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スマイル22・王様が女王の恩人を救う
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横山さんの工場を助けられるだけの金額で私を買って欲しいって、借金はきちんと五十億円に上乗せして身体で返していくから、ってお願いしたら王雅はそのお金、すぐに用意してくれるかしら。
これは、私が横山さんに恩返しができるチャンスだわ!
利用して悪いとは思うけど、何としても王雅にお願いして、横山さんを・・・・。
欲しいというなら、身体だけじゃなくて、心もあげるわ。
そうね、心を売るっていいかもしれない。心は幾らだって、前に聞いてきたものね。
工場が助かるだけのお金って、どれだけのものか解らないけれど、その金額で心を売るわ。
貴方に従順なフリでも、何でもする。貴方が望む言葉も、何もかも、私で良かったら幾らでも与えてあげるわ。
それで横山さんが助かるというなら、私は、どんな事でもしてみせる。
王雅が戻ってきたら、今夜、話をしよう。
横山さんを助けるためにも、私を買って抱いてくれ、って――
※
あれからみんなで広場の片づけを行って、夕飯の支度にとりかかった。
もう既に午後三時を回っていたけど、眠くてウトウトしている子供もいるから、遅い時間だけどお昼寝したい子にはお昼寝をさせた。
その後、ポテトサラダが中途半端な仕込みだったから、ちゃっちゃと仕上げた。
お肉やアラは大型冷凍庫に入れて、別日の夕飯に回す事にした。食べたいって言ってたから、明日は王雅の為にアラ炊き作ってあげよう。明日の夕飯メニューは和食中心ね。
今日は余っているひき肉を混ぜて野菜炒めを作って、冷菜スープとポテトサラダ、寿司飯用に炊いたご飯をエビピラフにすることにした。今日の夕飯はこれで出来上がりね。お風呂の準備しておこう。
お風呂の掃除をして湯を張り、他の用事を片付けていると、もう午後五時を回っていた。
王雅は何時頃戻ってくるのかしら――そう思っていると、施設の電話が鳴った。
「はい、マサキ施設です」
王雅かしら。
『あ、美羽ちゃん? 横山だよ。あの・・・・櫻井さんが、私に製品開発の依頼をくれて、更に高額の投資までしてくれると約束してくれたお陰で、工場が助かるんだ! 本当に何とお礼を言っていいやら・・・・ありがとう、本当にありがとう!!』
「そうだったんですか! それはあの・・・・本当に良かったですね!!」
王雅が横山さんの商品を認めて、銀行でさえ断った投資をしてくれるって言ってくれたのね!
横山さんを助けてくれるんだわ。工場も助かるのね!
王雅になんてお礼を言ったらいいのかしら。
『遅くなったから心配しているといけないと思って連絡したんだけど、櫻井さん、さっき施設の近くまで送ったから、もうそっちに戻ると思うよ。それから今回の事は、美羽ちゃんのお陰だよ。ありがとう』
「えっ、私は何もしていませんよ。王雅が力を貸してくれるって言ったんでしょう?」
『それがね、美羽ちゃん。櫻井さんは今日が初対面で、私の事を何一つ知らないのに、美羽ちゃんの知り合いだったら信用できるからって・・・・四億円もの大金、商品開発の代金も含めて、私の工場に投資を・・・・彼が個人的にしてくれるって・・・・そう約束してくれたんだ』
横山さんの涙を堪えた苦しい息遣いが聞こえて来た。
『本当にありがとう。これで大勢の従業員をリストラもしなくていいし、工場も稼働ができる。もう一度、櫻井さんにお礼を言っておいてくれないかな? 私だけじゃなくて、抱えている従業員の・・・・大勢の人間の人生が助かるんだ。本当にありがとう』
「はい。わかりました。必ず伝えておきます」
『近いうちにお礼をしに、また施設に伺うよ。本当にありがとう』
何度も何度もお礼を言われて、ようやく電話が切れた。
良かった。横山さんの工場、これで助かるのね。
王雅のお陰で・・・・。
あ、いけない! もうすぐ王雅が帰って来るんだったら、お出迎えしなきゃ!!
