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スマイル33・王様が女王のキモチを聞く
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王雅が心底不服そうな顔で私に言った。「俺が帰るに相応しい場所は、俺にとっちゃココ(マサキ施設)なんだけど」
ドキン、と心臓が跳ねる。
――俺が帰るに相応しい場所は、俺にとっちゃココ(マサキ施設)なんだけど。
本当に、そう思ってくれているの?
まだ、私の傍に帰って来てくれる貴方を待っていても、いいの?
「俺はマサキ施設が好きなんだ。お前が何時でも帰って来ていいっつったんだろ? だから俺の帰り、待っててくれよ。俺、そのプロジェクトの関係で、もうすぐしたら暫くアメリカ行くんだ」
王雅の言葉に、思わず息を呑んだ。
「勿論、ずっとじゃねーぞ。プロジェクトの案件諸々が済んだら、すぐ日本に帰って来る。だから一番に帰って来る先は、俺はここだって決めてる。構わねーよな?」
「アメリカ・・・・」
小さく呟き、瞳を閉じた。そんなに遠くへ行ってしまうのね――考えて、少しだけ震えた。
淋しくなってしまうわね。
「これを決めれたのは、美羽のお陰だ。俺が今考えているプロジェクトは、櫻井グループが儲かる為のプロジェクトなんかじゃねーぞ。このプロジェクトで色んなビジネスを繋げて、横山みたいに苦しんでる会社と会社を繋げて、繋がった先が豊かに潤って、苦しんでるガキ共が、一人でも多く心から笑って暮らせるような・・・・そんな世の中にする為のプロジェクトだ。得た利益で、マサキ施設みたいな場所を作っていくんだ」
「それで、アメリカへ?」
王雅は、本当に凄い。私なんかの考えを遥かに凌駕し、前を見つめて歩いて行く。
立派な男ね。素晴らしいプロジェクトだと思う。
「そうだ。プロジェクトを完成させるために、行って来る」
「そうなの。随分、遠くへ行ってしまうのね。そんな遠い所で、お仕事を・・・・王雅、本当に凄いね」
貴方が世の中のトップに立てる日が来るなら、私が想像する未来が実現する日が、ひょっとしたら訪れるかもしれないわね。
全ての子供が平等に愛され、慈しまれ、幸せに暮らせる毎日が送れる未来――
「凄くなんかない。俺は、血も繋がらないガキの事を、何時も真剣に思って育てて頑張るお前の方が凄いと思う。お前にしかできないガキの救い方があるように、俺にしかできないガキの救い方があるって思うから、それを頑張ってこようと思う。だから、待ってて欲しい。俺の事、帰って来るまでお前が待っててくれ。一番にお帰りって、お前が言ってくれ」
真剣に訴えられた。
私も、王雅みたいに凄いって?
どこがよ。貧乏庶民だし。
私はただ、毎日を精一杯生きているだけ。子供たちと楽しく、仲良く、それだけを考えて暮らしているだけよ。
それに、子供たちに支えられているのは、独りぼっちで淋しい私の方よ。
あの子たちがいなければ、私は生きていけない。この施設があるから、みんながいるから、私は強く生きて行く事ができるの。
何も凄くなんかないし、私らしく生きている、ただそれだけの事よ。私にとっては、これが当たり前の事だもの。
ドキン、と心臓が跳ねる。
――俺が帰るに相応しい場所は、俺にとっちゃココ(マサキ施設)なんだけど。
本当に、そう思ってくれているの?
まだ、私の傍に帰って来てくれる貴方を待っていても、いいの?
「俺はマサキ施設が好きなんだ。お前が何時でも帰って来ていいっつったんだろ? だから俺の帰り、待っててくれよ。俺、そのプロジェクトの関係で、もうすぐしたら暫くアメリカ行くんだ」
王雅の言葉に、思わず息を呑んだ。
「勿論、ずっとじゃねーぞ。プロジェクトの案件諸々が済んだら、すぐ日本に帰って来る。だから一番に帰って来る先は、俺はここだって決めてる。構わねーよな?」
「アメリカ・・・・」
小さく呟き、瞳を閉じた。そんなに遠くへ行ってしまうのね――考えて、少しだけ震えた。
淋しくなってしまうわね。
「これを決めれたのは、美羽のお陰だ。俺が今考えているプロジェクトは、櫻井グループが儲かる為のプロジェクトなんかじゃねーぞ。このプロジェクトで色んなビジネスを繋げて、横山みたいに苦しんでる会社と会社を繋げて、繋がった先が豊かに潤って、苦しんでるガキ共が、一人でも多く心から笑って暮らせるような・・・・そんな世の中にする為のプロジェクトだ。得た利益で、マサキ施設みたいな場所を作っていくんだ」
「それで、アメリカへ?」
王雅は、本当に凄い。私なんかの考えを遥かに凌駕し、前を見つめて歩いて行く。
立派な男ね。素晴らしいプロジェクトだと思う。
「そうだ。プロジェクトを完成させるために、行って来る」
「そうなの。随分、遠くへ行ってしまうのね。そんな遠い所で、お仕事を・・・・王雅、本当に凄いね」
貴方が世の中のトップに立てる日が来るなら、私が想像する未来が実現する日が、ひょっとしたら訪れるかもしれないわね。
全ての子供が平等に愛され、慈しまれ、幸せに暮らせる毎日が送れる未来――
「凄くなんかない。俺は、血も繋がらないガキの事を、何時も真剣に思って育てて頑張るお前の方が凄いと思う。お前にしかできないガキの救い方があるように、俺にしかできないガキの救い方があるって思うから、それを頑張ってこようと思う。だから、待ってて欲しい。俺の事、帰って来るまでお前が待っててくれ。一番にお帰りって、お前が言ってくれ」
真剣に訴えられた。
私も、王雅みたいに凄いって?
どこがよ。貧乏庶民だし。
私はただ、毎日を精一杯生きているだけ。子供たちと楽しく、仲良く、それだけを考えて暮らしているだけよ。
それに、子供たちに支えられているのは、独りぼっちで淋しい私の方よ。
あの子たちがいなければ、私は生きていけない。この施設があるから、みんながいるから、私は強く生きて行く事ができるの。
何も凄くなんかないし、私らしく生きている、ただそれだけの事よ。私にとっては、これが当たり前の事だもの。
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