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㉖北古寺の過去
しおりを挟む「そうだ、いつからだろう私が愛ではなく金に翻弄され始めたのは」
北古寺の頭の中の憎悪編。
結が現れてからだ。
結は私の愛が欲しいと言った。
その当時、金に困り、何をやってもうまくいかなかった。私は自分の人生を呪った。
その時だった結が私の前に現れたんだ。
結は私の愛を独占し始めた。最初は嫌だった。この女が、私の愛を一人で独占するなんて。
でも、闇の仕事を請け負うと大金が手に入った。私は、この女を利用することを決めた。この女の憎悪を使い上に登りつめる計画を立てた。だが、この女の束縛は酷かった。でも、私はそれを金に換え我慢した。
そして、いつからだろう。私が私ではなくなったのは。
愛、その言葉を笑った。いいや、この世界は、愛ではなく、金なんだよ。
金で何でも買えるんだよ。
そう、間違った、思想に翻弄された。
殺されると確信した時に私は、この言葉を思い出した。
人の命は金では換えない。
これが、私がしてきた罪の重さなんだ。
愛を金に換えた代償なんだ。
「こんな俺の為に結は自分の体を犠牲にした」
北古寺にも分かった。
これが、愛なんだと。
「この気持ちが本物なんだ」
「私は何て愚かなんだ」
失くして初めて分かった。この気持ち。
これが、愛するという気持ち。
「そうだ、あんたが馬鹿にしていた気持ちだよ」
「彼女は最後まであんたを信じていた」
結の心が自分と重なる、だから、この言葉を選ぶことが出来たんだ。
「その気持ちは嘘ではない」
「本物だ」
「だから、貴方は自分の過ちに気づかなければならない」
最初から悪い奴はいない、ただ、考え方を間違えているだけなんだ。きっと気づくときがくる。自分が何者であり、誰かの為に生きるという選択をするのも。
「私も、結の所へ行くよ。そして、地獄で言うんだ。愛していると」
「それが、貴方のしてきた罪なんだ」
決して許されない罪。
光は言葉をかけるのを止め。鎌を振りかぶった。
何も言わないことがこの二人へのたむけとなった。
現実に戻る
「あと、よろしく」
死神が、現れて死神は首を切り落とした。
北古寺は灰になり消えた。
光は今回のことで、過去との決別を決めた。
だからこそ、自分に向き合うことを今回の出来事で改める。
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