四天王最弱の男、最強ダンジョンを創る〜俺を追放した魔王から戻ってこいと言われたけど新たなダンジョン創りが楽しいし、知らんがな〜

伊坂 枕

文字の大きさ
11 / 124

11 ナイト・マーケット

しおりを挟む

 まず、最初の一つ目はそのまんまの意味だ。

 次に、このサイズの屋敷に住人が二人だけ……というのは、人間の世界では珍しいらしい。
 普通は、召使い等が複数名住み込みで働くことが一般的だそうだ。
 そのため、奴隷を『召使い』としてこの屋敷ダンジョン内に住み込ませることは、俺たちが魔族とバレないためにも都合がいい。
 人間の一部には魔族を毛嫌いする奴がいるからな。

 ま、相手が誰であれ、意思疎通できる程度の頭が有り、利害が絶対的に対立しない場合は、むやみに敵対するより、友好関係を築く方が簡単だと俺は考えている。

 次に、妖魔族である俺は雑食性だが、ヴァンパイア族であるネーヴェリクの食事のためにも、数名の奴隷は確保しておきたい。魔王城と同じような魔族用万能栄養剤を作るための魔王樹をダンジョン内で生み出すのは、もっとダンジョンのレベルが上がらないと無理だ。

 最後のメリットは、単に俺たちが二人で買い出しに行きやすい、というだけである。
 昼間にネーヴェリクを連れ出すのは、もう少し彼女を成長させてからでないと……ちょっと心配だ。
 夜のうちに、彼女にもこの街の概要程度は把握させてやりたい。

「す、すごいデス……! そんな有利な点がたくさんあるなんテ……!」

 ちなみに、奴隷の金額はピンキリだが『読み・書き・そろばんが完璧で魔力量も高く、なおかつ見目麗しい処女』とか注文を付けなければ、二束三文の奴隷もザラだそうだ。

 じいちゃんの遺産である宝石類は全部売り払ってしまったが、金貨がまだ結構残っているので、おそらく仕入れに問題はないだろう。

「よし、じゃあ、行くぞ」

「あ、カイトシェイド様、ダンジョン・コアは、このままここに置いておいテ良いんデショウか?」

「ああ、構わない」

 もう少しダンジョンが成長すれば、無防備なコアだけを放置する、なんて真似は出来ないが、今はまだ殆ど何も手を付けていない状態に近い。
 たとえ、今すぐ破壊されたとしても、すぐに再度作り直せるし、この程度の原状復帰は簡単だ。

 そんな訳で、俺たちは家を購入する時の不動産屋に勧められた『ナイト・マーケット』へと繰り出したのである。



「これはこれは!! いらっしゃいませ、カイトシェイドの旦那様!……不動産屋のデベロよりお話を伺っております! なんでも、新しいお屋敷で働くための奴隷が必要とか?」

 俺とネーヴェリクが教えて貰った店へ入店すると、かなり良い身なりの脂ぎった中年男が、えびす顔で両手を擦り合わせながらすり寄って来た。

「……なぜ、俺がカイトシェイドだと分かったんだ?」

 俺は、初めて会ったその男に冷たい視線を送る。
 俺はまだ、見ず知らずの人間に名前を覚えられるようなマネはしていないはずなのだが……?
 すこし、胡散臭そうだと思った感情を表に出してしまったかもしれない。
 ネーヴェリクが俺を庇おうとするのを左手だけで止める。

 流石に、こんな……ぜい肉まみれの運動不足が人の形を取り、豪華な服を着ているような男に負けるとは思わないが、此処はダンジョンの外。
 今の俺の戦闘能力は、その辺の成人男性と大差無い。

 多少は警戒しておいた方が良い。
 
「ははは、それはもちろん、カイトシェイドの旦那様のような端正なお顔立ちの御仁、一般の商人であれば、見間違えるはずもございません」

「か、顔?」

 意外な答えに、思わず俺とネーヴェリクは顔を見あわせた。
しおりを挟む
感想 69

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

追放された最強ヒーラーは、美少女令嬢たちとハーレム生活を送る ~公爵令嬢も義妹も幼馴染も俺のことを大好きらしいので一緒の風呂に入ります~

軽井広@北欧美少女 書籍化!
ファンタジー
白魔道師のクリスは、宮廷魔導師団の副団長として、王国の戦争での勝利に貢献してきた。だが、国王の非道な行いに批判的なクリスは、反逆の疑いをかけられ宮廷を追放されてしまう。 そんなクリスに与えられた国からの新たな命令は、逃亡した美少女公爵令嬢を捕らえ、処刑することだった。彼女は敵国との内通を疑われ、王太子との婚約を破棄されていた。だが、無実を訴える公爵令嬢のことを信じ、彼女を助けることに決めるクリス。 クリスは国のためではなく、自分のため、そして自分を頼る少女のために、自らの力を使うことにした。やがて、同じような境遇の少女たちを助け、クリスは彼女たちと暮らすことになる。 一方、クリスのいなくなった王国軍は、隣国との戦争に負けはじめた……。

お飾りの妻として嫁いだけど、不要な妻は出ていきます

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
貴族らしい貴族の両親に、売られるように愛人を本邸に住まわせている其なりの爵位のある貴族に嫁いだ。 嫁ぎ先で私は、お飾りの妻として別棟に押し込まれ、使用人も付けてもらえず、初夜もなし。 「居なくていいなら、出ていこう」 この先結婚はできなくなるけど、このまま一生涯過ごすよりまし

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

神様に与えられたのは≪ゴミ≫スキル。家の恥だと勘当されたけど、ゴミなら何でも再生出来て自由に使えて……ゴミ扱いされてた古代兵器に懐かれました

向原 行人
ファンタジー
 僕、カーティスは由緒正しき賢者の家系に生まれたんだけど、十六歳のスキル授与の儀で授かったスキルは、まさかのゴミスキルだった。  実の父から家の恥だと言われて勘当され、行く当ても無く、着いた先はゴミだらけの古代遺跡。  そこで打ち捨てられていたゴミが話し掛けてきて、自分は古代兵器で、助けて欲しいと言ってきた。  なるほど。僕が得たのはゴミと意思疎通が出来るスキルなんだ……って、嬉しくないっ!  そんな事を思いながらも、話し込んでしまったし、連れて行ってあげる事に。  だけど、僕はただゴミに協力しているだけなのに、どこかの国の騎士に襲われたり、変な魔法使いに絡まれたり、僕を家から追い出した父や弟が現れたり。  どうして皆、ゴミが欲しいの!? ……って、あれ? いつの間にかゴミスキルが成長して、ゴミの修理が出来る様になっていた。  一先ず、いつも一緒に居るゴミを修理してあげたら、見知らぬ銀髪美少女が居て……って、どういう事!? え、こっちが本当の姿なの!? ……とりあえず服を着てっ!  僕を命の恩人だって言うのはさておき、ご奉仕するっていうのはどういう事……え!? ちょっと待って! それくらい自分で出来るからっ!  それから、銀髪美少女の元仲間だという古代兵器と呼ばれる美少女たちに狙われ、返り討ちにして、可哀想だから修理してあげたら……僕についてくるって!?  待って! 僕に奉仕する順番でケンカするとか、訳が分かんないよっ! ※第○話:主人公視点  挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点  となります。

娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る

ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。 異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。 一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。 娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。 そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。 異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。 娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。 そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。 3人と1匹の冒険が、今始まる。 ※小説家になろうでも投稿しています ※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!  よろしくお願いします!

処理中です...