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第11話 ~政海ちゃんと卓くん~

Side・斎賀政海/その1

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「海里ちゃん、海里ちゃんっ」

「うう・・・・」

「大丈夫!? ねえっ」

 苦しそうに顔を歪めながら、湯船の中で居眠りをしている海里ちゃんを揺さぶって起こした。
 中々お風呂から上がってこないから、海里ちゃんに声を掛けたんだけれど、全然反応が無いから断ってお風呂に入ってみると、浴槽の中で苦しそうにしている海里ちゃんが目についたから、急いで起こしにかかった所。

「海里ちゃん、っ・・・・」

 不安で涙がにじみ、ポタポタと海里ちゃんの頬を濡らした。

「ひっ、ううっ・・・・」

 もしもこのまま海里ちゃんが目を覚まさなかったらと思うと、悲しみが溢れ、涙が止まらない。

「っ・・・・政海・・・・ごめん。泣かせて、ごめ・・・・ん」

 擦れた海里ちゃんの声に、はっとした。

「気が付いた!? 大丈夫!? 海里ちゃん酷くうなされていたんだよ!」

 うっすら目を開ける海里ちゃんに、食い入るように顔を近づけた。

「はな・・・・れてくれ」

「わ、ごめん」


 海里ちゃんから、ぱっと顔をそむけた。今日は乳白色の入浴剤を入れていたから、海里ちゃんの裸を見なくて済んだけれど、白い肩を無造作につかんだ時、とても柔らかくて男の人とは違う、優しく丸い感触だった事を思い出す。


「海里ちゃん、立てる? 僕の手、掴んでいいから。あ、安心して! 何も、み、見てないからね。ホラ、目を瞑っているから」

 顔を背けて海里ちゃんの裸が見えないように工夫した。

 DHM(でも 本当は 見たい)。

 きっと海里ちゃんはすらっと手足が長く細いのに、着やせするタイプだから胸のふくらみはしっかりありそうだ。
 前までは羨ましいと思っていたのに、今日はそんな海里ちゃんの身体に触りたい、とか邪(よこしま)な事を思ってしまうんだ。というのも、すぐ横に裸の海里ちゃんがいるんだよ!?


 こんなの、GMD(ゴー モン だよ)っっ!!


 気を付けないと、アレが大変なことになりそう。わー。変態だと思われないか心配。
 しかし、僕は一応健全な男なんだ。身体は。だから、好きな女性がすぐ傍で裸とか嬉しいシチュエーションで、欲情するのが当然。でも耐えろ。海里ちゃんに嫌われたら僕の人生終わる。

 迷いがあったみたいだけれど、海里ちゃんは僕の手を取ってくれたので、目を閉じたままバスタオルを渡してあげた。
 その時、だ。わざとじゃない。決してわざとじゃないんだけれど、視界を閉じた状態でぱっと手を出したものだから、とてつもなく柔らかな・・・・僕が喉から手が出る程欲しかった、海里ちゃんの胸のふくらみに触れてしまったのだ!
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