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どうせこうなるなら、きれいなまま結婚したかった④
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パパイ大公様は、何を考えているのかしら?
「それは決まっているさ。ピール公爵家と君の体だよ。どちらも、大きな価値があるからね。」
とサムロ。
じゃあ、何の為に?とは問えなかったし、もし、それを質問したら、流石に彼も口ごもるだろうし、私は聞きたくないし、聞いたら否定したい、否定するだろう。
だが、私とピール公爵家を得ることを目的としているのか、コリアンター公爵家とサムロを潰すことを考えているのか、あるいは両方なのか、私達への圧力、コリアンダー公爵批判、弾劾要求は強まっていったわ。
「デュナ様。私も、国王陛下はあなた方の味方ですわ。」
いかにも天使のような顔で、小悪魔としか思えない王妃ガマリア様は、私の両手を握り締めて言ってくれたわ。本当は、あんたがミカエル様と密通なんかしていなければ、関係を復活なんかしなければ、こんなことにはならなかったのよ。みんなあなたのせいよ!と言いたいところなのだけど、もう、王家から擁護されなければならないのよね、だから我慢しないと。王家としても、財政難や連年の不作による不況から社会不安が拡大、新旧各勢力の複雑な対立でそれが一層ひどくなって、それと連動して、パパイ大公様の動きもあって政府、王家非難が高まっているからね。コリアンダー公爵家とピール公爵家の、つまりは私達二人の取り込みは必要不可欠だから、それをどういう形にしろ失うわけにはいかないという事情もあるわ。もう、共通の利害が一致している関係なのよね。
その上、ゼハンプリュとの離婚だけであれば、彼女は悲劇のヒロイン、パパイ大公様は、それを救ったヒーローか白馬の王子様だったのよね、でも、その場合の私はなんだろうか?になるけど。それが、私が離婚してサムロと結婚したから、2人が私を追い出してということになって、2人の人気赤丸急上昇に水を差してしまったわけ。その怒りがサムロに向けられているというところもあるかも、そう言うのはサムロだけど。
でも、割をくっているのはゼハンプリュかもしれない。最近のサロンや彼女に与えられたカーキ家やパパイ大公様の領地の経営では貴族や上流市民からなる進歩派の取り込みを狙っているという印象なのよね。パパイ大公様の要請なのだろうけど、サムロは命じているという言い方をするけど、大公様はそういう人ではないし・・・。サロンもなにもかも、ギクシャクしているという印象ね。さらに、彼女はサムロとしきりに接触するし、私にも、
「私は、あなた方の味方よ。王妃にだまされないように。」
と言うんだけど、昔と変わらない、よく言えば凛々しく、威厳があるのだけど、なに、その恩着せがましい、命令口調は、と反発しちゃうわよね、それでも私はにっこり笑っているけどね。だけど、あのゼハンプリュは?と思っちゃうんだけど、どうしてかしら?
イチジーク書記官にも、ラズベリエ男爵の爺さんにも、提携を図ったわ。
私のサロンで、私とガマリア王妃、イチジーク書記官との剣の立ち合いをするのが恒例化しているけど、いつもやんやの喝采なんだけど、それはまさにそれを示していたわ。
でも、私はどうしてもパパイ大公様と敵対することには、躊躇して胃が痛くなるほどだったわ。パパイ大公様は、かつては、私の人生そのものであったし、簡単にわりきれないわ。サムロも、そうなったら国は国内外の勢力争いの場となり、国土は荒廃するだろうし、自分も私も死ぬかもしれないということで悩んだ、やはり胃を痛くなるほど。
散々話し合って、それでも結論がでないで、その後のベットで後ろから抱かれて、彼の手で胸を揉まれ、項に舌を這わされながら、彼の上で動き、喘ぎながら、
「こんなに悩むなら、こんなことになるのなら、きれいなままで、あなたと結婚したかった。」
と叫んでしまったわ。
「今、一緒だからいいじゃないか?」
と彼は耳元で囁いて、激しく動いてくれたけど。長い時間の体のぶつけ合いの果てに、荒い息で、横向きに抱き合ってどうしたらいいか、分からないでいたわ。
卒業式でのダンスパーティーの後、パパイ大公様とゼハンプリュ嬢の背を見ながら、分かっているのに、やっぱり涙を流しながら、私は、小さな噴水と東屋の前に立っていたわ。
「また・・・来たわけだ。」
「遅いわよ。」
私達は見つめ合ったわ。
「ここで、今日、この時間にこうしているのは二度目よ、分かっている?」
私は、少し心配で震えていたわ。
「分かっているさ。君が、パパイ大公の腕を離さずに、しがみついている背中を何度も見たよ。」
と彼はため息交じりで言ったわ。それで完全に私は、安心したわ。
「あなたは、ゼハンプリュ嬢やガマリア嬢、イチジーク書記官と浮気しまくったくせに。」
私は言ってやったわ。やっぱり思い出すと、腹が立つわよね。その時は彼も私と、ここで出会い、結ばれたことなどの記憶も、事実もなかったんだからとはわかっているんだけど、面白くないのは仕方がないでしょう?彼も反論しようとしたけど、やめることにしたようだったわ。また、小さいため息をついて、
「では、今回はどうしようか?」
「じゃあ、結婚を申し込んで頂戴。断ってあげるから!」
それに彼は微笑みを浮かべて、跪いて私の右手を取った。
「ピール公爵家ご令嬢デュナ様。私ことコリアンダー公爵サムロと結婚していただけませんか?私と幸福になり、私達を捨てた婚約者、婚約者を奪った者達を見返しませんか?」
