王様スマイル

スマイル４０・王様の王様VS女王とお供

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　あれから数時間後。
　みんなの協力のお陰で、用意した持ち帰りのデザート類は勿論の事、仕込みをした食事の全てが完売したの！

　王雅が施設に帰ってきた時に、私がいないってバレたら大変だから、午後九時くらいにはマサキ施設に帰らせてもらって、留守番の恭ちゃんとバトンタッチした。子供たちを丁度寝かせるところだったから、絶対に私が出かけて他の用事をしている事は、王雅に言っちゃダメだって子供たちに伝え、固く約束した。

　本来なら閉店時間は午後十一時なんだけど、オレンジキッチンには本当に何もなくなってしまって、十時位にはお店を閉める事になったんだって。用意したものがどんどん無くなっていくから、無理言って商店街からとにかく足りない材料を配達してもらって繋ぐ努力はしたけれど、それでも足りなくて、早くにお店を閉める事になってしまったの。

　とりあえず閉店後、一輝君から掛かってきた電話で報告を聞いた。

　私が帰ってからもお店も長蛇の列が絶えず、ひっきりなしにお客様が来て下さって、本当に大変だったみたい。
　ちなみに、売り上げは四十万円超えだったの！　デリバリーだけで十万円近く売れて、更にお店の売り上げは三十万円超え。今日の目標は二十万円だったけれど、みんなの頑張りのお陰で、たった一日で目標の倍の売り上げを立てちゃった！


　やったわ!!


　この調子で、一週間頑張ったの。
　応援してくれるみんなの協力のお陰で、やり切る事が出来たわ。

　オレンジキッチンの厨房や仕込みは、一輝君、そして私と佳奈美さんが、真秀君と真凛ちゃんはホールで活躍、まりなちゃんとバンドのメンバーの方々は、時間の許す限り方々でチラシ配布や呼び込みのお手伝いをしてもらったの。恭ちゃんと菫ちゃんは、施設で留守番をしてもらい、みんなが協力してくれた。

　その甲斐あって、本当に大勢のお客様に来て頂けた。
　それは、一見さんだけじゃないのよ。
　これもみんなの協力のおかげ。あなたたちも来てくれたんでしょう。ありがとう！

　横山さんは工場の社員に宣伝してくれて、殆ど全員が食べに来てくれたし、商店街のみんなも家族を連れて駆けつけてくれた。
　更に王雅の部下の水口さん――以前私の誕生日パーティーの計画を遂行する為に、偽の職員をやってくれた人よ――も大勢のお客様を連れて来てくれたの。
　水口さんは恭ちゃんとサッカー友達になったのよ。恭ちゃんから聞いて、サッカーの有志メンバー全員に声を掛けてくれて、みんなが来てくれた。


　更に、『美味しい食事付きバイト・社員募集』の貼り紙でスタッフを募集した。店頭の張り紙だけなのに結構な応募が殺到し、私達に加え、シェフを二人、アルバイトを五人も雇う事が出来た。
　売り上げも順調に伸びて、こんな小さなお店なのに、ランチやデリバリーのメニュー充実が実を結び、連日六十万円近くも売り上げを出せたの。

　お陰で、約束の期日までに三百六十万円の売り上げを叩き出した。大赤字のオレンジキッチンは、仕入れや人件費を差し引いても、見事に黒字の収益になり、お父様との約束を果たす事が出来たのよ。


　さあ。この結果を持って、お父様の元へ一輝君と報告に行くわ。




　王雅との結婚、必ず認めて貰うんだからね!!