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⑦闇のファイトクラブ 序章

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闇のファイトクラブの更衣室
「俺が最強だーーーー」
大柄の二人の内の一人が叫んでいる。
「俺の方が最強だーーーー」
その叫びを聞きもう一人の大柄の奴が叫んでいる。
「うるさいわね。何だよ、ここは」
情報を貰うために来たけど、こんな野蛮な所早く帰りたいわ。
「おっ」
「姉ちゃん」
「お前も闇のファイトクラブに参加するのか」
馴れ馴れしく背が高いおじ様が話してくる。
「そうよ」
目で一瞬見てすぐに違う方に視線をやる。
「何か問題でも」
背が高いおじさまが言葉を続ける。
「別に」
にやりと笑いながら話を続ける。
「こんなところに一人で来るなんて。襲って下さいと言わんばかりじゃないか」
ロッカーに持たれながら話している。
「まあね、私、強いから」
めんどくさそうに対応している。
「強いってお前さんが」
見かけで判断している。こいつはそこらの雑魚と同程度だと判断をし、あしらう。
「ここのルール知ってるか」
「何でもありなんだぜ」
「ちなみに俺達は憎悪って言われる文字を使う憎悪だ」
「それぞれの事情があり。ここに参加している」
気分よくぺらぺらと話している。しかし、こいつの底知れない闇が存在している。それには少し興味がある。
「あの子たちも」
「あの子供か」
「そうだ」
その言葉の途中で遮るようにある人物が現れた。
「あまり、おしゃべりだと困りますね」
身長が私よりも高く。変な仮面をつけている。この男の纏う憎悪はおかしな感じがした。弱そうで強い。又は逆か判断に困ってしまうくらい、未知数だ。という言葉が適切だろう。それでも、自分の方が強いと自信が溢れ出ている。
「お客さんには純粋な殺し合いを見て頂きたいのに」
スーツで、びしっと決めている。三人の男の一人が話し始める。
「話を割って話してすみません」
仮面の男が話し始める。
「ここのオーナーのクリフと言います」
「以後お見知りおきを」
クリフは言葉を出す。
「そうだ、ここの一番強い奴教えてよ」
単なる好奇心ゆえの言葉である。仮面の男は下の靴を見てからこちらに目を向けた。まるで、話すかどうかを頭の中で考えているようだった。
「あまりおしゃべりは好きではないのですが、仕方ないですね。特別ですよ」
「名前は森高といいます」
「それより、次の貴方の戦う人物は向こうにいます」
手で相手を示した。
「貴方の相手はあそこのサンドバックを殴っている若者ですよ」
顔に見合わずに筋肉隆々である。存在感だけで言うなら、向こうで大きな声を上げている男と変わらない。
光自身にもよく分からないが、相手と自分の比較する力が優れていると言われたことがあるが自分自身で特に考えてはいない、素直な感想の上で見ているんだ。
相手の憎悪次第で、自分の強さが決まるわけではなく。純粋な憎悪ほど強さが上である。だから、自分と相手の比較をしてしまう。これもまた意思の力である。自分と相手の比較で、自分より強い相手には挑まない、これが、光の本文である。しかし、自分より強い存在はごまんといる。この事実を突きつけるだけで戦闘意欲を失いそうだ。
命のやり取りで一瞬でも自分より強いと感じてしまえば、勝てる戦も勝てないでいる。そういった、光の意思が存在している。
さあ、戦いの行方はどうなるか。
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