そして私は言ってやったわ。
「結婚のお申し出、謹んでお受けいたします。コリアンダー公爵閣下。」
と。
「それは決まっているさ。ピール公爵家と君の体だよ。どちらも、大きな価値があるからね。」
とサムロ。
じゃあ、何の為に?とは問えなかったし、もし、それを質問したら、流石に彼も口ごもるだろうし、私は聞きたくないし、聞いたら否定したい、否定するだろう。
だが、私とピール公爵家を得ることを目的としているのか、コリアンター公爵家とサムロを潰すことを考えているのか、あるいは両方なのか、私達への圧力、コリアンダー公爵批判、弾劾要求は強まっていったわ。
「デュナ様。私も、国王陛下はあなた方の味方ですわ。」
いかにも天使のような顔で、小悪魔としか思えない王妃ガマリア様は、私の両手を握り締めて言ってくれたわ。本当は、あんたがミカエル様と密通なんかしていなければ、関係を復活なんかしなければ、こんなことにはならなかったのよ。みんなあなたのせいよ!と言いたいところなのだけど、もう、王家から擁護されなければならないのよね、だから我慢しないと。王家としても、財政難や連年の不作による不況から社会不安が拡大、新旧各勢力の複雑な対立でそれが一層ひどくなって、それと連動して、パパイ大公様の動きもあって政府、王家非難が高まっているからね。コリアンダー公爵家とピール公爵家の、つまりは私達二人の取り込みは必要不可欠だから、それをどういう形にしろ失うわけにはいかないという事情もあるわ。もう、共通の利害が一致している関係なのよね。
その上、ゼハンプリュとの離婚だけであれば、彼女は悲劇のヒロイン、パパイ大公様は、それを救ったヒーローか白馬の王子様だったのよね、でも、その場合の私はなんだろうか?になるけど。それが、私が離婚してサムロと結婚したから、2人が私を追い出してということになって、2人の人気赤丸急上昇に水を差してしまったわけ。その怒りがサムロに向けられているというところもあるかも、そう言うのはサムロだけど。
でも、割をくっているのはゼハンプリュかもしれない。最近のサロンや彼女に与えられたカーキ家やパパイ大公様の領地の経営では貴族や上流市民からなる進歩派の取り込みを狙っているという印象なのよね。パパイ大公様の要請なのだろうけど、サムロは命じているという言い方をするけど、大公様はそういう人ではないし・・・。サロンもなにもかも、ギクシャクしているという印象ね。さらに、彼女はサムロとしきりに接触するし、私にも、
「私は、あなた方の味方よ。王妃にだまされないように。」
と言うんだけど、昔と変わらない、よく言えば凛々しく、威厳があるのだけど、なに、その恩着せがましい、命令口調は、と反発しちゃうわよね、それでも私はにっこり笑っているけどね。だけど、あのゼハンプリュは?と思っちゃうんだけど、どうしてかしら?
イチジーク書記官にも、ラズベリエ男爵の爺さんにも、提携を図ったわ。
私のサロンで、私とガマリア王妃、イチジーク書記官との剣の立ち合いをするのが恒例化しているけど、いつもやんやの喝采なんだけど、それはまさにそれを示していたわ。
でも、私はどうしてもパパイ大公様と敵対することには、躊躇して胃が痛くなるほどだったわ。パパイ大公様は、かつては、私の人生そのものであったし、簡単にわりきれないわ。サムロも、そうなったら国は国内外の勢力争いの場となり、国土は荒廃するだろうし、自分も私も死ぬかもしれないということで悩んだ、やはり胃を痛くなるほど。
散々話し合って、それでも結論がでないで、その後のベットで後ろから抱かれて、彼の手で胸を揉まれ、項に舌を這わされながら、彼の上で動き、喘ぎながら、
「こんなに悩むなら、こんなことになるのなら、きれいなままで、あなたと結婚したかった。」
と叫んでしまったわ。
「今、一緒だからいいじゃないか?」
と彼は耳元で囁いて、激しく動いてくれたけど。長い時間の体のぶつけ合いの果てに、荒い息で、横向きに抱き合ってどうしたらいいか、分からないでいたわ。
卒業式でのダンスパーティーの後、パパイ大公様とゼハンプリュ嬢の背を見ながら、分かっているのに、やっぱり涙を流しながら、私は、小さな噴水と東屋の前に立っていたわ。
「また・・・来たわけだ。」
「遅いわよ。」
私達は見つめ合ったわ。
「ここで、今日、この時間にこうしているのは二度目よ、分かっている?」
私は、少し心配で震えていたわ。
「分かっているさ。君が、パパイ大公の腕を離さずに、しがみついている背中を何度も見たよ。」
と彼はため息交じりで言ったわ。それで完全に私は、安心したわ。
「あなたは、ゼハンプリュ嬢やガマリア嬢、イチジーク書記官と浮気しまくったくせに。」
私は言ってやったわ。やっぱり思い出すと、腹が立つわよね。その時は彼も私と、ここで出会い、結ばれたことなどの記憶も、事実もなかったんだからとはわかっているんだけど、面白くないのは仕方がないでしょう?彼も反論しようとしたけど、やめることにしたようだったわ。また、小さいため息をついて、
「では、今回はどうしようか?」
「じゃあ、結婚を申し込んで頂戴。断ってあげるから!」
それに彼は微笑みを浮かべて、跪いて私の右手を取った。
「ピール公爵家ご令嬢デュナ様。私ことコリアンダー公爵サムロと結婚していただけませんか?私と幸福になり、私達を捨てた婚約者、婚約者を奪った者達を見返しませんか?」
そして私は言ってやったわ。
「結婚のお申し出、謹んでお受けいたします。コリアンダー公爵閣下。」
と。
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