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スマイル36・王様の帰還
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でも、もう知ってるって、何それ。
素性不明よ? 私、誰の子かもわからないのよ?
まるでそんなの、何も関係ないみたいに、普段通りでこっちが拍子抜けだわ。
「だったら・・・・」
「それより美羽、お帰りは? 約束しただろ。守れよ。ガキ共はもう、ちゃんと言ってくれたんだぜ」
「・・・・お帰りなさい」
そんな心づもりじゃなかったから、小さな声しか出せなかった。
お帰りなさい、って可愛く伝えて、貴方に抱きしめて貰おうと思っていたのに、突然そんな事言うから、予定していた事が全部どこかに吹っ飛んじゃったじゃないの!
もう。帰って来るなら来るで、ちゃんと言っておいてくれないと、こっちだって心の準備ってものがあるのよ!
「声が小っせーな。折角帰って来たんだから、もっと歓迎してくれよ。どんな思いして帰って来たと思ってんだ。・・・・まあいいや。ただいま!」
気を抜くと、泣いてしまいそうになった。
涙腺が刺激され、鼻の奥がツンとして、王雅の笑顔に胸が熱くなった。
本当に、帰って来てくれたのね。
間に合わせるって約束、守ってくれたのね。
王雅。さっきはちゃんと言えなくてごめんなさい。
ありがとう。待っていたのよ。ずっとずっと、貴方の帰りを待っていたの。
お帰りなさい、王雅――
王雅はよし、と呟いて、今から大事な話を発表するぞ、と全員を自分の近辺に集合させた。
「えー、お前等に言っておくことがある。真秀お兄さんの事だ」
王雅は真秀君を自分の傍に立たせて、改めて紹介した。
「今までヒドイヤツだと思っていただろーけど、さっきの悪いオッサンに真凛お姉さんの事で脅されて、無理やりオッサンに協力させられてただけなんだ。黙っていて悪かった。赦してやって欲しい。そんな中でも真秀お兄さんは、俺と一緒に悪者を倒す手伝いもしてくれたんだ! 真秀お兄さんの協力のおかげで、悪いヤツをやっつける事ができた! はい、拍手!」
パチパチ、と王雅が拍手したら、子供たち全員が拍手した。
そうだったの、真秀君。花井に、真凛ちゃんの事で脅されていたの。
あの卑怯な男なら、やりかねないわ。
だから施設から権利書を盗んで、花井に渡したりしたのね。
やむを得ない事情があったって、確か言っていたわね。
苦渋の決断を迫られたに違いないわ。貴方が一番、心より愛する真凛ちゃんを盾に取られてしまっては、花井に従うしかないものね。
素性不明よ? 私、誰の子かもわからないのよ?
まるでそんなの、何も関係ないみたいに、普段通りでこっちが拍子抜けだわ。
「だったら・・・・」
「それより美羽、お帰りは? 約束しただろ。守れよ。ガキ共はもう、ちゃんと言ってくれたんだぜ」
「・・・・お帰りなさい」
そんな心づもりじゃなかったから、小さな声しか出せなかった。
お帰りなさい、って可愛く伝えて、貴方に抱きしめて貰おうと思っていたのに、突然そんな事言うから、予定していた事が全部どこかに吹っ飛んじゃったじゃないの!
もう。帰って来るなら来るで、ちゃんと言っておいてくれないと、こっちだって心の準備ってものがあるのよ!
「声が小っせーな。折角帰って来たんだから、もっと歓迎してくれよ。どんな思いして帰って来たと思ってんだ。・・・・まあいいや。ただいま!」
気を抜くと、泣いてしまいそうになった。
涙腺が刺激され、鼻の奥がツンとして、王雅の笑顔に胸が熱くなった。
本当に、帰って来てくれたのね。
間に合わせるって約束、守ってくれたのね。
王雅。さっきはちゃんと言えなくてごめんなさい。
ありがとう。待っていたのよ。ずっとずっと、貴方の帰りを待っていたの。
お帰りなさい、王雅――
王雅はよし、と呟いて、今から大事な話を発表するぞ、と全員を自分の近辺に集合させた。
「えー、お前等に言っておくことがある。真秀お兄さんの事だ」
王雅は真秀君を自分の傍に立たせて、改めて紹介した。
「今までヒドイヤツだと思っていただろーけど、さっきの悪いオッサンに真凛お姉さんの事で脅されて、無理やりオッサンに協力させられてただけなんだ。黙っていて悪かった。赦してやって欲しい。そんな中でも真秀お兄さんは、俺と一緒に悪者を倒す手伝いもしてくれたんだ! 真秀お兄さんの協力のおかげで、悪いヤツをやっつける事ができた! はい、拍手!」
パチパチ、と王雅が拍手したら、子供たち全員が拍手した。
そうだったの、真秀君。花井に、真凛ちゃんの事で脅されていたの。
あの卑怯な男なら、やりかねないわ。
だから施設から権利書を盗んで、花井に渡したりしたのね。
やむを得ない事情があったって、確か言っていたわね。
苦渋の決断を迫られたに違いないわ。貴方が一番、心より愛する真凛ちゃんを盾に取られてしまっては、花井に従うしかないものね。
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