Unstoppable loves

スモールピーチ

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新しい家族

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「おはようございますっ」
今日も生徒たちのカワイイ声が教室に鳴り響く。

私は小学校教師をしている、間宮さくら。
ちなみに、23歳新任教師です。
「さくら先生、宿題の回収は??」
一番前の席のこうたくんが問いかけてくる。
「あっ、そーだったね。では一番後ろの席の人集めてくれますか?」
一斉に動き出す生徒たち。
比較的真面目な方の4年2組は、新任の私にとっては有りがたい。

ー放課後のチャイム 
今日も1日平和だったな…
平和ボケしそうな私は一人職員室に向かう。
そんなとき、
「せんせーい!」
小さいけどよく通る声が私を呼ぶ。
「ここちゃん、どうしたの?」
「せんせい、あのね……」
あのねの後から一言も話さないここちゃんにしびれを切らし優しく問う。
「どうしたの?先生になんでも言って良いんだよ?ゆっくりで良いから話してみて?」
俯いていたここちゃんの顔が私の方へと向きなおし、ゆっくりと話し出す。
「あのね、家住めなくなったの…」
それだけ聞くと、私はよく理解できた。
先日親を交通事故でなくしたここちゃんは家に住めなくなったと言うのだ。
そっと手を引き、使っていない教室に入る。
ここちゃんを椅子に座らせ、再び向きなおす。
「お父さんの兄弟や、お母さん兄弟はいる?」
ちょっと黙ってからここちゃんが話し出す。
「おにぃちゃんが言ってたけど、いないって言ってた…
だから、新しい家にも行けないし、ここにも住めないって…グスグス
せんせい、どーしたらいい?」
そっか、親戚がいないから家の契約も切られ、新しい家の契約も出来ないと…
「もう家から出なくちゃって?」
「うん、1週間後にはでなくちゃって。
 えーーーん。」
んーー、どうしよう。
家が見つかるまで私の家にいてもいいけど…
や、待てよ。
お兄さんがいるんだった…
ここちゃんだけならまだしも見たこともないお兄さんも家に住まわせるのは教師としてどうなのだろうか…
私は、頭をフル回転させて考える。
不安そうな顔で泣き続けるここちゃんを見ていたら口が勝手に開いてた。
「よし、先生の家においで?
 お兄さんも一緒に。」
一気に明るくなった顔。
ここちゃんは私に抱きついてきてありがとうと言った。

これから、どんなことが起きるかも知らないで…

ここちゃんと話したその晩、私はここちゃんが今住んでる家に向かった。
ーピンポーン
はーいという男の声がしてドアが開く。
そこにはものすごいイケメンな男の人が…
「こんばんわ、吉岡さんの担任の間宮さくらです。今少しお話しできますか?」
すこし間をおいて。
「はじめまして、ここの兄の吉岡はるです。
 中にどうぞ」
家の中に招かれて入る。
靴を脱ごうとしたとき、こけそうになる私の手を引きはるくんは、
「狭いんで、気をつけて下さい。」
って微笑むものだから、私は頬を赤く染めてしまった。
それを見つからないように俯き呼吸を整える。
「ここにどうぞ座って下さい。
 今飲み物持ってきますんで。
 ここー、ちょっとこい!」
しっかりした子だな。
身長高いけどいくつだろう?
いろいろな疑問を浮かべていると。
「せんせーい、こんばんわ。」
ここちゃんがよってきた。
「こんばんわ、お兄さんにお話ししに来たんだよ?」
明るい顔になったここちゃん。
ほんとに可愛いな(笑)
「どうぞ、
 ここから話しは聞きました。
 今お金は全然ありません。
 もちろん俺がバイトして稼ぐつもりです
 が。
 それを踏まえての了承でしょうか?」
「私も必要最低限のお金しかだしてあげられないでしょうが…
よかったら、家にきてください。
ここちゃんの担任としてお役にたちたいですし。
これからのことを一緒に考えていきましょう。」
ありがとうございますと一言を言うと、土下座しようとするはるくんを止める。
「そんなことしなくていいです。こんなことしか出来なくて申し訳ないぐらい…」 姿勢を整えてはるくんが目を合わせる。
「本当にありがとうございます。」
そこから必要最低限の荷物を家へと運び。
私の家には新たな家族が二人も増えた。
 

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