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スマイル26・王様と朝食

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「おかえりなさーい!!」

「お兄さん、おかえりーっ!」

「おーたん、おぁーりー」

「今日もいっぱい遊んでねっ」

「僕が先だよっ」

「私がー」


 玄関から中に入ろうとしていた王雅が、スタンバイしていた子供たちにもみくちゃにされた。

 ふふっ。みんな、本当に王雅の事が大好きなのね。
 もし王雅が私に興味が無くなってしまっても、子供たちとたまに遊んで欲しいってお願いしたら、引き受けてくれるかしら?


「おかえりなさい。貴方、きっと早く帰って来ると思ったから、みんなで待っていたのよ。今日は朝から王雅が帰って来るって、もうみんながわかっているから、大騒ぎだったの」


 私も、待っていたのよ。
 貴方に会えて、本当に嬉しいわ。

 子供たちにもみくちゃにされた王雅は、黙って申し訳なさそうな顔を見せている。

「王雅、どうしたの?」

 何かいけなかったのかしら?
 彼の顔を覗き込んだ。



「何でもねーよ。お前等のサプライズに、驚いただけだ。お前等に会えてメチャクチャ嬉しいから、感激してたんだ。俺の事出迎えてくれて、ありがとう。それから、ただいま」



 間近で、輝く王様スマイルが返ってきた。



 ・・・・王雅の顔なんか覗き込むんじゃなかった。



 ぎゅっと私の心を掴んで離さない、あの王様スマイルを朝から近距離で見てしまったから、ドキンと胸が高鳴り、心が痛くて苦しくなってしまった。




「うわーっ、スゲー!! なんじゃコレー!!」




 食堂に入った途端、テーブルいっぱいに乗せられたバンズやら野菜やらを見て、王雅が嬉しそうな声をあげた。「なあなあ、俺の分もある!?」

「モチロンよ。みんなで食べようと思って用意しておいたのよ。ハンバーガーバイキング。好きなネタ挟んで、ハンバーガーにして食べてね。おかわり自由だから」

「スッゲー! 面白そう!! なあなあ、今はガックンとリカの隣に座るけどさ、昼と夜は美羽の隣座っていい? 俺、ずっとお前に会いたかったんだ! 今日が楽しみで仕事頑張っちゃったし、褒めてくれよ」

「いいわよ、隣に来ても。それから、お仕事ご苦労様。よく頑張っていてエライわ、王雅。それよりお腹空いたでしょう? いっぱい食べてね」

「やったぜ!」

 子供みたいに喜んで、王雅が私の近くの席にやって来た。

 ついさっき、ガックンとリカちゃんとひと悶着あったのよね。王雅を取り合って、どっちが王雅の隣に座るかって。
 詳しいいきさつは、コロッケスマイル(https://www.alphapolis.co.jp/novel/465565553/343261959)の方を読めば解るみたい。
 あまり同じ内容というのも面白く無いから、この部分は割愛するんだって。
 何だかよく解らないけど。確かにあなたたちに伝えたわよ?

 私の右隣にガックン、王雅、リカちゃんで並んで座った。
 左には小さい子供たちを並べて座らせてあるの。近くじゃないとお世話できないから。

 それより王雅の事だけど、私にあんまり近づかないで欲しい。さっきの王様スマイルにヤラれちゃって、まだドキドキが治まって無いのよ。
 私が余裕ある時だったら、それなりに近寄ってもいいけれど。上手くあしらうから。


 早速ハンバーガーの用意を、各自ですることになった。
 小さな子供たちには、私がハンバーガーを作ってあげた。焼きたてのバンズに、特製ダレを付けたパテ、レタス、チーズを挟んだ。あまり具沢山にしたら零しちゃうから。
 特にマーサ君やユウ君は、気を付けて見てあげなきゃ。この二人は、食事を零すのが名人だから。
 小さな子供にはハンバーガーの一つが大きいから、ナイフで半分に切った。

「みんな、好きなハンバーガー作れたかな?」

「はーいっっ」

「はい、いいお返事。それじゃあ、みんなで合掌しましょう。楽しく生きている事と、美味しいご飯が食べられる事に感謝して・・・・いただきます」

 全員で合掌して、早速ハンバーガーを食べた。
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