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スマイル2・王様との再会
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本当にこのコロッケ特売は人気だから、発売した瞬間に売り切れるのよ。
売り切れで買えなくて、悔しい思いをした事が何度もある位なの。
今日は出遅れたとはいえ、ちょっと強引だったけど、最後の四パックがゲット出来て良かったわ!
残念だけど、今は施設の財政が本当にピンチだから、私の分はこの際買えなくて良かったと思おう。
今までは十二個で丁度良かったけど、チイちゃんを人数に加えると、私合わせて全部で十三個必要で、五パック買うとコロッケが二個余っちゃうから、百円浮いて却ってラッキーだわ。
出遅れてしまったけど、子供達の分はちゃんと買えたのだから、これでよしとしなくちゃ!
買えてよかった、と喜んで歩いていると、私の視界にあの最低男が再び目についた。
ああ、そっか。
私をこんな所まで追いかけて来るなんて、相当暇なのね。
金持ちのお坊ちゃまだもんね。仕事だってどーせそんな大した事してないんでしょう。
だから、立ち退きの話なんかを任されたんだわ。
道楽息子が私をやり込めようなんて、百年早いのよ。
暇そうだから、うんとコキ使ってやろうっと。この男のせいで、買い物用のエコバック忘れて来ちゃったし。エコシール貰えないじゃないのよ、もう。
昨日のセクハラ代と迷惑料、しっかりその体で払ってもらうわ!
「お前が人の話、ちっとも聞かねーからだろっ!」何やら喚いている。
「聞くも何も、貴方の話、つまらないから聞きたく無いもの。それより私忙しいの! 貴方、私を追い掛けるヒマがあるなら買い出し手伝ってよ。ハイ、これ持って」
さっきの戦利品のコロッケを押し付けた。「落とさないでよ。命懸けで買った御馳走なんだから!」
「何で俺が、お前の御馳走とやらを持たなきゃいけねーんだよ! お前、俺を誰だと思ってるんだ!!」
「知らないわよ。アンタなんか」
「昨日クラブで名乗っただろ! 王雅だ! 櫻井王雅!! 名前聞いたコトくらいあんだろ」
「知らない」
王雅なんてカッコイイ名前じゃなくて、最低王って名前にすればいいのよ。
アンタにピッタリだわ。
「おいっ! この俺様に何でお前の荷物持たせんだよ! 捨てるぞ!!」
「そんな事したら、殺すわよ。ちゃんと持っておいてね、王様」
「王様にはちげーねーけど、名前は王雅だ!」
「どっちでもいーでしょ。大王様」
「ダッ・・・・大王だぁ!?」
「ええ。煩い大魔王よ」
そう言い放ったら口をパクパクさせて、信じられないものを見る目つきで私を見て大王が驚いてる。
何時もちやほやされてるだろうから、私みたいな庶民にこんな扱いを受けた事ないんでしょうね。
ざまあみなさい。
「おい、あんまそんな事ばっか言ってたら、今すぐ抱くぞ?」
また出た、セクハラ!
セクハラ大魔神ね。汚らわしい。
「救い様が無い変態ね、アンタ」
「うっ・・・・ウルセーよ! 大体俺は、女に断られた事なんかねーんだ!」
それを聞いて、満面の笑みで言ってやった。「良かったじゃない。初めて断ってくれる女が現れて」
セクハラ大王を放置して、スタスタ歩き出した。どうせ施設の案件があるから、勝手についてくるでしょ。ま、施設の立ち退きの話を言い出したら、荷物持たせるだけ持たせて、施設まで運ばせた後に手酷く追い返してやるんだから。
エコバッグ忘れたからコロッケ持てなくて困ってたし、丁度いい荷物持ちになるわ。
とりあえずの買い物を済ませ、通りかかったスーパーの店頭前にタイムセールと書かれた看板を見て、私は立ち止まった。
「お一人様、一コ限りか・・・・」
最近トイレットペーパーも沢山いるのよね。ちょっと財政キツイけど、お徳用トイレットペーパーがタイムセールで十二ロール二百円はお買い得すぎるっ!!
