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どうせこうなるなら、きれいなままで結婚したかった。②
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そして、その夜はもちろん結婚初夜。とにかく持ち込んだ、私の荷物は半ば置いたままの状態になったけど。お互いに、大公様とは違う、ガマリアとは違うと思いながら、同時に嫉妬しながら、激しく求めあっちゃった。すっかり、目の下に大きな隈を作って、その声が王都中に響き渡った、なんていう噂まで流れて・・・。そして、大急ぎで本格的な結婚式、結婚披露宴をそれぞれの領地で、少し前から内々に準備を始めていたのよ、挙げるため翌々日には出発したわ、王都を。
その壮行式、親しい知り合いたちが急いで駆けつけてきて、激励、揶揄いも多かったけど、まあ、目の下に隈をつくってしまっていたからしかたがないけど。それもこれもサムロが何回も求めて来るからよ、私の体が素晴らしいからといっても・・・全てあんたが悪いのよ。え?私から何度もおねだりしたって?そんなこと・・・あったかしらな?・・・たしかにあったわね・・・。
その中に、イチジーク書記官がいたのには、さすがに驚いたわ。正真正銘の一般市民の特待生で文武両道、全て学年トップ、自治会長に選出され、その会長としての辣腕、活躍ぶりは既に神話化しているほどで、今は書記官として辣腕を発揮、活躍、国王陛下、王太子殿下の信任も高く、進歩派市民からの幅広い支持、信頼を得ている、私より七学年先輩で、私より少し背丈がある、赤い髪のりりしい美人。その彼女が、
「コリアンダー公爵には、自治会時代副会長として、常に支え、助けていただいた。彼無しには、私は何一つできなかった。出会った時、こんな奴、身分だけの奴を自治会、副会長にと不快に思った自分の未熟さは、今でも私の黒歴史ですよ。」
とか言うのには驚いちゃった。確かに言われてみると、同学年なのよね、この二人。
「私は、単に一部の貴族達の跳ねっかえり対策のために、副会長の座に座っていただけですよ。」
と苦笑い、会長、リップサービスが過ぎますよ、という感じのサムロに、
「コリアンダー侯爵閣下。謙遜も過ぎれば、非礼に当たりますぞ。」
と窘める書記官。なんか親しい間柄の掛け合い漫才みたいで、何か腹がたってきたわ。
「なんかあったのかな~?」
と睨む私に、
「ないない。」
と小さく首を振る彼。本当かしら?まあ、格が違い過ぎるしね、この二人。
そんな私達の雰囲気を、察したのか、別れ際に私の側に来て、耳元で、
「彼は婚約者一筋で、悔しいくらい、私には一顧だにしませんでしたよ。でも、結局、彼女も、私も、彼と共に立ち、支えることはできなかった・・・あなただからこそ・・・その座に就くのが相応しいと心から思いましたよ、今。」
と囁いたわ。どういうことかしらね?
その夜、ベッドの中で責めて、拗ねてやったし、翌日の馬車の中でも責めてやったけど。
私達の二人の領地での2回の狂乱宴が始まり、そして終わった後、私達は悩むことの多い日々が始まってしまったいたわ。
ブルペリエ男爵に対して、ガマリアの曽祖父の爺さんに、サムロはこの離婚でも彼に与えた領内での商業権は取り消さないし、私はピール公爵家領でも認めることを約束して実行し、彼はコリアンダー公爵家への資金提供を続け、かつピール家にもすることを約束したわ。私達は、はっきりパパイ大公閣下とは敵対まではいかないけど、決別したわけだし、カーキ家も同時に敵にしてしまったわけだから、王家、ミカエル様との提携を図りたいと考え、爺さんはかわいい孫娘のため、私達を掴んでおきたい、懐柔したい、取り込みたいと思って、つまり利害が、思惑が一致したわけ。
