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第3章
其れは糾える縄の如し
しおりを挟む- 梢 side -
目の前で深い茶色をした瞳で私のことを見つめる初さん。
以前はその眸にはカラコンがはめられていたのに、今日会った彼女はまるで別人のようにナチュラルな化粧を施していた。
「ずっと黙ってて、隠しててごめん」
「……」
「本当はもっと早くに言うべきだったんだって解ってる。ウソなんて吐いて……本当にごめ、」
「じゃあ」
「え?」
徐に口を挿んだ私を驚いたように見つめる初さん。
そんな彼女に曖昧な笑みを返してから、続きの言葉を、疑問を音にする。
「……どうして今、言おうと思ったんですか?」
「梢ちゃん」
「私は初さんが勇兄の彼女だって信じて疑ってませんでした。もしかしたら勝手に信じ込んだのは私のほうかもしれないですけど、初さんだって否定する素振り無かったですよね?」
「……、うん」
「どうして"この"タイミングなんですか?」
初さんの綺麗な色した瞳がフッと翳りを見せる。
私は問い詰めすぎて、詰め寄りすぎているのかもしれない。
でもどうしても気になった。
どうしてこの、今この瞬間に私に言うことに決めたんだろうかって。
「初さんは勇兄と一緒に雑誌に載りました。しかも、カップル特集で」
「……」
「私だって当然それを見てるんだって、初さんは始めから気付いてたんですよね?だから勇兄の人気が落ちてるんじゃないかって私に訊いた……違いますか?」
「……ううん、その通りだよ」
「強く言ってごめんなさい。でも、それなら尚のこと思うんです。……今言うほうが、雑誌が発売される前よりもずっと言い出し辛いんじゃないかって」
「……うん」
スルリ、初さんのグラスから水滴が滑るように落ちていく。
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