その視界を彩るもの

疼木 沙紀

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第2章

王子様の葛藤と少年

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「…………」



「初なに、どーしたのー」



「……うん」



「なに?ついにボケた?みたいな」



「ボケてないし」






お決まりの場所。教室の窓際最後列にある自分の席でスマホ画面を凝視するあたし。と、そんな此方の様子を認めて面白おかしくそう口にするアカネ。



何が可笑しいのか、被せるように答えたあたしを見てゲラゲラと大爆笑するアカネを尻目に懸ける。




ユカリやアキホが居ればこの人(アカネ)を引き取ってもらおうと思ったのだけれど、居ないのだから仕方がない。



便乗してあたしの手中にあるスマホを覗こうとするアカネの顔面を、無遠慮にぐいぐい押し返した。







だって正直、アカネに構ってられない。マジでどうした?イサゾー。









"今日は何時に学校終わるの" 13:14



  13:17 既読 "え、なんで?"




"どうせウチ来るつもりなんでしょ?迎えに行くって言ってるの" 13:19



  13:21 既読 "どうしたのイサゾー。なんか変なもの食べた?"




"いいから答えなさいよ" 13:22







いつもなら迎えは疎か、到着しても面倒がって暫く鍵すら開けてくれないのに。



そんなイサゾーがあたしを迎えに来るって?しかもこの学校まで?やばい、本格的に目眩が……。





だって有り得ないじゃん。面倒臭がりじゃん。



しかしながらずっとこうしても居られないから、取り敢えず正直に終わる時間を入力した。



そして間を置かずに「わかった」というメッセが返ってきたことにも目を見張る。









「……、絶対にオカシイって………」



「だからぁ、なにが?」



「アカネの頭が」



「はぁー?」






適当に返したその言葉にもゲラゲラと笑い始めたアカネの声をBGMに、あたしは尚も思考をぐるぐる巡らす訳で。



だって、眼下に広がる画面ではイサゾーの返答において過去最速記録が更新されていたのだから。



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