そして、2人して、両家の富国強兵にまい進することになったわ。もちろん、富国強兵のためには領民を豊かにしないといけないし、要望もとりいれないといけない。兵役に、後方支援でも、つけば選挙権を与えてというふうに改革を進めて、結果としては国民議会より選挙権の範囲はかなり広くなって進歩派貴族の筆頭になったわ。もともと政府より進歩的改革が進んでいたけどね、性格上、私達は少しその進捗を速めただけだけど。かといってそのまま進めるわけにはいかないから、コリアンダー領内では貴族・聖職者からなる元老院、公爵が任命する枢密院を置いているし、ピール家領内では議会は市民枠、貴族・聖職者枠があるし、ピール公爵が任命する議員からなる上院を作ったわ。元老院は貴族・聖職者が主体だけど、議会からの推薦者枠が設けられているし、枢密院もそうなっている上に、サムロ自身が進歩派を任命もしている。上院も同じ。そして、どれも議会が罷免を要求できることにしている。議会対応とか、法律、制度に基づくというのは、骨が折れる、苦労ばかりが多いけどね。
そして、比較的連年の不作の影響、複雑な新旧両勢力の対立とかから比較的影響が少なかった、私達の領内では。
でも、それだけに、パパイ大公閣下の圧力が強くなったわ。結婚してしばらくして、私達二人の両親が、ほぼ時を同じくして死去した。既にサムロが公爵の地位を継いでいたコリアンダー公爵家の場合ですら、親戚筋を中心に自分の権利を主張する者が相次いだわ。ピール家の方は、父は現役バリバリだったし、後継者となっている私の弟は、まだ12歳。妹は学生。とりあえず、私が、弟が20歳になるまでの間、代理として私がピール公爵として領地を統治することになって、議会からも承認を得たわ。それに対する異議を持ってくる者が相次いだことと言ったら・・・。中には、自分こそ私の弟の後見役、公爵代理だと言い出して、乗り込んでくる奴までいたわ。ご丁寧なことに、パパイ大公様にも認められているなんて付け加えてね。あんた~、馬鹿じゃない?老若男女問わず、そんなのが相次いだわ。挙句の果てに、パパイ大公に一時的に統治して貰おうなどと言いだし、それを受けて、
「そのような状態とは・・・、妻のためにも、その要請に応えてもいい。」
とかパパイ大公様がおっしゃったとか、おっしゃらなかったとか。
まあ、そんな輩はきっちり処分してやったわ。処分を言い渡したら、正直にも、
「パパイ大公様に訴える。」
とか言ってくれたわ。は~。
今までの関係からこういうことは分からないでもないけど、コリアンダー公爵家内ではそれほどではないけど、同様なことが起こったわ。サムロ、あなた大丈夫?
まあ、何とかそれは収まってくれたけど。
その壮行式、親しい知り合いたちが急いで駆けつけてきて、激励、揶揄いも多かったけど、まあ、目の下に隈をつくってしまっていたからしかたがないけど。それもこれもサムロが何回も求めて来るからよ、私の体が素晴らしいからといっても・・・全てあんたが悪いのよ。え?私から何度もおねだりしたって?そんなこと・・・あったかしらな?・・・たしかにあったわね・・・。
その中に、イチジーク書記官がいたのには、さすがに驚いたわ。正真正銘の一般市民の特待生で文武両道、全て学年トップ、自治会長に選出され、その会長としての辣腕、活躍ぶりは既に神話化しているほどで、今は書記官として辣腕を発揮、活躍、国王陛下、王太子殿下の信任も高く、進歩派市民からの幅広い支持、信頼を得ている、私より七学年先輩で、私より少し背丈がある、赤い髪のりりしい美人。その彼女が、
「コリアンダー公爵には、自治会時代副会長として、常に支え、助けていただいた。彼無しには、私は何一つできなかった。出会った時、こんな奴、身分だけの奴を自治会、副会長にと不快に思った自分の未熟さは、今でも私の黒歴史ですよ。」
とか言うのには驚いちゃった。確かに言われてみると、同学年なのよね、この二人。
「私は、単に一部の貴族達の跳ねっかえり対策のために、副会長の座に座っていただけですよ。」
と苦笑い、会長、リップサービスが過ぎますよ、という感じのサムロに、
「コリアンダー侯爵閣下。謙遜も過ぎれば、非礼に当たりますぞ。」
と窘める書記官。なんか親しい間柄の掛け合い漫才みたいで、何か腹がたってきたわ。
「なんかあったのかな~?」
と睨む私に、
「ないない。」
と小さく首を振る彼。本当かしら?まあ、格が違い過ぎるしね、この二人。
そんな私達の雰囲気を、察したのか、別れ際に私の側に来て、耳元で、
「彼は婚約者一筋で、悔しいくらい、私には一顧だにしませんでしたよ。でも、結局、彼女も、私も、彼と共に立ち、支えることはできなかった・・・あなただからこそ・・・その座に就くのが相応しいと心から思いましたよ、今。」
と囁いたわ。どういうことかしらね?
