逆異世界転生したチャラ神様、人間界でアルバイト(修業)始めました!

さぶれ@6作コミカライズ配信・原作家

文字の大きさ
5 / 112
一章 / チャラ神様、人間界にやって来て早速職質受けました!

其の一

しおりを挟む
 近くのお饅頭屋さん――三つ豆(みつまめ)堂からお茶菓子のお饅頭を買って帰る途中で、白い大層な衣装を着た黒髪の長髪長身男が、お巡りさんに文句言っているのが見えた。
 あのお巡りさんは、お父さんの友達の吉田寛吉(よしだかんきち)さんだ。みんなから、カンキチおじさんと呼ばれ、親しまれている。そのカンキチおじさんと、何を揉めているのだろう。私はそっと近づいて様子を伺った。

「そんな怪しい恰好して、一体君は何だ? 身分証明書を出しなさい」

「だから、ンなの持ってねえって! 身分証もクソも無いからさぁ! だって俺は神様なんだよー!」

 神様?
 何、あの男・・・・神様ってコト?
 そんな事、自分で言っちゃう?
 頭イカれてる・・・・。相当ヤバそうな人だね。

 でも、綺麗な顔してるなぁ。美形というか、イケメンってヤツ?
 整った顔立ちで、目鼻立ちは凛として切れ長の目元は情熱的。何か炎でも出てきそうな雰囲気ね。髪も長くて・・・・ていうか、今時あんな長い髪の男の人、いないと思う。時代錯誤もいい所だ。着ている衣装も然り。
 とりあえず綺麗な人だ。それなのに、頭プッツンって・・・・お気の毒様。可哀想に。

 ふと、視線を彼の右手に落とすと、柄の部分も含めて一メートルもないくらいの剣が目に入った。

 えっ。ちょっと待って!
 私、今、電柱の影からカンキチおじさんと神様と名乗る怪しい男のやり取りを見ているんだけれど、あの人が手に持っている剣・・・・! うちの神社に奉(まつ)っている剣と一緒じゃない!?
 形と言い、柄の所が同じ天海(あまみ)の紋で、加工がしてある! 全く同じだわ!

 もしやドロボー?

 でも、神様って言っているし・・・・実のところ、どうなんだろう。
 とりあえず成り行きを見守ることにした。

「神様?」

 おじさんが怪訝そうな顔を彼に向けた。「神様なんてそんなもの、この世にいらっしゃる訳がないだろう。それより、早く君の身分証を見せなさい」

「だ・か・ら! わかんねーオッサンだな。無いんだって、そんな身分証なんか! たった今、人間界に降り立ったトコだし! 転生したばかりなんだよ」

「だったら交番に来て貰おう。恐ろしい剣など持って、銃剣法違反だぞ。それは本物なのか?」

「当たり前だ。俺の炎の力、今ここでお前が受けてみるか? 跡形もなく消し飛ぶぞ」

 ニヤリと笑い、彼の目つきが変わった。さっきまでチャラチャラした雰囲気だったのに、一気に戦闘モードの鋭い瞳になる。
 ゆらっ、と彼から物凄いオーラが発せられるのが、目に見えて解った。


 私は幼い頃から、霊感が強い。
 この世ならざる者=霊的なものが見えるだけのあまり大した力じゃないけれど、それでも・・・・彼のオーラは凄い。ケタ違いだ。この世のものじゃない!
 剣を両手で持ち直し、男が構えた。あぁ、イメージが流れ込んできて、見える――彼の手の内にある剣、それから発せられ、揺らめく炎。間違いなく、本物の業火がカンキチおじさんに襲い掛かる――


「カンキチおじさーんっ! こんにちは! いつも見回りご苦労様っ!」


 このままじゃマズイと思って、私はわざと大きな声を上げ、彼らの前に立った。「この人、知り合いなの。今、天海神社に来ていて、なんというか・・・・神様のコスプレなの、これ。すごい服でしょ!」

「なーんだ、コスプレかぁ」

 素直なおじさんは、私の言う事をすぐに信じてくれた。良かったぁ!!
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります

内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品] 冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた! 物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。 職人ギルドから追放された美少女ソフィア。 逃亡中の魔法使いノエル。 騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。 彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。 カクヨムにて完結済み。 ( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

