婚約破棄された悪役令嬢に辺境大公(私の婚約者)を寝取られました

転定妙用

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私達の選択は・・・先送り

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 どうして、彼が、夫が、サムロがいやらしい手つきで私の下着を脱がすことになるのか?彼は、嫉妬すると、特にいやらしい手つきになるのよね。私は、彼に嫉妬される言われはないのに、よ。大体、女達に鼻の下を伸ばしているあなたの方がずっと悪いと思わない。そう思うと、乱暴に彼の下着を脱がしてしまうのよね、私ったら。
「なあ、君は俺を捨てて、パパイ大公のもとに行くかい?側室でもいいかい?ゼハンプリュ様と四つん這いで並んで、一緒に並んで愛されたとしても満足かい?尻を振りを競って、私の方を選んでと懇願合戦でもするのかい?ピール公爵家もコリアンダー公爵家も、彼はほしいけど、俺はいらない。俺を、君の夫でいることは許さない。」
「な、なに言ってるのよ?あなたこそ、卑猥な妄想を延々と言わないでよ!私がそんな女だと思うの?だいたい。」
 唇を貪りあいながら、私は反論した。
「あんたが、が、ガマリアに未練があるのは、わ、かっているんだからね。そ、その上、ゼハンプリュにまで、手をだそうとしているの?図星でしょ?そ、それに、イチジークにだって、いやらしい下心を持っているんでしょ?どうなのよ?これまた図星でしょう?」
 まるで喧嘩する、いえ、論争するために抱きしめ合っているようじゃない?睦事じゃなくても・・・。
「あるかもな・・・。でも、俺はお前を愛しているよ。いや、愛することにしたんだ。それだけだ。」
「わ、私こそ、あなたとやっていくことを決めたんだから。」
「そうか。どちらにしても、あの3人が、俺を求めることは・・・ないだろう。だが、大公閣下はどうかな?」
 私に問うような目を向けて、私を抱きしめていた。私は対面して、彼の上に跨っていた。大公様は?全く二人の間には悪い噂はない。夫婦仲はいい、という噂だ。二人の並ぶ姿を見た印象では、仲は睦まじいものだった、印象では。それに、仲が悪ければ、それなりの噂がたつものだ。そのような噂は、全く聞かないのだ。ゼハンプリュは魅力的だし・・・。わ、私だって負けていないわよね、絶対負けていないわよ・・・私の方がずっと魅力的よ…よね?
「ああ、負けていないさ。俺は夢中だし、頼りにしているし、共犯者だ。」
 わ、私の心が分かると言うの?
「でもな、大公様はな。」
 大公様、というところに、ひどく嫌みを、悪意を、こめているわね。それで何?どちらを選ぶというの、大公様は?
「両方ともだよ。」
 え?やっぱり二人並べて?
「二人とも選び、俺を殺し、全てを手に入れる。その後は、捨てる…かもしれない。」
 そ、そ・・・大公様は、そんなお方では・・・な、い・・・はず・・・。いえ、そうね・・・そういう力を、強さを持つお方だったから・・・。私は、喘ぎ声をだしながらも考えていたわ。
「そ、そんなこと・・・私は望まないわよ。私は、あなたと地獄にだって一緒に行くわよ。」
 喘ぎながらも、私は何とか答えてやった。
「ああ、俺と共に地獄で野垂れ死のう。」 
 地獄なの、私達?そうね、その方が似つかわしいわね、あんたとの関係は…。
  
 そのまま私達は、肝心なことを忘れて動いた。どちらにつくかを、考えることを忘れていた。激しく、愛しあった?

 私は、パパイ大公様にゼハンプリュと並んで寝かされて、比べられるように、味比べされるように交互に抱かれているような錯覚を見ていた。
「わ、私を選んで!わ、私の方がいいと言って下さい!」
と声をあげていた。同じことを、ゼハンプリュが叫んでいるのが、耳に響く。私の喘ぎ声を打ち消すような、ゼハンプリュの喘ぎ声を、それを打ち消すように私の喘ぎ声が大きくなり、それを…。彼女の体が、私の体に触って、彼女の動きが伝わってくる。そんなリアルな錯覚が、幻想、幻聴を感じながら、私はサムロに抱かれて動いていた。サムロが、ガマリアとイチジークと比べながら動いているようにも感じたし、その幻想も目の前に現れていた。至るところで、私は負け、勝ち、引き分けていた。
 気が付くと、私は荒い息を肩でしているサムロの上で息絶え絶えになっていた。

 翌日、私達は野営地、演習場を後にした。が、
「昨晩は、凄かったですね。あれだけの轟音を出すほどの重砲の数があったら、それだけで無敵ですよ。」
などと言われてしまったわ。
 まったく…。まあ、確かに異常な乱交のような幻覚の中で、今までになく激しかった、快感を感じまくったから、弁解できないかもしれないけど…。確かに、声は、振動は何時も以上に大きかったかも…。

 これも噂になるんでしょうけど、パパイ大公様はどう思うのかしら?ゼハンプリュは…あの幻想の中では、彼女は私を嫉妬で睨みつけていたけど…私も同じ?…。とにかく、私達二人は仲良く馬を並べて、手をつないで馬を進めたわ、その帰りの道筋で、両家の部隊を引き連れて。

 ところで、サムロの方はどうだったのだろうか?後で白状させないとね。ただ、私も白状しなければならなくなるけど…。
 どちらにせよ、地獄の何処に行くかの選択を、しなければならない気がするわ、いつか。でも、決断はまだできなかった、私達は。先延ばしを続けるしかなかったのよ。

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