おあつらえ向きにもう一人いるから、今日はもう一個買えるのよ!
これはチャンスだわ!!
セクハラ大王を、大いに役立ててあげましょう。
私は大王の腕を掴んだ。「一緒に来て!」
「ハア!? 何だよ急に!」
「いいから!」
大王の腕を掴んだまま、スーパーに入ってレジに並んだ。
お得用トイレットペーパー、これで二つゲットよ!!
昨日から私に対してロクな事をしていない大王も、これでちょっとだけ私の為に役立ったわね。
それから商店街を走り回っていると、あれこれ安い値段のものが目についた。
今日は商店街で日用品、諸々安くなっているわ。
万が一お金が足りない時は、事情を話せば支払い待ってもらえるし、馴染みの商店街って本当に助かる。
あちこちの常連だから、みんながこぞって声をかけてくれた。特に目玉なのは、八百屋さんだった。
ああっ! 今日のセール、信じられない値段!!
大根一本三十円ですって! 早速買っちゃおうっと!
玉ねぎも安いわ! これも買おう。明日の晩御飯は、残っている野菜もあるし、天ぷらにでもしようかな。
とりあえず今日の晩御飯は、大根メインのおかずに決まりね。鶏肉があるハズだから、美味しい煮物にしよう。
何てお財布に優しいのかしら。
美味しそうな大根が三十円なんて、財政のキツい今の私には、最高だわっ!
それに今日は安い値段のものを沢山買っても、野菜のヘタとか魚のアラとか鶏肉の余った皮とか、無料でもらえるものを沢山貰っても、荷物持ちがいるんだもの。
これでエコバック忘れず持ってきていたら、シールも貰えて言う事無かったのに。
私はセクハラ大王(荷物持ち)をしっかり役立たせて、買い出しを終えて施設へ戻った。
売り切れで買えなくて、悔しい思いをした事が何度もある位なの。
今日は出遅れたとはいえ、ちょっと強引だったけど、最後の四パックがゲット出来て良かったわ!
残念だけど、今は施設の財政が本当にピンチだから、私の分はこの際買えなくて良かったと思おう。
今までは十二個で丁度良かったけど、チイちゃんを人数に加えると、私合わせて全部で十三個必要で、五パック買うとコロッケが二個余っちゃうから、百円浮いて却ってラッキーだわ。
出遅れてしまったけど、子供達の分はちゃんと買えたのだから、これでよしとしなくちゃ!
買えてよかった、と喜んで歩いていると、私の視界にあの最低男が再び目についた。
ああ、そっか。
私をこんな所まで追いかけて来るなんて、相当暇なのね。
金持ちのお坊ちゃまだもんね。仕事だってどーせそんな大した事してないんでしょう。
だから、立ち退きの話なんかを任されたんだわ。
道楽息子が私をやり込めようなんて、百年早いのよ。
暇そうだから、うんとコキ使ってやろうっと。この男のせいで、買い物用のエコバック忘れて来ちゃったし。エコシール貰えないじゃないのよ、もう。
昨日のセクハラ代と迷惑料、しっかりその体で払ってもらうわ!
