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第16話 ~海里くんと卓くん~

Side・新庄海里/その6

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「とりあえず、話をまとめよう。とにかく政海が、私がアンって女の子を大事にしているって、何かとんでもない勘違いをしていると、そういう見解で間違いないか?」

「流石海里。その通りよ」

 何故か美乃梨にエラソーに言われた。

「だから、二人で私に文句を言いに来た、と。間違いないか?」

「そうよ。ごめんなさい、海里」

 梅香は謝ってくれた。

「いいよ。誤解だって解って貰えたからさ。気にしないでくれ。それより、政海に誤解だって、ちゃんと言っておいてくれないかな? あと、卓とやたら仲良くしているみたいだけど、何でかな?」

「えー、気のせいだよー。だって政海は海里の事・・・・」

「ちょっと、美乃梨! 流石に私らがそこまで言うのはマズイって!」

 梅香が止めに入った。

「やっぱり、政海は私の事を良く思っていないのか? 今日は何だかよそよそしいし、目を逸らされるし・・・・」

「違うっ! その逆よ!! 意識しすぎでちょっと政海がテンパっちゃってるだけ! お詫びに海里の事、ちゃんと言って誤解といておくから! じゃねっ」

 こうして私は、猛獣二人から解放された。
 一体、何だったんだ・・・・。謎しか残らなかった。




 ※




 花火も終わり、順番にお風呂に入る事になった。
 ちょっと大きめの風呂だから、女性と男性で別れ、まとめて三人ずつ入ろうという事になったが、私と政海がそのまま三人一緒に入ったらとんでもない事になる!

 幼い頃に悲惨な事故に遭い、身体に傷があるという、苦し紛れの言い訳をした政海。そして私は潔癖症で他の男と入るなんて絶対に無理、を押し通した。普段の性格がこんなものだから、卓も琉斗も気にせず、じゃ、最後に入れよ、って言ってくれてホッ。

 なんだかんだで一番最後の私の番になり、ささっと身体を流し、湯船につかる事もなく上がった。モタモタしていて、誰かがうっかり入ってきたら、洒落にならん。
 誰にも会う事無く着替えまで無事に済ませた。胸のふくらみが見えないように、ちょっと厚手のジャージにしておいた。中にはTシャツ。後は寝るだけだから、サラシは巻いていない。流石に寝る時までサラシは苦しいから。

 髪を乾かして風呂から出ると、外で卓が待っていた。「よお。早いな」

「あ、ああ・・・・もう一回入るのか? なら、どーぞ」

「違う違う。ちょっと、顔貸してくれよ」

 またか!
 私は今日、一体何人から呼び出し喰らうんだ?
 厄日だな。はー。
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