これは、私が横山さんに恩返しができるチャンスだわ!
利用して悪いとは思うけど、何としても王雅にお願いして、横山さんを・・・・。
欲しいというなら、身体だけじゃなくて、心もあげるわ。
そうね、心を売るっていいかもしれない。心は幾らだって、前に聞いてきたものね。
工場が助かるだけのお金って、どれだけのものか解らないけれど、その金額で心を売るわ。
貴方に従順なフリでも、何でもする。貴方が望む言葉も、何もかも、私で良かったら幾らでも与えてあげるわ。
それで横山さんが助かるというなら、私は、どんな事でもしてみせる。
王雅が戻ってきたら、今夜、話をしよう。
横山さんを助けるためにも、私を買って抱いてくれ、って――
※
あれからみんなで広場の片づけを行って、夕飯の支度にとりかかった。
もう既に午後三時を回っていたけど、眠くてウトウトしている子供もいるから、遅い時間だけどお昼寝したい子にはお昼寝をさせた。
その後、ポテトサラダが中途半端な仕込みだったから、ちゃっちゃと仕上げた。
お肉やアラは大型冷凍庫に入れて、別日の夕飯に回す事にした。食べたいって言ってたから、明日は王雅の為にアラ炊き作ってあげよう。明日の夕飯メニューは和食中心ね。
今日は余っているひき肉を混ぜて野菜炒めを作って、冷菜スープとポテトサラダ、寿司飯用に炊いたご飯をエビピラフにすることにした。今日の夕飯はこれで出来上がりね。お風呂の準備しておこう。
お風呂の掃除をして湯を張り、他の用事を片付けていると、もう午後五時を回っていた。
王雅は何時頃戻ってくるのかしら――そう思っていると、施設の電話が鳴った。
「はい、マサキ施設です」
王雅かしら。
『あ、美羽ちゃん? 横山だよ。あの・・・・櫻井さんが、私に製品開発の依頼をくれて、更に高額の投資までしてくれると約束してくれたお陰で、工場が助かるんだ! 本当に何とお礼を言っていいやら・・・・ありがとう、本当にありがとう!!』
「そうだったんですか! それはあの・・・・本当に良かったですね!!」
王雅が横山さんの商品を認めて、銀行でさえ断った投資をしてくれるって言ってくれたのね!
横山さんを助けてくれるんだわ。工場も助かるのね!
王雅になんてお礼を言ったらいいのかしら。
『遅くなったから心配しているといけないと思って連絡したんだけど、櫻井さん、さっき施設の近くまで送ったから、もうそっちに戻ると思うよ。それから今回の事は、美羽ちゃんのお陰だよ。ありがとう』
「えっ、私は何もしていませんよ。王雅が力を貸してくれるって言ったんでしょう?」
『それがね、美羽ちゃん。櫻井さんは今日が初対面で、私の事を何一つ知らないのに、美羽ちゃんの知り合いだったら信用できるからって・・・・四億円もの大金、商品開発の代金も含めて、私の工場に投資を・・・・彼が個人的にしてくれるって・・・・そう約束してくれたんだ』
横山さんの涙を堪えた苦しい息遣いが聞こえて来た。
『本当にありがとう。これで大勢の従業員をリストラもしなくていいし、工場も稼働ができる。もう一度、櫻井さんにお礼を言っておいてくれないかな? 私だけじゃなくて、抱えている従業員の・・・・大勢の人間の人生が助かるんだ。本当にありがとう』
「はい。わかりました。必ず伝えておきます」
『近いうちにお礼をしに、また施設に伺うよ。本当にありがとう』
何度も何度もお礼を言われて、ようやく電話が切れた。
良かった。横山さんの工場、これで助かるのね。
王雅のお陰で・・・・。
あ、いけない! もうすぐ王雅が帰って来るんだったら、お出迎えしなきゃ!!
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