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スマイル39・王様の両親に挨拶
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しおりを挟む「えっ、今から王雅のご両親に、ご挨拶行くのっ!?」
「そうだ。善は急げだ。もう約束は取り付けてあるから。準備できたらすぐ行こうぜ」
一通り着替えや準備を済ませ、王雅の両親に今から挨拶に行って、結婚の許可を取るべく、自宅に向かう事を提案された。
今からかぁ・・・・。急すぎるわ。
どうしよう。きちんと挨拶できるかしら。
絶対反対されるに決まっているわ。でも、頑張るしかないわよね。
彼のご両親には、大事な話があるから事前にスケジュールを空けて自宅にいるように、と伝えているみたい。お仕事で世界を飛び回っているような人たちを、足止めしちゃっているワケね。
「美羽。このドレス使ってくれ。挨拶用」
王雅に明るいオレンジ系の色合いのミディアムドレス手渡された。本当に手回しがいい男ね。昨日のパーティーと同じ服装じゃ、流石に具合悪いものね。
まあ、私の昨日の服装をご両親が知っているとは思えないけれど。念のため、よね。
「王雅、でも私・・・・ご挨拶なんて・・・・。行くのが嫌とかじゃないんだけど、ただでさえ難しいと思うのに、素性の事言ったら、もう絶対、結婚に反対されて無理だと思うのよ。だからきちんと考えてから、お話をできればと思っていたんだけど・・・・でも、先延ばしにもできないもんね。私の事は調べたら解かるし、ちゃんと言おうとは思うんだけど・・・・それにしても、急だわ。ご挨拶品も何も用意してないのに・・・・」
貴方を受け入れると決めた以上は頑張るつもりだけれど、こんなに急とは思わなかった。
「そうだな、反対されると思う。嫌な思いさせちまうかもしんねーけど、ごめんな。万が一、お前を傷つけるようなヒドイ事言われても、どうか気にしないでくれ。俺が守ってやるからな。挨拶品みたいなのは、別に要らねーよ。手短にすませろっつースタンスだからさ。どーせ受け取らねーよ。俺の親、フツーじゃねーんだ」
ご両親の事、遠慮なく王雅が教えてくれた。守ってくれるっていうのは嬉しいけれど、認めて貰えなきゃ意味が無いわ。
ご挨拶品なんて、何がいいのかしら。町田青果店のソムリエの所で、最高級の果物を買っていくのが一番いいかもしれない。
美味しい果物だから、お口に合うと思う。商店街に寄ってもらえる時間、あるかしら。
「うん、ありがとう。でも、手土産くらいは途中で買わせて? ご挨拶品が何も無しっていうのは流石にちょっと・・・・それより、本当に私でいいの――」
「それはもう言うなって。俺と結婚するって決めてくれたんだろ? だったらお前も覚悟決めろ。それだけの男なんだ、俺は。良かったな、俺様と結婚出来るなんて。お前メチャクチャラッキーだぜ! 普通、できねーぞ」
「自分で言う?」
思わず呆れた顔になってしまった。
「他に誰が言うんだよ」
自信たっぷりの王様スマイルが返ってきた。
あはは。本当に子供みたいで面白い男。
でも、だからこそ惹かれるんだわ。
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