王様スマイル

さぶれ@6作コミカライズ配信・原作家

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スマイル12・王様がバースデーパーティーを企画

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「留守番大変だったでしょ? よく頑張れたね」

「あ、うん。まあな。俺様はやれば何でもできるんだよ。世界一の男だからな」

「そうね。子供たちのこと、ありがとう。皆、王雅のおかげで楽しかったって言ってたわ。オモチャも、お菓子も、ホントに沢山ありがとう。子供たちが喜んでくれて、私も嬉しい」

「そっか。そりゃよかった」

 王様が満足そうに笑った。何時もの誇らしげな、王様スマイル。

「それから、ケーキ、とっても美味しかった。ありがとう」

 ああ、それか、と王様スマイルが苦笑に変わった。

「ホントは俺様一人で作るつもりだったんだけどな。美羽の為にケーキ作るってのがガキ共にバレちまって・・・・もー、散々だったぜ。でも、こっちの方が美羽は喜んでくれたみたいだし、結果オーライだな」

「うん。嬉しかったよ。こんなに楽しいパーティ、両親が生きていた頃みたい。自分の誕生日なんて、ずっと二人が亡くなってからはお祝いしなかったから。子供たちは言ってくれてたんだけどね、やろうって。でもうちは貧乏だし、そんな余裕無かったから、ずっとお祝いはしなかったの」

「そっか。・・・それじゃあまた、俺様がガキ共と一緒に、来年も祝ってやるよ。美羽の誕生日」

「そう? ありがとう。期待せずに待ってる」

「そんな事言わずに期待しとけ。来年はもっと凄いパーティーにしてやるから」

 アンタに来年なんてないでしょ。
 今は私が珍しいから、ちょっかいかけてるだけって解ってるし。
 誰も期待なんかしてないわ。
 
「気持ちだけもらっとく。ホントにありがと、王雅」

 まあ、頑張ってくれたから、今は嫌味を言うのは止めておくわね。
 嬉しいキモチは本当だから。


「そうだ。さっき渡しそびれたプレゼントだ。花束とそれから――・・・・」


 王雅にプレゼントだって、豪華な花束を渡してもらった。更にジャケットのポケットから小さな包みを取り出して、手渡された。

「俺様からのプレゼントだ。受け取れよ」

「開けていい?」

「いいぜ」

 何かしら。高そうな包みね。
 イヤリングかペンダントか・・・・小さいから、アクセサリーだろうな。


 丁寧に包みを開けて中を見ると、綺麗な宝石が幾つもはめ込まれた指輪が、高価なケース内に収められていた。


 一体・・・・どういうつもりなの。
 冗談でこんなことするなら、張り飛ばすわよ。


「・・・・こんな高価なもの、貰えない」思わずため息が出た。

「なんでっ!?  俺のキモチだ。ありがたく受け取れ。・・・・っつーか、ソレ、お前の右薬指の予約用だし」


 なにそれ。プロポーズ?
 この間から、一体どういうつもりなの?
 アンタみたいな大企業の御曹司が、こともあろうにこんな貧乏施設の女を嫁にするっていうの?

 ふざけるのも、いい加減にしてよ。
 こんな指輪まで用意して、私がアンタに靡くとでも思っているの?
 バカにしないでよね。
 私と結婚なんか、できもしないのに。


 奴隷みたいな女が、ただ珍しいだけのクセに!!
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