がしくても、なかなか面白いものだったわ。悪く言えば、選んでいない、雑多に集めている、方向性がないということになるかしら?サロンとしては、ちょっとマイナス点と見ることもできるわね、確かに。サロンを主催する者は、自分のサロンを作るものだから。でも、そうでない場合が多いけどね、とにかく豪華とか、人気のある物・人で・・・と、それはそれで方向性、性格がはっきりしているともいえるかもね、だけど。
でも、ガマリアのサロンでは、そういう連中はいなかった。わりと穏健な思想家やアカデミーの中の新進気鋭、
保守的、伝統的な主流派とは対立しているけど、ある意味、その枠組みから外れていない者達ばかりで構成されている。夫思い、夫の進歩性を後押ししている、そのシンパ造りというところ、健気よね、って感じちゃう。
サムロは、ミカエル王太子の側近達と剣の試合を始めたわ。その前まで、ミカエル王太子と熱心に話をしていたわね、側近達も加わっていたわ。最近の社会情勢や国内改革について話していたそうだ。二人は割合親しい仲だし、彼の側近達とも親しいから、まあ、この場合は仲間どおしの和気あいあいの遊びといったところかしら?彼らの顔にも、そう書いてあるわ。パパイ大公様の家臣達との立ち合いとは、全く違うわね。
「ミカエル殿下は、いつも明るくふるまっておられますが、悩んで苦しんでおられるんです。国民皆が、満足する国政というのは、本当に難しいのです。そんなことは、お分りのことですわね。ですから、サムロ様ともども、殿下を支えていってほしいのです。ゼハンプリュ様には、大変申し訳ないことをしてしまいましたが、パパイ大公様は、あの方の悲しみを利用して、野心を・・・あなたを簡単に捨てても・・・尽くされてきたあなたを捨てて・・・。ゼハンプリュ様も利用して・・・あの方も可哀想ですわ。心から同情しております。私が・・・。」
涙まで流しちゃって。いうに事欠いてパパイ大公様に野心があるなんて、誹謗中傷よ、そんなの!大体、元凶はあなたでしようが!あなたさえ、こんなスキャンダルを起こさなければ、こんなことにならなかったのよ、この馬鹿女!あ、でも、それじゃ、サムロとは・・・あんなことやこんなことをサムロがガマリアと・・・それも何だか、とっても嫌だわ。う~ん、私ってもしかしてすごく欲張り、我がまま?
両手で私の両手を握り締めて、救いを求めるような、捨てられた猫が見つめるような目で見られても・・・、何と言って逃げようか?
「我がピール大公家は・・・コリアンダー公爵家も・・・王家の、国の近衛、忠義の家です。それは、私も夫も変わりなく、受け継いでいますわ。」
にっこりとしているわよね。
「私、夫に加勢しにいきますわ。」
と私が立ち上がろうとすると、
「それでは久しぶりに、お手合わせいたしませんか?私も夫の部下達に加勢しようと思いますから。」
「それはよろしいですわね。」
ということで、私達は男達の喧騒の中に加わった。サロンは、やんややんやの喝采となった。その意味では、庶民的かも。ガマリアは、腕が落ちてはいなかったわ。鍛錬おこたりないようね、ミカエル様のため?
彼女は、サムロとも木剣を交えたけど、視線も交わして・・・何よ、その目は、二人とも!自分の相手の剣を避けると二人の間に割り込んで、引き離して、サムロと肩を並べたの。それからは、肩を並べ、背を合わせて、絶対離れないようにしてやったわ。それに彼も協力して動いてくれたわ。
「君には悪いことをしたと、今でも心を痛めているんだ。こうやって、君がデュマ嬢と幸せに暮らしているのを見ると嬉しいよ、そしてホットする。彼女のような美しく、聡明な女性を妻にした君が羨ましいくらいだ。あ、勿論、ガマリアのことは愛しているよ、心から。だから・・・私達を、王家を、国を支えてほしい。パパイ大公には・・・ゼハンプリュには悪い事をしてしまったと思っている・・・彼女を利用して野心を・・・私のために彼女を不幸にしたと思うと・・・心が痛い。」
ミカエル殿下は、別れ際にそんなことを言ったわ。本当に、みの夫婦は~。
「我が両家は王家の、国の、国民の近衛、忠義の家であり、私達はその心を受け継いでおります。」
サムロ、まさか聞いていたの?
サムロは、試合を終えた後、巧みに寄り添ってきた、一時的に私が離れた時だったわ、二人っきりで話をしたわ。彼女は、
「私は恨まれても仕方がないと思っておりますわ。でも、ミカエル殿下はのことは恨まないでください。支えていただきたいのです。それに、パパイ大公様は、あなたをデュナ様を奪ったと、言われもない、言いがかりのような恨みを抱き、誹謗中傷しています。ゼハンプリュ様も、デュナ様に、大公様がそんなですから、不快な気持ちを持っておられます。あの方は利用され、このようなことに・・・全て私がミカエル殿下を愛したために・・・あの方を不幸にしてしまったと・・・。どうか、彼女は恨まないでください。」
と涙目で語ったそうだわ。何、身勝手な言い分。サムロは何て言ったのよ。
「私とデュマは、こうなったことは幸運だと思っています。誰も恨んでいません、私達は。そして、誰の悪意も平気です。」
まあ、うまく胡麻化したわね。この悪党!
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