四天王最弱の男、最強ダンジョンを創る〜俺を追放した魔王から戻ってこいと言われたけど新たなダンジョン創りが楽しいし、知らんがな〜

伊坂 枕

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110 東方からの使者

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「魔王・ミーカイルの使い?」

「はい、旦那様。いかがいたしましょう?」

「魔王ミーカイル……誰だ? それ……」

「使者の方曰く、『東の魔王』とのことです」

 えーと、確か、全世界で、魔王の席は7席。
 俗に担当部署が、東・西・南・北の4席、そして、天・地・中央の3席、併せて7席……と言われているが、実際は本当にその地域に拠点が存在している、という訳では無い。

 単に、名目的なもので……多分、どこの魔王も基本的には自分こそが中心だと思っているはずだ。

 そして、そんな魔王同士は、基本的に不干渉が原則。
 この原則自体、ウチのじーちゃんが結構苦労して浸透させたはずなんだが……

 まぁ、サタナスの野郎が魔王就任してからは、色んな所にちょっかいかけてたみたいだから『名あれど実なし』状態だったのかもしれない。
 俺は魔王城から出た事が無いからアイツが外で何をしでかしていたのかは分からないけど……でも、東の魔王ってシシオウじゃなかったのか?

 俺を追放した時、サタナスのヤツが東の魔王だったシシオウを倒して、部下に引っ張ってきた、って話だった……と思ってたんだが?
 
 ……いや、待て。
 あの脳筋アホ魔王の事だ。
 勘違いやら、思い違いやら……色々とやらかしていた可能性は、高い。……つーか、アリ寄りのアリだ。

「分かった。じゃ、応接室に通してやってくれ」

「かしこまりました」

 俺が応接室に移動すると、しばらくしてからベータが、一人の少女を案内してきた。
 純白の肌に真紅の瞳。漆黒のストレートヘアを背中に流し、頭には大きな赤いリボンをつけている。
 東方の巫女だろうか? 白と赤を基調とした服を着ている。
 ……まるで清楚が服を着て歩いているような絶世の美少女だ。

 見た目では人間にしか見えないが、その気配は明らかに高位魔族のものだ。

「まぁ! 貴方様がカイトシェイド様ですの!?」

「ああ、俺がカイトシェイドだ」

「ドゥフッ……ヤダ! こんなッ……ベビーフェイス男前でカワイイ魔王だなんてッ!! 美味しすぎるッ……! しかも側近が美少女じゃなくてダンディな執事風おじ様なのも私的にポイント高いですわッ!!」

「へ? え……?」

 いきなり何を言っているんだコイツ……?
 何だかこの娘……一言口を開いただけで、『清楚』と言う単語が裸足で全力逃走する姿を垣間見た気がした。

「……ドゥフフ、失礼いたしましたわ。つい、興奮してしまって……私、ミーカイル様の使者で屍鬼しきのフジョシーヌと申しますの、以降、お見知りおきを」

 屍鬼しきってことはアンデット系か。
 
「今回、ミーカイル様の伝言をお持ちいたしましたの」

 そう言って彼女が懐から出したのは通信用の魔道具らしい。
 俺の机の上に純白の薄い石板のようなモノを置く。
 四方には魔法文字が白い文字で描かれており、それらが複雑に交差し合って一種の魔法陣を形成していた。


「【遠方通話モシモシ・コール】!」

 フジョシーヌちゃんの魔力に反応し、白い板から半透明な立体映像が立ち上る。

『こんにちは、君がカイトシェイドくんかな?』

「ああ。アンタが魔王・ミーカイルか?」

 立体映像のためサイズこそは小さいが、4枚の翼を持つ青年姿の魔族だ。
 翼の色が、黒色一対、白一対……と、なかなか珍しい色合いをしている。

『うん。そうだよ。僕が東の魔王、ミーカイル。……よろしくね?』

 にっこりと、輝く白い歯を覗かせ、胡散臭い友好的な笑みを浮かべる魔王ミーカイル。

「……で、何の用だ?」

 俺は単刀直入に尋ねた。
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