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第14話 ~海里くんと美羽先生~
Side・新庄海里/その3
しおりを挟む「これ今、何の試合やってるの? なんか、あの黒い髪のお兄さんに、バレーボールの助っ人頼まれちゃったんだけど・・・・入らない方がいいの?」
ライタという子に聞いてみた。
「今ねぇー、おーちゃん(指差しで黒髪の男がおーちゃんだと教えてくれた)と恭先生(同じく指差しで教えてくれた)が闘いごっこで遊んでいるのぉー。最初はみんなで楽しくバレーボールで遊んでたんだけどー、なんか白熱して、ボールぶつけ合いしてるー」
胸元に『アイリ』と書かれた女の子が、のんびりとした口調で教えてくれた。タレ目で黒く長い髪が胸下まである。上品で可愛らしい女の子だ。将来はきっと美人になるだろう。背の高さからいうと、幼稚園の年長か小学校一年生くらいだろうか。この施設には見る限り、幼稚園年少くらいの子供から小学校低学年くらいまでの子供が多い。
「手が付けられないから、美羽先生に言った方がよくない?」
『リョウ』と胸元に書かれた男の子が、アイリとライタに話しかけた。おさるのモンチッチみたいな可愛い男の子だ。
「だよなー。毎度このパターン」
やれやれ、と言った感じでため息を吐き、イガグリ頭のライタが施設の建物の方へ走って行った。
「恭一郎! 今日という今日は俺の方が上だって思い知らせてやるからな!」
おーちゃんとやらの怒声が響いた。イケメンなのにおーちゃんって・・・・。ニックネーム可愛すぎるだろ。あの男に全く似合っていない。
おーちゃんは、一体どんな名前なんだろう。王太郎(おうたろう)とかか? 笑いがこみ上げた。
「はあぁ。お前、まだこの前のサッカーの試合で僕が勝った事を根に持っているのか? 本当にくだらない男だな。あんまりしつこいようなら、美羽と離婚させるぞ」
「バカか! そんなことしたら一生赦さねえ! 高田の融資止めるぞ! 誰のおかげで黒字になったと思ってんだ!」
「バカはそっちだ。そんなことをしたら高田が潰れて、困るのはそっちのホテル側の方だろう。金にものを言わせる卑怯なやり方は、相変わらずだな。美羽の伴侶とは思えない発言だ」
なんだなんだ、喧嘩が始まったぞ。口喧嘩の内容からすると、取引先同士の争いか?
恭一郎だか恭先生だか知らないが、アッシュグレーの男の方が、前回サッカーで試合に勝った、と。それを黒髪の男――おーちゃん――の方が根に持って勝負を挑んでいるのだろうか。
それより、イケメン同士の喧嘩・・・・初めて見た。ガチバトルだな。
バチバチのにらみ合い、両者一歩も引かない。思わずコート外から成り行きを見守った。
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