その視界を彩るもの

疼木 沙紀

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第4章

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――誰に何と言われようと構わない――



それは紛れもなく以前のあたし自身の姿だった。



イサゾーと出逢う前は他人のことなんて心底どうでも良かった。




だけど今はこんなにも恐い。



もしもイサゾーに『邪魔』だと言われていたら、あたしきっと打ちのめされて立ち上がれない。







『撒けたみたいだから帰る?』



「うん、そだね」



『ちょっとー、なにアンタそのカオ。ニヤニヤして』



「言っとくけどイサゾーが原因だからね」



『なにそれー?』





ケラケラと笑んで再び歩を進め始めたイサゾー。



足早に追い掛けてその隣に立ち並ぶ。




そして視線が捉えたものを見て少しだけ目を細めた。



手、繋いじゃったな。不可抗力かもしれないけれど。



いつかあたしはその手に、イサゾーになんの疑問も持たせず触れることができるのだろうか。






「恋」ってのは時には人を弱くしてしまうらしい。



相手から辛辣な言動を向けられることを酷く恐れてしまうから。




自分の内で膨れ上がる感情の存在を感じながら、あたしはイサゾーと肩を並べて家路に就いた。


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