最強賢者の最強メイド~主人もメイドもこの世界に敵がいないようです~

津ヶ谷
ファンタジー
 綾瀬樹、都内の私立高校に通う高校二年生だった。 ある日、樹は交通事故で命を落としてしまう。  目覚めた樹の前に現れたのは神を名乗る人物だった。 その神により、チートな力を与えられた樹は異世界へと転生することになる。  その世界での樹の功績は認められ、ほんの数ヶ月で最強賢者として名前が広がりつつあった。  そこで、褒美として、王都に拠点となる屋敷をもらい、執事とメイドを派遣してもらうことになるのだが、このメイドも実は元世界最強だったのだ。  これは、世界最強賢者の樹と世界最強メイドのアリアの異世界英雄譚。

異世界亜人熟女ハーレム製作者

†真・筋坊主 しんなるきんちゃん†
ファンタジー
異世界転生して亜人の熟女ハーレムを作る話です 【注意】この作品は全てフィクションであり実在、歴史上の人物、場所、概念とは異なります。

『スローライフどこ行った?!』追放された最強凡人は望まぬハーレムに困惑する?!

たらふくごん
ファンタジー
最強の凡人――追放され、転生した蘇我頼人。 新たな世界で、彼は『ライト・ガルデス』として再び生を受ける。 ※※※※※ 1億年の試練。 そして、神をもしのぐ力。 それでも俺の望みは――ただのスローライフだった。 すべての試練を終え、創世神にすら認められた俺。 だが、もはや生きることに飽きていた。 『違う選択肢もあるぞ?』 創世神の言葉に乗り気でなかった俺は、 その“策略”にまんまと引っかかる。 ――『神しか飲めぬ最高級のお茶』。 確かに神は嘘をついていない。 けれど、あの流れは勘違いするだろうがっ!! そして俺は、あまりにも非道な仕打ちの末、 神の娘ティアリーナが治める世界へと“追放転生”させられた。 記憶を失い、『ライト・ガルデス』として迎えた新しい日々。 それは、久しく感じたことのない“安心”と“愛”に満ちていた。 だが――5歳の洗礼の儀式を境に、運命は動き出す。 くどいようだが、俺の望みはスローライフ。 ……のはずだったのに。 呪いのような“女難の相”が炸裂し、 気づけば婚約者たちに囲まれる毎日。 どうしてこうなった!?

真祖竜に転生したけど、怠け者の世界最強種とか性に合わないんで、人間のふりして旅に出ます

難波一
ファンタジー
"『第18回ファンタジー小説大賞【奨励賞】受賞!』" ブラック企業勤めのサラリーマン、橘隆也(たちばな・りゅうや)、28歳。 社畜生活に疲れ果て、ある日ついに階段から足を滑らせてあっさりゲームオーバー…… ……と思いきや、目覚めたらなんと、伝説の存在・“真祖竜”として異世界に転生していた!? ところがその竜社会、価値観がヤバすぎた。 「努力は未熟の証、夢は竜の尊厳を損なう」 「強者たるもの怠惰であれ」がスローガンの“七大怠惰戒律”を掲げる、まさかのぐうたら最強種族! 「何それ意味わかんない。強く生まれたからこそ、努力してもっと強くなるのが楽しいんじゃん。」 かくして、生まれながらにして世界最強クラスのポテンシャルを持つ幼竜・アルドラクスは、 竜社会の常識をぶっちぎりで踏み倒し、独学で魔法と技術を学び、人間の姿へと変身。 「世界を見たい。自分の力がどこまで通じるか、試してみたい——」 人間のふりをして旅に出た彼は、貴族の令嬢や竜の少女、巨大な犬といった仲間たちと出会い、 やがて“魔王”と呼ばれる世界級の脅威や、世界の秘密に巻き込まれていくことになる。 ——これは、“怠惰が美徳”な最強種族に生まれてしまった元社畜が、 「自分らしく、全力で生きる」ことを選んだ物語。 世界を知り、仲間と出会い、規格外の強さで冒険と成長を繰り広げる、 最強幼竜の“成り上がり×異端×ほのぼの冒険ファンタジー”開幕! ※小説家になろう様にも掲載しています。

貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…

美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。 ※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。 ※イラストはAI生成です

処理中です...