「お前が人の話、ちっとも聞かねーからだろっ!」何やら喚いている。
「聞くも何も、貴方の話、つまらないから聞きたく無いもの。それより私忙しいの! 貴方、私を追い掛けるヒマがあるなら買い出し手伝ってよ。ハイ、これ持って」
さっきの戦利品のコロッケを押し付けた。「落とさないでよ。命懸けで買った御馳走なんだから!」
「何で俺が、お前の御馳走とやらを持たなきゃいけねーんだよ! お前、俺を誰だと思ってるんだ!!」
「知らないわよ。アンタなんか」
「昨日クラブで名乗っただろ! 王雅だ! 櫻井王雅!! 名前聞いたコトくらいあんだろ」
「知らない」
王雅なんてカッコイイ名前じゃなくて、最低王って名前にすればいいのよ。
アンタにピッタリだわ。
「おいっ! この俺様に何でお前の荷物持たせんだよ! 捨てるぞ!!」
「そんな事したら、殺すわよ。ちゃんと持っておいてね、王様」
「王様にはちげーねーけど、名前は王雅だ!」
「どっちでもいーでしょ。大王様」
「ダッ・・・・大王だぁ!?」
「ええ。煩い大魔王よ」
そう言い放ったら口をパクパクさせて、信じられないものを見る目つきで私を見て大王が驚いてる。
何時もちやほやされてるだろうから、私みたいな庶民にこんな扱いを受けた事ないんでしょうね。
ざまあみなさい。
「おい、あんまそんな事ばっか言ってたら、今すぐ抱くぞ?」
また出た、セクハラ!
セクハラ大魔神ね。汚らわしい。
「救い様が無い変態ね、アンタ」
「うっ・・・・ウルセーよ! 大体俺は、女に断られた事なんかねーんだ!」
それを聞いて、満面の笑みで言ってやった。「良かったじゃない。初めて断ってくれる女が現れて」
セクハラ大王を放置して、スタスタ歩き出した。どうせ施設の案件があるから、勝手についてくるでしょ。ま、施設の立ち退きの話を言い出したら、荷物持たせるだけ持たせて、施設まで運ばせた後に手酷く追い返してやるんだから。
エコバッグ忘れたからコロッケ持てなくて困ってたし、丁度いい荷物持ちになるわ。
とりあえずの買い物を済ませ、通りかかったスーパーの店頭前にタイムセールと書かれた看板を見て、私は立ち止まった。
「お一人様、一コ限りか・・・・」
最近トイレットペーパーも沢山いるのよね。ちょっと財政キツイけど、お徳用トイレットペーパーがタイムセールで十二ロール二百円はお買い得すぎるっ!!
おあつらえ向きにもう一人いるから、今日はもう一個買えるのよ!
これはチャンスだわ!!
セクハラ大王を、大いに役立ててあげましょう。
私は大王の腕を掴んだ。「一緒に来て!」
「ハア!? 何だよ急に!」
「いいから!」
大王の腕を掴んだまま、スーパーに入ってレジに並んだ。
お得用トイレットペーパー、これで二つゲットよ!!
昨日から私に対してロクな事をしていない大王も、これでちょっとだけ私の為に役立ったわね。
それから商店街を走り回っていると、あれこれ安い値段のものが目についた。
今日は商店街で日用品、諸々安くなっているわ。
万が一お金が足りない時は、事情を話せば支払い待ってもらえるし、馴染みの商店街って本当に助かる。
あちこちの常連だから、みんながこぞって声をかけてくれた。特に目玉なのは、八百屋さんだった。
ああっ! 今日のセール、信じられない値段!!
大根一本三十円ですって! 早速買っちゃおうっと!
玉ねぎも安いわ! これも買おう。明日の晩御飯は、残っている野菜もあるし、天ぷらにでもしようかな。
とりあえず今日の晩御飯は、大根メインのおかずに決まりね。鶏肉があるハズだから、美味しい煮物にしよう。
何てお財布に優しいのかしら。
美味しそうな大根が三十円なんて、財政のキツい今の私には、最高だわっ!
それに今日は安い値段のものを沢山買っても、野菜のヘタとか魚のアラとか鶏肉の余った皮とか、無料でもらえるものを沢山貰っても、荷物持ちがいるんだもの。
これでエコバック忘れず持ってきていたら、シールも貰えて言う事無かったのに。
私はセクハラ大王(荷物持ち)をしっかり役立たせて、買い出しを終えて施設へ戻った。
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