その視界を彩るもの

疼木 沙紀

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第1章

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通い慣れたドラッグストア。



そのお陰もあるのだろう、難無く辿りつくことの出来た化粧品売り場に思わず頬が緩む。微細に、だけれど。





でかでかと掲示された広告には目的のそれ。



しかしながら、するりと視線をおとし商品棚を見つめたあたしは愕然とした。





「!!」





例の新作アイシャドウは、残りひとつになっていたのだ。









迷うことなく隻手をそこへと向かわせる。



あと30センチ、20センチ、10センチ―――……





確実に縮まる距離と共にあたしの胸が高鳴りを告げる。



ほんと、運が良いとしか言えない。あたしってば今日一位だったのかな―――嗚呼、さっきまで最悪だったけれど。



















シャドウへと指先が触れた―――その、瞬間だった。





「『あ』」













ぶつかる筈のない感覚にどきりと心臓が悲鳴を上げ、思わず。鋭く息を呑んだあたしは伸ばしていた腕を引っ込めてしまった。



まさか隣に人が居たなんて。完全に油断していた、気付かなかった。





しかしながら、ちらりと真横にスライドさせた視線で判ったこと。



どうやらその人物も、あたしの存在に驚き腕を引っ込めてしまったらしく。








「、ごめんなさい貰います……!」











相手の顔も碌に見ずに、己の欲に従った行動を取るとそうなってしまった。



短く叫んだあたしは再度手を伸ばし、シャドウを掴み上げる。


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