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第7話 ~政海ちゃんと美乃梨ちゃん~

Side・斎賀政海/その7

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「不思議系は友達少ないよね。美乃梨もそうだったもん」

「え、美乃梨ちゃんも?」

「スレてないからね。政海にタイプが似ているけれど、政海の方が輪をかけて不思議系だね」

 梅香ちゃんが笑った。わー、海里ちゃんにそっくりだ。美人で、サバサバしていて、カッコイイ。

 うええ・・・・。友達になれたのは嬉しいけれど、梅香ちゃんに海里ちゃんを盗られないか心配だよぉ。


 あっ、でも、海里ちゃんが女の子って知ったら・・・・?


 梅香ちゃんは海里ちゃんを諦めてくれるかな。だったらいいな。
 けど、カッコイイ女の人ってそういうのあまり気にしないかもしれない!
なんか、絵面的にも大丈夫だし、恋人同士になっちゃうかも!


 だめだめだめだめっ!


 手ごわそうな友達ライバル出現に、僕は早くも焦りを感じた。海里ちゃんと離れる日は、そう遠く無い気がしてならない。


 
「何を話しているんだ?」



 談笑(?)している所へ、海里ちゃんがやって来た。そうだ。後から海里ちゃんも部室へ来るって言ってたもんね!
 ふおぉ。カッコイイ! 麗しいという言葉は、まさに海里ちゃんの為にあると思う。
 今日はカーキのジャケットに黒のカットソー、濃ベージュのスリムなボトムスにショートブーツ。もうね、カッコ良すぎるよ海里ちゃん!!

「海里君、この前はありがとう。頭痛薬、凄く助かった」

 梅香ちゃんがじっと海里ちゃんを見つめた。

「あ、ああ。あの時の。頭痛薬の子か」海里ちゃんはさっと記憶を逡巡させたが、思い出したようで笑った。「君も軽音サークルだったんだ?」

「うん。実は私、美乃梨と友達で。美乃梨を軽音サークルに誘ったら、政海と海里君も誘って一緒に入るって言ってくれて、嬉しい。私、川原田梅香。梅香って呼んで。海里君、よろしくね」

「うん。よろしく梅香」

 梅香ちゃんが手を差しだしたので、海里ちゃんもその手を握って握手した。
 あああー。何か・・・・嵐が巻き起こる予感。

 
「ねえ、海里君。私、まどろっこしいのが嫌いだから、単刀直入に聞くね。政海と付き合っているの?」

「はっ!?」

 予想外の質問に、海里ちゃんがぎょっとして梅香ちゃんを見た。「えーっと・・・・」

 海里ちゃん、付き合っているって言ってもいいから!
 お願い!
 僕を一人にしないで!!

 
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