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スマイル27・王様は無敵
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買い物を終えて施設に戻った。玄関を開けて中に入った所で、応接室へ向かおうとしている王雅が目についた。
「あっ、王雅、留守番ご苦労さ――」言い終わらないうちに、腕を強く引っ張られた。
「ちょっと来いっ」
グイグイ強い力で引っ張られ、キッチンへ連れ込まれた。王雅は酷く焦っている。
「王雅、どうしたのっ、ちょっと!?」
子供たちに何かあったのかしら!?
「大変なんだ! チイが誘拐されるっ!!」
「えっ、チイちゃんが!? どういう事なのっ、王雅っ、せつめ――モガッ」
強引に口を押さえつけられた。「お前、声でけーよっ! 親父のヤツに聞こえちまうだろっ。静かに話せっ」
「どういうことなのよっ!?」
小さい声で聞いた。
何か分からないけど、私が買い物に行っているたかが三十分程の間に、何やらよくない事が起こったのね!
「俺のチイを誘拐しに来た男が、今、応接室にいるんだっ!!」
俺のチイって・・・・。王雅の子供じゃないでしょーが。
まあ、王雅はみんなのコト凄く大切にしてくれているけど、貴方に甘えるチイちゃんを特に可愛がっているものね。
それより誘拐って、本当にどういうコトなのかしら!?
「それじゃ全然わかんないわよっ! もう少し解るように説明してっ!」
ちょっと強く怒ったら、王雅が解り易く事情を話してくれた。
「お前が出てってちょっと間したら、チイの親父とかいう男が施設に現れたんだ。今、応接室に放り込んであるから、茶、頼む。どうやって出していいか解んなかったから、茶はまだ出してない。あ、そいつから土産も貰ったんだ。それはキッチンのテーブルの上に置いておいた。それよりそのチイの親父とやらが、俺からチイを取り上げようと、やって来たんだ。早く追い返してくれ。あ、安心しろ。チイは匿っておいたから、大丈夫だ。見つかんねー所に隠してあるから」
チイ・・・・ちゃんの、お父さんが、マサキ施設に来てしまったの・・・・・・・・?
どうして、ここに居る事を突き止められたのかしら。
なぜ。
それより、チイちゃんをお父さんに連れていかれてしまうわ!
ああ、チイちゃんのお母さん――佳奈美さんに何て言えばいいの・・・・。
「どーした、美羽?」
恐ろしさに青ざめる私を、王雅が覗き込んで聞いてくれた。
「王雅・・・・チイちゃんがここに居るって事、その人に話した?」
「いいや、言ってねーぞ。チイを盗られたら困るから」
ナイス!! 王雅がチイちゃんのお父さんの対応をしてくれて、本当によかったわ!!
もし子供たちだけで留守番している時にチイちゃんのお父さんが来たら、確実にチイちゃんはいるって教えただろうから。
「良くやってくれたわ!」
手を取って感謝した。流石、王様だわ!!
事情が呑み込めないという顔を王雅がしていたから、簡単な説明をした。
「チイちゃんのお父さん――あの人ちょっと問題アリなの。理由は後で話すわ。チイちゃんがここに居るって事、絶対に知られちゃダメだから、王雅、余計な事言わないでね! 絶対よ?」
「誰が言うか」
「心配だから、応接室に一緒についてきてくれる? お茶、用意するわ。私が話するから、王雅は傍に居て」
「ああ、わかった」
チイちゃんのお父さん、佳奈美さんから聞いているけど酷いDVを繰り返す男だから、きっと執拗にチイちゃんの事追及されるわ。
見た目優しそうで、一見DVなんか無縁の男に見えるから、うっかり騙される人が非常に多いわ。チイちゃんのお父さんは、人を味方につけるのが非常に巧いの。
「あっ、王雅、留守番ご苦労さ――」言い終わらないうちに、腕を強く引っ張られた。
「ちょっと来いっ」
グイグイ強い力で引っ張られ、キッチンへ連れ込まれた。王雅は酷く焦っている。
「王雅、どうしたのっ、ちょっと!?」
子供たちに何かあったのかしら!?
「大変なんだ! チイが誘拐されるっ!!」
「えっ、チイちゃんが!? どういう事なのっ、王雅っ、せつめ――モガッ」
強引に口を押さえつけられた。「お前、声でけーよっ! 親父のヤツに聞こえちまうだろっ。静かに話せっ」
「どういうことなのよっ!?」
小さい声で聞いた。
何か分からないけど、私が買い物に行っているたかが三十分程の間に、何やらよくない事が起こったのね!
「俺のチイを誘拐しに来た男が、今、応接室にいるんだっ!!」
俺のチイって・・・・。王雅の子供じゃないでしょーが。
まあ、王雅はみんなのコト凄く大切にしてくれているけど、貴方に甘えるチイちゃんを特に可愛がっているものね。
それより誘拐って、本当にどういうコトなのかしら!?
「それじゃ全然わかんないわよっ! もう少し解るように説明してっ!」
ちょっと強く怒ったら、王雅が解り易く事情を話してくれた。
「お前が出てってちょっと間したら、チイの親父とかいう男が施設に現れたんだ。今、応接室に放り込んであるから、茶、頼む。どうやって出していいか解んなかったから、茶はまだ出してない。あ、そいつから土産も貰ったんだ。それはキッチンのテーブルの上に置いておいた。それよりそのチイの親父とやらが、俺からチイを取り上げようと、やって来たんだ。早く追い返してくれ。あ、安心しろ。チイは匿っておいたから、大丈夫だ。見つかんねー所に隠してあるから」
チイ・・・・ちゃんの、お父さんが、マサキ施設に来てしまったの・・・・・・・・?
どうして、ここに居る事を突き止められたのかしら。
なぜ。
それより、チイちゃんをお父さんに連れていかれてしまうわ!
ああ、チイちゃんのお母さん――佳奈美さんに何て言えばいいの・・・・。
「どーした、美羽?」
恐ろしさに青ざめる私を、王雅が覗き込んで聞いてくれた。
「王雅・・・・チイちゃんがここに居るって事、その人に話した?」
「いいや、言ってねーぞ。チイを盗られたら困るから」
ナイス!! 王雅がチイちゃんのお父さんの対応をしてくれて、本当によかったわ!!
もし子供たちだけで留守番している時にチイちゃんのお父さんが来たら、確実にチイちゃんはいるって教えただろうから。
「良くやってくれたわ!」
手を取って感謝した。流石、王様だわ!!
事情が呑み込めないという顔を王雅がしていたから、簡単な説明をした。
「チイちゃんのお父さん――あの人ちょっと問題アリなの。理由は後で話すわ。チイちゃんがここに居るって事、絶対に知られちゃダメだから、王雅、余計な事言わないでね! 絶対よ?」
「誰が言うか」
「心配だから、応接室に一緒についてきてくれる? お茶、用意するわ。私が話するから、王雅は傍に居て」
「ああ、わかった」
チイちゃんのお父さん、佳奈美さんから聞いているけど酷いDVを繰り返す男だから、きっと執拗にチイちゃんの事追及されるわ。
見た目優しそうで、一見DVなんか無縁の男に見えるから、うっかり騙される人が非常に多いわ。チイちゃんのお父さんは、人を味方につけるのが非常に巧いの。
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