その夜、ベッドの中で責めて、拗ねてやったし、翌日の馬車の中でも責めてやったけど。
私達の二人の領地での2回の狂乱宴が始まり、そして終わった後、私達は悩むことの多い日々が始まってしまったいたわ。
ブルペリエ男爵に対して、ガマリアの曽祖父の爺さんに、サムロはこの離婚でも彼に与えた領内での商業権は取り消さないし、私はピール公爵家領でも認めることを約束して実行し、彼はコリアンダー公爵家への資金提供を続け、かつピール家にもすることを約束したわ。私達は、はっきりパパイ大公閣下とは敵対まではいかないけど、決別したわけだし、カーキ家も同時に敵にしてしまったわけだから、王家、ミカエル様との提携を図りたいと考え、爺さんはかわいい孫娘のため、私達を掴んでおきたい、懐柔したい、取り込みたいと思って、つまり利害が、思惑が一致したわけ。
そして、2人して、両家の富国強兵にまい進することになったわ。もちろん、富国強兵のためには領民を豊かにしないといけないし、要望もとりいれないといけない。兵役に、後方支援でも、つけば選挙権を与えてというふうに改革を進めて、結果としては国民議会より選挙権の範囲はかなり広くなって進歩派貴族の筆頭になったわ。もともと政府より進歩的改革が進んでいたけどね、性格上、私達は少しその進捗を速めただけだけど。かといってそのまま進めるわけにはいかないから、コリアンダー領内では貴族・聖職者からなる元老院、公爵が任命する枢密院を置いているし、ピール家領内では議会は市民枠、貴族・聖職者枠があるし、ピール公爵が任命する議員からなる上院を作ったわ。元老院は貴族・聖職者が主体だけど、議会からの推薦者枠が設けられているし、枢密院もそうなっている上に、サムロ自身が進歩派を任命もしている。上院も同じ。そして、どれも議会が罷免を要求できることにしている。議会対応とか、法律、制度に基づくというのは、骨が折れる、苦労ばかりが多いけどね。
そして、比較的連年の不作の影響、複雑な新旧両勢力の対立とかから比較的影響が少なかった、私達の領内では。
でも、それだけに、パパイ大公閣下の圧力が強くなったわ。結婚してしばらくして、私達二人の両親が、ほぼ時を同じくして死去した。既にサムロが公爵の地位を継いでいたコリアンダー公爵家の場合ですら、親戚筋を中心に自分の権利を主張する者が相次いだわ。ピール家の方は、父は現役バリバリだったし、後継者となっている私の弟は、まだ12歳。妹は学生。とりあえず、私が、弟が20歳になるまでの間、代理として私がピール公爵として領地を統治することになって、議会からも承認を得たわ。それに対する異議を持ってくる者が相次いだことと言ったら・・・。中には、自分こそ私の弟の後見役、公爵代理だと言い出して、乗り込んでくる奴までいたわ。ご丁寧なことに、パパイ大公様にも認められているなんて付け加えてね。あんた~、馬鹿じゃない?老若男女問わず、そんなのが相次いだわ。挙句の果てに、パパイ大公に一時的に統治して貰おうなどと言いだし、それを受けて、
「そのような状態とは・・・、妻のためにも、その要請に応えてもいい。」
とかパパイ大公様がおっしゃったとか、おっしゃらなかったとか。
まあ、そんな輩はきっちり処分してやったわ。処分を言い渡したら、正直にも、
「パパイ大公様に訴える。」
とか言ってくれたわ。は~。
今までの関係からこういうことは分からないでもないけど、コリアンダー公爵家内ではそれほどではないけど、同様なことが起こったわ。サムロ、あなた大丈夫?
まあ、何とかそれは収まってくれたけど。
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